日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100mL)と糖質を含んだ飲料を推奨しています。
私は土日祝日の晴れの日は基本的に自転車に乗ってます。基本的に水1本とアクエリアス(水多め)を常備してます。特にここ最近暑いのですごく助かっていると思う。
- 『スポーツドリンク』の成分・メリット・デメリット
- 『スポーツドリンク』を飲むと良いタイミング
- 運動前後はアイソトニック、運動中はハイポトニック
- 塩分や糖質の濃度が低め
- 塩分濃度が高めな経口補水液
- 薄めて飲んでもいいか
- 粉末を利用するメリットは
- 自宅でも簡単に手作りできる
- 『スポーツドリンク』の飲み過ぎには注意
- 【タイプ別】商品の選び方
- スポーツドリンクはシンプルな成分からできています
- クエン酸は?
- 減量・ダイエット中のとき
- 疲労回復・抑制には
『スポーツドリンク』の成分・メリット・デメリット
スポーツドリンクの基本成分は、塩分と糖分です。
水だけを大量に飲むと体内の電解質バランスが崩れてしまうので、汗とともに失われた電解質を補うために塩分は必要不可欠です。しかし塩分の過剰摂取は、高血圧だけでなく、胃がんなどの要因ともされており注意が必要です。
いっぽう糖分はエネルギーを補うだけでなく、塩分と一緒に摂ることで水分の吸収を速めてくれます。しかし過剰な糖分は血糖値や肥満に悪影響を与えるので、やはり注意が必要です。
*等分が非常に多いので薄めのスポーツドリンクが自分には会っているかも!
日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」によると、運動時に適した水分として以下が推奨されています。
(1)5~15度に冷やした水を用いる
(2)飲みやすい組成にする
(3)胃にたまりにくい組成および量にする
具体的には、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg)と4~8%程度の糖質、つまり、1Lの水に食塩1~2g、砂糖40~80gが含まれたものをすすめています。
汗は99%以上水ですが、ナトリウムなどの電解質(イオン)やマグネシウム、カルシウムといったミネラルも含まれています。大量に汗をかくと、それらも一緒に体外に流出し、体のバランスを崩してしまうので、体液に近い成分を含んだ飲料で補給するのが良いのです。糖質を加えるのは、多少のエネルギー補給の目的もあります。
『スポーツドリンク』を飲むと良いタイミング
スポーツドリンクを飲むのにおすすめのタイミング例を挙げます。
・運動
高温下や屋外でなくても運動により発汗します。運動の合間にこまめな水分補給をしましょう。
・高温高湿下での作業
温度だけでなく湿度にも注意が必要です。
・長時間の在宅
快適な室内でも長時間の作業や学習では適度な水分補給が必要です。
・入浴前後
入浴により約500mLの水分が失われると言われています。入浴前に水分を摂るのも良いでしょう。
・起床時
寝ている間にも大量の汗をかきます。
運動前後はアイソトニック、運動中はハイポトニック
さて、「スポーツドリンク」と言っても、大きく分けて2種類あることはご存じですか? 「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」で、違いは浸透圧にあります。
アイソトニックとは「等張液」を意味し、安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。塩分は0.1~0.2%、糖質が約4~6%と体液に近い浸透圧のため、水分、糖質、塩分がバランスよく吸収されます。しかし、発汗によって体液が薄くなっていると吸収速度が落ちるので、運動前や後に飲むのが良いとされています。
また、足などがつる選手は、数日前から時間単位で一定量を飲むウオーターローティングにも、アイソトニック飲料を使います。今では、アミノ酸、ミネラル、ビタミン入りなど様々な商品があり、メーカーによって糖度や塩分にも差があります。購入する際は、成分表示を見て選択しましょう。
塩分や糖質の濃度が低め
一方のハイポトニックとは「低張液」を意味し、塩分や糖質の濃度が低めで、安静時の体液よりも低い浸透圧の飲料のことです。
含まれる塩分は0.1%程度、糖質は2%程度と低めで、どちらかといえば、経口補水液に近い濃度です。運動による発汗で体液が薄くなっている時は、水分が腸管で速く吸収されるので、運動中や運動直後の水分補給に向いています。
ただし、エネルギーを欲している時は、アイソトニックとの併用、もしくはアイソトニックを飲んだ方がいいでしょう。
塩分濃度が高めな経口補水液
経口補水液は、塩分濃度が0.3%程度と高めで、糖質が低めのものを指します。多量の発汗で喉の渇きを感じ、水分損失が1%(体重が1キロ減るイメージ)となると脱水の前兆。
そういった時や、大量の汗をかいて脱水状態になった時に有効です。
薄めて飲んでもいいか
「スポーツドリンクは甘すぎて飲みづらいため、薄めて良いか」という声も多く聞きますが、水や氷で薄めれば、ナトリウムや糖質などの成分も薄まってしまうので目的通りに働きません。「口の周りが甘さでベタベタするのが苦手」ということが多いので、スポーツドリンクを飲んだ後、一呼吸おいて水で口をすすぐなどで対応するのがいいようです。
粉末を利用するメリットは
大容量の水筒でドリンクを持参する場合、氷で成分が薄まってしまうと心配される方もいます。その場合、ペットボトルの飲料より、粉末を利用するのがベター。水筒にあらかじめ粉末と氷を入れた後に、残りの水を加えれば、薄まらずにすみますし、ペットボトル飲料よりもコストパフォーマンスに優れています。
「塩分を補給するなら、薄めたものをたくさん飲めばいい」という考えは危険です。脱水時に濃度の薄い飲料を飲むと、体液が薄くなってしまい「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす恐れがあるからです。
自宅でも簡単に手作りできる
市販の味が口に合わなければ、スポーツドリンクや経口補水液を手作りしてみてはいかがでしょうか。経口補水液は、水1Lに対して食塩3g、砂糖40gがベース。これにレモンやグレープフルーツ等のかんきつ類を加えると、さわやかな味わいになります。目的によって濃度を変え、好みの味にしてみてください。
※浸透圧=「同じ濃度になろうとする力」のこと。
濃度の薄い溶液と濃い溶液が半透膜を隔てて接していた場合、濃度を均一にしようという働きが生じて、薄い方が濃い方へ移ることを「浸透」、その時生じる圧力を「浸透圧」と言う。
『スポーツドリンク』の飲み過ぎには注意
ほとんどのスポーツドリンクは4~8%程度の糖質を含むことと、酸性であることから、虫歯のリスクを意識しておきましょう。こまめに飲み続けることも多いので、注意が必要です。
糖分については、肥満や血糖値に影響があります。糖尿病患者でなくても、飲みすぎて糖分代謝に異常が生じた場合「ペットボトル症候群」となり、吐き気や腹痛などの症状だけでなく、進行すると意識障害や昏睡といった危険な状態になることもあります。
また塩分を含むため、高血圧や心臓・腎臓の持病のある方は、主治医の指示のもとで摂るようにしてください。
【タイプ別】商品の選び方
【運動前の方】はアイソトニックタイプ
アイソトニックは「等張液」を意味します。体液に近い浸透圧となるように作られているので、水分・糖質・塩分がバランスよく吸収されます。
日常生活の様々な場面で、効率的に水分補給をするのに広くおすすめできます。
運動による熱中症の予防についても、日本体育協会は「1時間以上の運動をする場合には、4~8%程度の糖質を含んだものが健康維持のためだけでなく水分補給効果にも役立ちます」としています。
【運動中の方】はハイポトニックタイプ
ハイポトニックは「低張液」を意味します。糖質の濃度が4%未満で、浸透圧は体液よりも低くなります。
激しい運動等による多量の発汗で体液が薄くなっている時は、ハイポトニック飲料の方が腸管での水分吸収が速くなるので、運動中や運動直後の水分補給に向いています。
また糖質濃度が低めで、中にはゼロカロリーを謳った商品もありますから、ダイエット中や糖質制限をされている方にもおすすめできます。
スポーツドリンクはシンプルな成分からできています
商品によって内容が大きく異なるものもあります。スポーツドリンクの成分を見る際に大切なポイントは主に以下の3つです。
①ナトリウム(塩分)
発汗により水分と同時にナトリウムが体外に放出されます。水分だけの補給ですと体液が薄まり、低ナトリウム血症を引き起こしてしまいますので、ナトリウムの補給も必要になります。
ナトリウムは100mLあたり40~80mg含まれているものが推奨されています。
「スポーツドリンク」のカテゴリで売られている飲料はほとんどこの範囲内のナトリウムを含んでいて、あまり大きな違いはありませんが、その他のソフトドリンクを利用したい場合は参考にするとよいでしょう。
②糖質(炭水化物)
糖質は運動中のエネルギー源となるだけでなく、ナトリウムと一緒に摂取することで、腸管での水分の吸収を促進する働きもあります。糖質濃度が2.5~8%含まれていると、水分の吸収効率がよくなります。
糖質や塩分の濃度が低いものは浸透圧が低く「ハイポトニック飲料」と呼ばれ、発汗量の多いときにスムーズに水分が吸収されます。
一方で糖質や塩分の濃度が高いものは浸透圧が高く「アイソトニック飲料」と呼ばれ、安静時や発汗量の少ないときの水分補給およびエネルギー補給に適しています。
③疲労回復成分
スポーツドリンクに不可欠な成分は塩分と糖分ですが、その他各商品で違いを出すために、次のような成分が配合されていることがあります。
ビタミン
ビタミンB群は体内の糖質、脂質、たんぱく質からのエネルギー産生に関わっており、特にビタミンB1は糖質の代謝と疲労回復に役立つ栄養素です。
ビタミンCは様々な働きがありますが、スポーツに関係する働きでは下記のものがあります。
- 鉄分の吸収を促進し貧血を予防する
- 白血球の増加や粘膜の健康維持に関わり免疫力を高める
- エネルギー代謝を活発化して運動時に分泌が高まるアドレナリンの合成に関わる
- 副腎皮質ホルモンの合成に関わりストレスを和らげる
- 抗酸化作用
- 軟骨成分でもあるコラーゲンの合成
水溶性ビタミンであるビタミンB群とビタミンCは発汗によっても損失するので、アスリートは多く補給する必要があります。
アミノ酸
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分で、BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシンの総称)やアルギニン、グルタミンなど様々な成分があります。体の中では免疫力を高めたり筋肉の構成成分になったりなど種類によって様々な役割を持っています。
経口摂取によるヒトでの有効性については十分な科学的根拠がないものが多いのですが、BCAAは筋肉のエネルギー源にもなるアミノ酸で、運動時の疲労を抑える効果があるとして「機能性表示食品」で認められている商品もあります。
ただし注意点として、競技中に飲むとお腹が持たれる可能性があるということです。
アミノ酸は摂取後胃に入ると、消化酵素が誘導されるために一時的に胃液量が増加する可能性があり、また水分・糖分・塩分のみのシンプルなスポーツドリンクに比べて、アミノ酸が入っていると消化管の滞在時間がはるかに長くなるためです。
安全性は高い成分ですので、一度使ってみていい体感が得られるのであればBCAAの入った飲料を選ぶのもいいですが、もし競技中に飲んでお腹がもたれるように感じる方は、利用をやめるか、競技中は控えて競技の前後に飲むのがよいでしょう。
クエン酸は?
クエン酸は「α-ヒドロキシ酸」の一種で、柑橘系の酸味があり味付けにも使われる成分です。
糖代謝 (クエン酸回路) の中間体としてエネルギー代謝において中心的な役割を果たしていることから、俗に「疲労回復によい」と言われています。しかし経口摂取によるヒトでの有効性については十分な科学的根拠がありませんので、気休め程度に考えておく方がいいでしょう。
減量・ダイエット中のとき
-
アクエリアス ゼロ
-
VAAMウォーター
カロリーが気になる減量中の方は、糖分が非常に少なくカロリーゼロ(※)のこれらの飲料を飲むのもよいでしょう。
例えば「アクエリアス ゼロ」の原材料名には一番前に「果糖」が書かれてあり、炭水化物も100mLあたり0.7gが含まれています。したがって完全な0kcalではありませんので注意しましょう。
なお前述しましたように、適度な糖分は水分と塩分の吸収を促進します。これらの飲料も吸収されないわけではありませんが、発汗量が多く熱中症対策が必要なときにはハイポトニック飲料をおすすめします。
これらは人工甘味料で甘味づけがされていますので、甘さがスッキリしたものがいい方は「ポカリスエット イオンウォーター」などの方がよいでしょう。
疲労回復・抑制には
ビタミン入り飲料
-
アクエリアス 1日分のマルチビタミン
-
ビタミンウォーター
-
キレートレモンCウォーター
エネルギー産生や疲労回復効果があるビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンCを含んでいるのでおすすめです。糖分や塩分も他と同等に配合されているのでハイスペックです。
アミノ酸入り飲料
-
アミノバリュー
-
アミノバイタル
-
VAAMウォーター
乳酸菌入り飲料
-
ボディメンテ
「アミノバリュー」や「アミノバイタル」・「VAAMウォーター」には機能性成分としてアミノ酸が含まれています。アミノ酸は筋肉のエネルギー源となり、運動中の筋肉疲労の抑制に役立つことが示唆されていますので、スタミナが持続しない、疲れが溜まっていると感じる方におすすめです。
特に「アミノバリュー」はかなり多くのアミノ酸が補給できます(500mLのペットボトル1本あたりBCAA4,000mg、アルギニン1,000mg)。ややお値段は高いですが機能性は非常に高い商品だと思います。
「VAAMウォーター」は特定保健用食品(トクホ)として認可され、「カラダを動かすことによる体脂肪の減少をさらに助ける」という表示がされるようになっています。
ビタミン入り飲料とアミノ酸入り飲料についてはどちらがいいとはっきり言えるものではありませんが、それぞれ試してみて体感が得られるものを選ぶとよいでしょう。
「ボディメンテ」は日々の体調管理をサポートするとして「乳酸菌B240」という乳酸菌が配合されています。こちらはトクホや機能性表示食品ではありません。