ごぼうの原産地は、ユーラシア大陸北部と言われています。しかし、ごぼうを野菜として食べるのは日本独自のようで、初めてごぼうを利用したと考えられている中国では、現在でも主に薬草として用いられています。日本への渡来の時期は定かではないものの、平安時代の書物などで出てくることから、今から1200年程前には野菜としての栽培が始められていたと考えられます。。
日本人は、ごぼうの豊かな香りとシャキシャキとした食感を好みますが、日本以外の国では、木の根を食べているように思われてしまうそうです。戦時中に、連合軍の捕虜にごぼうを食べさせたところ、虐待にあったと問題になった話や江戸幕末にドイツ人医師シーボルトがオランダに持ち帰ったものの、残念ながら普及しなかったという話もあります。笑笑笑笑
お正月料理にごぼうは欠かせない野菜です。関西地方のおせち料理では「黒豆、数の子、たたき牛蒡」が祝い肴、三つ肴と言われているほどです。お正月のごぼうに込められた意味は、地面にしっかり根を張って生きていけるようにということだそうです。
栄養
ごぼうの栄養成分で特に注目されるのは、食物繊維です。
ごぼうには、水溶性食物繊維であるイヌリン、不溶性食物繊維であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンがたっぷり含まれています。これら食物繊維は、腸のぜん動運動を促進するので、便秘に大変効能があります。また、これら繊維質は消化吸収されずに排泄される際、腸内の発ガン物質など有害物質を吸収してくれるので大腸がん予防にも効果があると言われています。最近の研究報告では、食物繊維のうちのリグニンに抗菌作用があり、がん細胞発生を抑制する効果があることもわかってきました。その他、ごぼうにはポリフェノールも含まれています。あく抜きのため水につけておくと、水に色がつきますが、これはポリフェノールが溶け出したためです。
葉牛蒡 2月、3月
新牛蒡 4月〜6月
秋冬牛蒡 11月〜1月
牛蒡
1、新牛蒡は柔らかく、香りが良い
2、牛蒡を食べるのは日本だけといわれる
3、葉牛蒡は葉や茎を食用とするために育てられた牛蒡で「若牛蒡」と呼ばれている
4、食物繊維が多く、腸内環境を整える効果がある
5、水にさらすと出るアクは「ポリフェノール」
6、水にさらすとうまみも出てしまうので注意する
7、皮の方にうまみがあるので皮は剥かずによく洗う方が良い
8、上側(太い方)と下側(細い方)で調理法を変えるとよい
9、上側(太い方)は香りが強いので煮物や炊き込みご飯などがベスト
10、下側(細い方)は食感が強いのできんぴらやサラダなどがベスト
牛蒡の選び方
1、まっすぐでひび割れのない物が良品
2、太さが均一の物を選ぶ
3、肌が滑らかで、きめ細かい物が良品
4、ヒゲ根が多い物は避ける
5、泥付きの方が風味が良い
京都の堀川で発見されたゴボウで、京都の伝統野菜として大切に栽培されています。斜めに傾けて植える特殊な栽培法で知られ、収穫に2年以上を要することから希少価値が高く、お歳暮ギフトや正月料理の高級食材として有名です。長さ80cm、直径6〜9cmほどの根の中心に、直径0.5cm程度の空洞ができるのが特徴で、中に詰め物をした射込み煮などに使われます。
相性の良い食材
便秘解消=わかめ、セロリ
美肌効果=しいたけ、かぶ
ダイエット効果=ひじき、豆腐、タケノコ
肥満防止=玄米・コーンフレーク
保存方法
新聞紙に包み、冷暗所で保存する
土付きの物はそのままにして保存する
洗い牛蒡や新牛蒡は袋に入れ野菜室で保存する
上手に保存すれば、一か月は保存できる
一か月保存できれば、甘みが増すと言われている
冷凍方法
使いやすい大きさに切って生のまま冷凍する
ささがきにして硬めに茹でて小分けして冷凍
好きな大きさにカットして炒めて冷凍
箸休め
ゴボウ(牛蒡)の花言葉は?
『私にさわらないで』『用心』『いじめないで』『しつこくせがむ』『人格者』
花言葉の「私にさわらないで」「用心」「いじめないで」は、アザミに似たトゲの多い萼片に紫色の花を付けることに由来します。「しつこくせがむ」は、根に対して花の注目度が低いところからきたのかもしれませんね。
全体的にネガティブなイメージですが、これらはすべて西洋の花言葉にちなむもの。ゴボウと関わりの深い日本で生まれた花言葉には、「人格者」というポジティブなものもあるんですよ。
牛蒡を使った料理
たたき牛蒡
すき焼き
柳川鍋
きんぴらごぼう
筑前煮
すりおろし牛蒡
牛蒡の梅肉和え
(個人的には『豚とごぼう薄切り』をしゃぶしゃぶして巻いて食べる!美味しいですよ!)
まめ知識
また、あく抜きに長く水にさらすこともお勧めできません。水溶性の栄養分が溶け出してしまいます。さっと酢水につけると良いでしょうね。
最後に
食物繊維が豊富なごぼう!いつも脇役ですが、いい役してます!フレンチなんかにも使用しますし、万能野菜。ぜひ色々試してください。ご飯のおかず、おつまみにも!