野菜は「健康に良い」と理解していても、意識しなければ十分な量を摂取することができません。1食1皿以上・1日5皿分を食べることを目指しましょう。調理の工夫をしたり、簡単に野菜を多く食べる料理を取り入れてみたりしましょう。またその際には主食・副菜・主菜をそろえた食事を心がけ、調味料などにも工夫をしてみましょう。
- 最初に思いつくのは
- 日本人の死因
- 野菜の素晴らしさ
- 現在
- 野菜を食べるメリット
- 野菜不足のデメリット
- 野菜不足対策1、切り干し大根煮で野菜不足対策
- 野菜不足対策2、切り干し大根を煮る時は、戻した水も一緒に
- 抗酸化作用をもつ野菜⇒身体の老化を防ぐ
- 食物繊維を多く含む野菜
- カルシウムを多く含む野菜
- アクやニオイを 取る
- 好きな食材や 味付けを使う
- 温野菜・野菜スープにする
最初に思いつくのは
野菜には多くの食物繊維が含まれているから、かもしれません。確かに、その通りです。肉や魚は栄養豊富ですが、食物繊維はありません。食物繊維は腸内環境を整え、大腸癌などを抑制する働きや、便秘予防にもつながるといわれます。
日本人の死因
半分以上は3大生活習慣病と呼ばれるガン(28.9%)、心臓病(15.5%)、脳卒中(9.0%)によるものです。これまでに国内外の数多くの疫学研究で、この予防に対し、カリウムや食物繊維、抗酸化ビタミンなどが効果的に働くことが明らかにされています。
野菜にはこれらの成分が多く含まれていますが、予防効果を示す量を摂取するためには350~400gが必要であると推定されています
野菜の素晴らしさ
免疫力や抗酸化力をアップするのに役立つ機能成分(フィトケミカル)が含まれ、そのうえ低カロリーだということです。酸化は、多くの病気や老化の原因といわれ、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があるといわれています。肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化などの予防・改善を考えるなら、「毎日、野菜を350g以上食べましょう」を常に意識したいものです。
現在
若い女性のやせ過ぎが健康問題になっていますが、ダイエットに励む女性は、美しくなることではなく、体重計に出る数字を小さくすることを目標にしているのかしら? と悩んでしまいます。
「生野菜サラダを毎日たっぷり食べているから私は大丈夫」と思っている女性は、山盛りの生野菜を電子レンジでチンしてみましょう。思いのほか、量が少ないことに驚くことでしょう。
では、野菜の摂取量を増やすためにはどうしたらいいのか。
煮物やお浸しのように「加熱した野菜」が一番です。ちなみに、日本で最も野菜を多く食べているのは長野県民で、男性が378g、女性が365g。男女ともに“日本一の長寿”であるのも、納得できる量ですね。
野菜を食べるメリット
野菜に含まれるビタミンには、食品に含まれている栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)を不足なく摂ることが必要です。
またミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠です。とくに、野菜に多く含まれるカリウムは、余分な塩分の体外排泄を促してくれるので高血圧の予防にもなります。色の濃い野菜(小
松菜、かぼちゃ、水菜など)は、カルシウムも豊富です。
野菜に含まれる食物繊維は「不溶性食物繊維」です。不溶性食物繊維は、胃腸で水分を吸収すると膨らんで腸に刺激を与えるので、お通じの改善にもつながります。また、腸内で善玉菌のエサにもなり、腸内環境をよくしてくれます。
野菜不足のデメリット
野菜が十分に摂取できていない状態が続くと、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取不足が起きやすくなり、肌荒れ、便秘、身体のだるさ、抵抗力の低下など身体の不調につながる可能性があります。
また、ストレスを受けると、抗酸化ビタミンであるβ-カロテン、ビタミンC、Eが消費されます。さらにストレスを受けたときに分泌されるホルモンの合成にも、ビタミンB群、Cが必要となります。そのためストレスが多い人は必要量が増します。
野菜不足対策1、切り干し大根煮で野菜不足対策
OLさんが手にした煮物パックはおよそ小鉢1杯分(60g前後)。材料の切り干し大根は15g前後ぐらいでしょう。切り干し大根は生大根を重量ベースで約1/10に乾燥させたモノです(写真2)。
大ざっぱに言えば、OLさんは、この日、生の大根150g前後に相当する量を食べたことになります。もちろん、乾燥過程でビタミンの一部が失われるため、切り干し大根15gで生の大根150gの栄養分を全て摂れるわけではありません。
けれども、乾燥過程で失われない食物繊維やミネラルは十分に価値ある量を摂ることができます。
たとえば切り干し大根1人分(15g)
鉄0.5mg(プルーン5個分)
カルシウム81mg(ヨーグルト小カップ約1個分)
食物繊維3.1mg(レタス中ぐらい1個分)
カリウム480mg(バナナ2本分)
野菜不足が気になる人にとって、切り干し大根は救世主的存在になるかもしれません。切り干し大根は1袋(30g前後)が100円ぐらいで、常温で保存できる食品。食べない手はありませんね。
野菜不足対策2、切り干し大根を煮る時は、戻した水も一緒に
切干し大根煮の作り方は、とても簡単です。サッと洗ってから水に数分~10分漬けて戻し、砂糖と醤油を入れたダシで煮るだけ。
この時、戻した水を捨てる人が多いようですが、実は、それはあまりにも、もったいない話です。戻した水には、切り干し大根に含まれるカリウムの約6割が溶け出ていることが実験で確かめられています。
さらに、切り干し大根15gには、
糖分が砂糖小さじ約2杯(8g)
うま味成分(グルタミン酸)が昆布6cm×7cmに相当する量が含まれていますが、やはりその6割が戻した水に溶け出しています。
戻した水をダシ代わりに使えば、調味料として入れる砂糖の量も減らせます。栄養の面でも、おいしさの面でも、「戻した水を捨てないで使う!」が切り干し大根煮の鉄則です。一度にたくさん作って冷凍しておけば、いつでも切り干し大根が食べられます。
抗酸化作用をもつ野菜⇒身体の老化を防ぐ
○カロテン・・・にんじん、ほうれん草など
○ビタミンC・・・ブロッコリー、ピーマン、パプリカなど
○リコピン・・・トマトなど
○ビタミンE・・・かぼちゃ、アボカドなど
食物繊維を多く含む野菜
⇒腸内環境を改善する、糖の吸収をゆっくりにする、コレステロールの吸収を抑える
オクラ、ごぼう、ブロッコリーなど
カルシウムを多く含む野菜
⇒骨や歯の形成、骨を丈夫にする
小松菜、水菜、大根の葉など
アクやニオイを 取る
「アク」「ニオイ」「辛み」は野菜を食べにくくしてい る原因の一つです。 下ごしらえの時に、水にさらしたり、 塩もみにしたり、さっと茹でたりする ことで取り除けます。
好きな食材や 味付けを使う
温野菜・野菜スープにする
野菜を煮たり、蒸したりすることで食感が柔らかくなり、 甘みが増して食べやすくなります。また、スープに加え ることで、生で食べるよりもたくさんの量を食べられます。