「シュー・ア・ラ・クレーム」は日本に伝わると「シュークリーム」と呼ばれ、やがて洋菓子の定番ラインアップになりました。日本でいうところのシュークリームは、アメリカでは「クリームパフ」と呼び、ドイツでは風の袋を意味する「ヴィントボイテル」といいます。呼び方だけでなく国により様々に進化を遂げています。どんなシュー菓子を食べているのでしょうか。
- エクレア
- パリブレスト
- サントノーレ
- クロカンブッシュ
- ルリジューズ
- ペ・ド・ノンヌ
- フロッケンザーネトルテ『ドイツ』
- クラプフェン『ドイツ』
- ゼッポレ『イタリア』
- ボッルダーグル『アイルランド』
- ティビア『ポルトガル』
- 意外と知らない?シュークリームのテーブルマナー
フランス編
エクレア
19世紀に偉大な菓子職人アントナン・カレームが生み出したとされる。語源はフランス語で「稲妻」を意味するエクレール。「中からクリームがはみ出さないように電光石火のスピードで食べなくてはならないから」など、謂われは諸説ある。
たまに食べると非常に美味しい!
パリブレスト
1891年、フランスのパリ市とブレスト市を結ぶ自転車レースを記念して、近隣の菓子店が考案したのが始まりといわれている。自転車のホイールをかたどったリング状のシューにプラリネやモカのクリームを挟んでつくる。
昔勤務していたフレンチのワゴンデザートの時によく出していた!大人気!切り分け大変!
サントノーレ
名前の由来については、さまざまな説があるが、「サントノーレ」というのはお菓子の守護聖人の名前。パリの通りの名にもなっている。パイ生地の土台の周りにプチシューを王冠のように並べ、中にクリームを詰めるのが特徴。
エスプレッソ!ジョッキで!
クロカンブッシュ
フランスの結婚式では欠かせない晴れの日のお菓子。カラメルを接着剤にして、小さなシューを円錐形に高く積み上げる。「クロカンブッシュ」の名前の由来は食べた時のカリッという音。
昔婚礼でウエディングケーキをクロカンブッシュのカップル見たな〜!懐かしい!
ルリジューズ
「ルリジューズ」は修道女という意味。現在は大小の二段重ねが主流だが、もともとは大きなピエスモンテ(組み立て菓子)であった。パリではポピュラーな伝統菓子。
ペ・ド・ノンヌ
揚げシューに砂糖をまぶしたもの。修道院発祥のお菓子で名前を直訳すると「尼さんのおなら」に。口にするのをはばかる人のためには、スピール・ド・ノンヌ(尼さんのため息)の呼び名もある。
直訳は無視!大量の飲み物必須!
ヨーロッパ編
フロッケンザーネトルテ『ドイツ』
シュー生地を薄く焼き、生クリームとサワーチェリーを重ねたドイツのお菓子。ドイツ語で、フロッケンとは雪のかけら、ザーネは生クリームのこと。
うん!ケーキ!
クラプフェン『ドイツ』
シューの祖先ともいわれる、揚げ菓子。1581年に書かれた本には「底に小さな穴の空いた壷のなかに生地を入れ、沸騰した油のなかに落として揚げる」というクラプフェンの作りかたが書かれています。現在は、カーニバルの時期に食べられることが多い。
うん!意外と硬い!
ゼッポレ『イタリア』
ナポリのお菓子。イタリアの父の日にあたる聖人サンジュゼッペの誕生日3月19日に食べられる揚げシュークリーム。シュー生地は焼いたものもある。
ん〜シュークリーム?おつまみ!塩かけると美味しい!
ボッルダーグル『アイルランド』
ジャムとクリームをシューに詰め、チョコレートをかけたお菓子。イースターの前の「Bollidagur(ボッルダーグル)」という記念日(bun dayとも呼ばれる)には、飾りのついた棒で人のお尻をつつき、このシュークリームをねだるという風習がある。
見るからに甘そうです。ウエルカム糖尿!
ティビア『ポルトガル』
骨の形をしたシュー菓子。サクッとしたシュー生地に生クリームと卵黄クリームが入っている。
エクレア製作中だけど出しちゃえ!
意外と知らない?シュークリームのテーブルマナー
おやつなら気軽に手で食べてしまってもOKですが、きちんとした席ではシュークリームにもナイフやフォークが添えられていることがあります。そんな場合はどうしたらよいのでしょうか。
上下でスライスされている場合はフタから
やわらかいシュー生地は裏側からクリームが詰めてあり、クリームの逃げ場がないので、無理にフォークやナイフで押すと無惨な姿になってしまいます。そこで、左側をまず小さく切り取って食べ、その後に、少しクリームを食べて中身を減らします。後は小さく切りながら、食べ進めていきます。