日本で「フレンチトースト」と言えば、卵と牛乳と砂糖と混ぜた液体にパンを浸してバターで焼いたものを指しますよね。日本では食パンを使いますけど、フランスはバゲット。
フランスではフレンチトーストではなくPain perduと呼ぶのが主流です。
【 PAIN PERDU パン・ペルデュ(直訳したら「失ったパン」】
フランス語の意味は「固くなってダメになったパン」に由来した言葉で、固いパンに手を加えて復活させた食べ物や食べ方の総称としても使う言い方。だからバゲットでも、ブリオッシュやクロワッサンでも「パン・ペルデュ」の材料となります。
- フレンチトーストの名前の由来は
- 生まれは古代ローマ!
- こんな歴史のあるフレンチトースト
- フランスでは「失われたパン」
- 香港のフレンチトーストは西多士
- 台湾のフレンチトーストは法國土司(法式土司)
- スペインのフレンチトーストはトリハス
- ドイツのフレンチトーストはアルメ・リッター
一般に「パン・ペルデュ」と言ってフランス人の頭の中に浮かぶのは、牛乳と卵の浸みこませてバターでこんがり焼いたパン。そう、日本でいう「フレンチトースト」。
フレンチトーストの名前の由来は
ヨーロッパのフランスだと思われている方が多いと思いますが、実はフランスとは全く関係がありません。1724年にアメリカの酒屋の店主ジョーゼフ・フレンチが、この料理に自分の名前を付けたことが由来だそうです。
しかし、「フレンチトースト」という料理自体がアメリカで誕生したわけではなく、似たような料理ははるか昔からヨーロッパのさまざまな国に存在することが確認されています。最も古い記録は4~5世紀ごろのローマ帝国の料理書に残っており、中世ヨーロッパでは各地で色々な名前で呼ばれていました。「黄金のトースト」という名前もあったようです。豪華な料理に聞こえますよね。
ちなみに「フレンチトースト」の由来と思われがちなフランスでの呼び名は、「pain perdu(失われたパン=捨てるはずのパン)」と言います。フランスのパンは専らバケットなどのフランスパンです。フランスパンは日を置くと硬くなってしまうのですが、調味液に浸すことで硬くなったパンを柔らかく生き返らせることができます。そうした意味から「pain perdu」と呼ばれるようになりました。そのため、日本とは違い庶民的な料理というイメージもあるようです。
生まれは古代ローマ!
フレンチトースト(英:French toast)とは、牛乳・卵・砂糖などを混ぜた液に、食パンなどのパンをひたしてから焼く料理です。液の調合やパンの種類によって食感や味が変わるため、作る人によって違った味が楽しめるのも魅力ですね。
フレンチトーストはいつ誕生したのか?ですが、場所はヨーロッパ方面というのが有力です。4世紀終わり頃にローマ帝国で書かれた料理本「アピシウス」に、原型が登場しています。
アピシウスには、“もう一つの甘い料理”という意味のアリテル・ドゥルキア(Aliter Dulcia)という、パンを牛乳にひたした料理が登場します。
現在のフレンチトーストとは違い、卵は使われていませんが、作り方はとても似ているんですね。そこから、アリテル・ドゥルキアがフレンチトーストの原型では?と言われています。
こんな歴史のあるフレンチトースト
お店でもおいしくいただけますが、ご家庭で作ろうと思うと、意外に手間がかかることが難点です。充分に卵液に浸してから焼くと思うと、面倒だと思って作らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時にこそ試していただきたいのが「私のフレンチトースト」。フレンチトーストに必要な材料である、卵・牛乳等がすべて入っているスプレッドです。
食パンにたっぷり20gほど(大さじ1杯強)塗って約3分トーストしていただくと、卵のコクと甘さ、柔らかさと適度な香ばしさを楽しむことができます。食べたいときにさっと作れる点も魅力です。他にも、カスタードクリームの代わりにレーズンと一緒にクッキーサンドにしたり、果物をソテーしたり、意外なものでは大学いもまで作ることができます。レシピはホームページでもご紹介しておりますのでぜひ参考にしてください。皆さんもご家庭で簡単な「フレンチトースト」を楽しんでみませんか?
フランスでは「失われたパン」
フランスでは「フレンチトースト」ではなく、失われたパンの意味を持つ「パン・ペルデュ(仏:pain perdu)」という名前で食べられています。
何故“失われたパン”なのか?と言うと、固くなってしまった古いパンを、牛乳にひたすことで美味しく食べられるよう調理しているからですね。
使うパンはバケット(フランスパン)や、バター・牛乳・卵をたっぷり使ったブリオッシュが主に使われます。
フレンチトーストは朝食のイメージが強いですが、フランスの「パン・ベルデュ」はデザートの扱いです。そのためアイスクリームや果物を添えたり、日本のようにメイプルシロップをかけていただくんですね。
また「パン・ベルデュ・サレ(塩味のフレンチトースト)」に、ベーコンを合わせて食べることもありますよ。
香港のフレンチトーストは西多士
香港でフレンチトーストは、西多士(サイドシー)と呼ばれています。
日本のフレンチトーストとの違いは、液にひたした食パンを、油で揚げることです。揚げたての西多士に、シロップ・コンデンスミルク・バターなどをかけていただくんですよ。
台湾のフレンチトーストは法國土司(法式土司)
台湾ではフレンチトーストを、法國土司(ファーグオトゥースー)または法式土司(ファーシートゥースー)と呼びます。日本との違いは、食パンの表面に溶き卵をつけて鉄板で焼いている点です。甘みがなく、塩味のものが多く、ツナやコーンなどを間に挟んでサンドイッチのように食べるんです。
スペインのフレンチトーストはトリハス
スペインではイースター(セマナサンタ)の期間に、トリハスというフレンチトーストを食べます。トリハスは余ったパンに牛乳や卵をしみこませてから焼き、シナモンシュガーをふりかけたもの。甘く美味しそうなので、イースターが待ち遠しくなりますね。
ドイツのフレンチトーストはアルメ・リッター
ドイツではフレンチトーストのことを、アルメ・リッターと呼びます。
言葉の響きからはとてもかっこいいネーミングですよね。でも実は直訳すると「貧乏騎士」と情けない名前になってしまいます。古く硬くなったパンを再利用するレシピなので、貧しい騎士に例えられたのかも知れませんね。