ビストロというフランス語が生まれたのは、一説によると1884年で、ロシア語の「速く」が語源。近所のこぢんまりとした食堂または居酒屋のイメージで、テーブルとテーブルの距離が近い。従って、和気あいあいとした雰囲気。料理はシンプルで庶民的な料理、高価な食材を使わない料理が典型的。ランチタイムはプラ・デュ・ジュールと呼ばれる、日替わり定食を提供。1990年代に入ると、ガストロノミー(レストラン)レベルの食材やテクニックを使いながら、庶民的な価格で料理を出すビストロノミーまたはネオビストロが登場し、日本でも近年、この手のフランス料理店が多くみられるようになった。違いがわかりにくいのがブラッスリー。実際、明確な線引きはない。こちらも大衆的な居酒屋なのだが、語源がブリュワリー(ビール醸造所)であることから、アルコールのメインはビール。通し営業で深夜まで開いているため、夜遅く食事をとれる場所と認識されている。
- 「ビストロ」の意味
- 日本における「ビストロ」
- 「ブラッスリー」とは?
- 「ビストロ」「バル」「ブラッスリー」のまとめ
- 1:グランメゾン(grand maison)
- 2:オーベルジュ(auberge)
- 3:レストラン(restaurant)
- 4:カフェ(café)
「ビストロ」の意味
そもそも「ビストロ」とは何語なのでしょうか。実は英語ではありません。「ビストロ」は「bistro」と表記するフランス語になります。もともと「ビストロ」は、地方からパリへ出稼ぎにきた労働者の人々が食事をする場所だったそうです。
そこから派生して現在では、伝統的で家庭的な料理や、地方色の強い料理をお酒と共に楽しめる飲食店として親しまれています。フランス人にとっては、気軽にワインなどのお酒を楽しめるカジュアルな飲食店のようです。
日本における「ビストロ」
実は、フランスにおける「ビストロ」の意味と、日本における「ビストロ」のニュアンスは、若干異なっています。
「ビストロ」は、フランスの伝統的な家庭料理を楽しむことができる飲食店のことを指しますが、日本では他国の料理を提供する「ビストロ」も多いようです。フランス料理に限らず、お酒と一緒に軽食を楽しめる気軽な場としての「ビストロ」が日本では受け入れられているといえるでしょう。
「バル」と「ブラッスリー」はどう違う?
「ブラッスリー」とは?
「ブラッスリー」は「brasserie」と表記するフランス語です。直訳すると「醸造所」や「ビール醸造所」となります。「ブラッスリー」とは、「ビストロ」と同じようにお酒を楽しむことのできる飲食店です。主にビールなどのお酒類を提供している場合が多く、「ビストロ」よりも大衆的でお酒メインのお店になります。
「ビストロ」「バル」「ブラッスリー」のまとめ
それぞれの意味を紹介したところで、「ビストロ」「バル」「ブラッスリー」の違いをまとめてみましょう。
フランス発祥の飲食店が、「ビストロ」と「ブラッスリー」になります。「ビストロ」は、食事とお酒を気軽に楽しむことのできるカジュアルなレストラン。「ブラッスリー」は、お酒をメインにおつまみなどの軽食を楽しむ、「ビストロ」よりも大衆的な飲食店・居酒屋です。
一方、「バル」は、主に南ヨーロッパのイタリアやスペインで親しまれている飲食店になります。カウンター形式で、一日の内に何度も立ち寄ってふらっと飲食ができる手軽なお店といえるでしょう。
食事をする場でも、様々な形態があることが分かったのではないでしょうか。「ビストロ」や「ブラッスリー」だけでなく、様々な飲食店の種類があり、オケージョンによって使い分けることが多いです。そこで、フランスの飲食店の種類を紹介しましょう。
1:グランメゾン(grand maison)
「グランメゾン」は日本で使われる、最高ランクのフランス料理店を指します。実際にフランスで「グランメゾン」という言葉が使われることはありませんが、日本では、主にミシュラン3つ星レベルのフランス料理を提供する場が「グランメゾン」です。
2:オーベルジュ(auberge)
宿泊施設を備えたレストランのことを「オーベルジュ」といいます。ただし、宿泊メインの施設に敷設されたレストランではなく、飲食店をメインとした宿泊施設のレストランが「オーベルジュ」と言うのだそうです。
3:レストラン(restaurant)
フランスにおける「レストラン」は、比較的格式のあるフランス料理店のことを指しています。日本では飲食店のことを「レストラン」とひとまとめにされがちです。しかし、フランスでの「レストラン」には、年齢制限やドレスコードがある場合も多いので注意したほうが良いでしょう。
4:カフェ(café)
「レストラン」よりもカジュアルな食事の場として、「ビストロ」や「ブラッスリー」がありますが、より軽食を提供する喫茶的な役割を果たしているのが「カフェ」といえるでしょう。日本で受容されている「カフェ」とほぼ同義のお店の形態になります。店内だけでなく、街路にも席が置かれ、席によって値段が異なる場合もあるようです。