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さつまいもの特徴
さつまいもは、私達にとって身近な作物ですが、救荒作物というマイナスイメージがあるのは事実です。「肥満のもと」と思い込んでいる人も意外に多いのではないでしょうか。実は、さつまいもは様々な栄養素を含んだ、高機能・低カロリーで美容にも効果的な食物なのです。
ヘルシーで豊富な栄養
近年、消費者の健康志向、自然志向が高まるにつれて、さつまいもの良さが再認識されてきました。主成分はでん粉ですが、各種ビタミンやミネラル類も豊富に含まれています。また、セルロース、ペクチンといった食物繊維が非常に多く含まれているのが特徴です。たんぱく質と脂肪を補給すれば、理想的な食事ができるという意味で準完全食品といえるでしょう。
多彩な加工利用
さつまいもの特徴は、加工用途の幅が極めて広いことです。青果用として一般家庭での料理に使われるほか、焼きいもや大学いも、でん粉、菓子類、いも焼酎などの用途に用いられてきました。そして最近では、1次加工したダイス等の冷凍食品、フレーク、さらにはジュースなど、仕向先は極めて豊富です。また、紫いもは色素原料用にも用いられています。
さつまいもの歴史
原産地
■さつまいもの原産地は、メキシコを中心とする熱帯アメリカであるとみられています。この地城にはさつまいもが属しているヒルガオ科のいろいろな野生植物があるのですが、我が国の研究者が形態や遺伝的性質、染色体の数などから研究を重ね、トリフィーダ (Ipomea trifida G.Don.)という植物種が祖先種であることを解明しています。
■トリフィーダが、長い期間に、突然変異を起こしたり、他の野生種と交雑したりして多くの変異を生じ、その中から人為的に選抜されて現在のさつまいもが誕生したとみられます。そして、現在では、さつまいもの栽培は世界中に広がり、熱帯、亜熱帯の大部分から温帯地方にまで及んでいます。
我が国への伝来
■さつまいもの伝来ルートは何種類かあると言われていますが、すでに紀元前1000年ごろに南米から海路ポリネシアに伝わったとも言われています。記録に残っているものによれば、16世紀にはインド、そしてマレー、インドネシア、フィリピンヘと伝わり、中国の福建省には1584年に伝えられています。
■我が国には、1597年に宮古島に入ったのが最初と言われています。琉球へは福建から1605年に入って栽培され始め、1609年以降薩摩の領有支配に伴って薩摩へと伝わり、主に九州地方で栽培されるようになりました。そして江戸時代初~中期のたび重なる飢饉によって救荒作物として注目され、西南暖地を中心に全国に広く普及していきました。
■「蕃藷考」という古書に、江戸時代の中ごろ、青木昆陽が関東に伝えた当時の栽培方法が記録されています。最初はやりかたがわからないので、いもをヤマノイモのように切って植えたようです。けれども、この作り方では腐敗が多くて欠株ができ、収量が上がらなかったために現在のような苗の移植栽培に移行したようです。
■江戸時代の後期には、すでに苗床で苗をつくり、施肥作畦、採苗、挿苗、貯蔵などが行われていました。
さつまいもご飯
ほくほくのさつまいもが入った、懐かしい味わいの炊き込みご飯。シンプルな塩味で甘みを引き立てて。
■材料 (4人分)
米 3合(540cc)
さつまいも(小) 1本(約250g)
A みりん 大さじ1と1/2
酒 大さじ1
塩 小さじ1
ごま塩 適宜
■作り方
1、米はといでざるに上げ、30分ほどおく。さつまいもは約1cm角に切り、5~6分水にさらして水けをきる。
2、炊飯器の内がまに米とAを入れ、水を目盛りまで加えてひと混ぜする。さつまいもを全体にまんべんなくのせ、スイッチを入れる。炊き上がったら碗に盛り、ごま塩をふっていただく。
さつまいものバターしょうゆ煮
バターの風味が、さつまいもの甘みを引き立てます。しょうゆをプラスして、ご飯に合う味に。
■材料 (4人分)
さつまいも(細めのもの) 1本(約300g)
バター 大さじ1と1/2
黒いりごま 少々
砂糖
しょうゆ
■作り方
1、さつまいもは、皮つきのまま厚さ約2cmの輪切りにする。5~6分水にさらしてアクを抜き、ざるに上げる。
2、鍋に水1カップ、砂糖大さじ1と1/2、さつまいもを入れて落としぶたをし、中火にかける。煮立ったら弱火にし、10分ほど煮る。竹串がすーっと通るくらいになったら、しょうゆ小さじ2と、バターを加える。鍋を揺すりながらさっと煮て、バターが溶けたら器に盛り、黒ごまをふる。
さつまいもプリン
ほくほくのさつまいもとカスタードプリンは相性抜群! ざっくりつぶした、さつまいもがたっぷり入っています。
■材料
(底の直径4×高さ5cmのプリン型6個分)
さつまいも 1個(約280g)
卵 2個
砂糖 80g
バター 少々
牛乳 1カップ
ラム酒 大さじ1
■作り方
1、さつまいもは皮をむき、厚さ1cmの輪切りにして水に30分さらす。水けをきって器に入れ、ラップをして、電子レンジ強で約10分加熱する。または蒸気の立った蒸し器にいもを入れ、強火で10分蒸す。熱いうちにフォークの背でざっとつぶす。
2、オーブンを170℃に温める。別のボールに卵を溶きほぐし、砂糖30g、牛乳、ラム酒を順に加えて、泡立て器でよくかき混ぜる。これをさつまいものボールに2回に分けて注ぎ入れ、静かに混ぜる。
3、カラメルソースを作る。器に砂糖50gと水大さじ3を入れ、500Wの電子レンジ強で約6分加熱する。または鍋に砂糖と水大さじ1を入れ、弱めの中火にかけて、焦げつかないように鍋を揺すりながら、きつね色に煮つめ、いったん火を止めて水大さじ1を加えて溶きのばし、もう少し煮つめる。プリン型にバターを薄く塗ってカラメルソースを1/6量ずつ注ぎ、固まったら、2.のプリン液も1/6量ずつ注ぐ。天板に湯をはり、プリン型を並べて170℃のオーブンで30分焼いたら、でき上がり。充分にさまし、周囲を竹串でぐるりと回し、逆さに伏せて型から出す。