ヨーグルトとその仲間の発酵乳の始まりは、木桶や革袋に入れておいた乳に偶然入り込んだ乳酸菌によってできたものといわれています。紀元前数千年前、人間が牧畜をはじめた頃から作られており、世界各地で特色のあるヨーグルトが食べられていたようです。
もちろん、健康効果だけではなく、そのおいしさ(風味)が人々に親しまれた大きな要因でもあったそうです。
主に、東ヨーロッパから中央アジア、北アフリカの遊牧民たちにより羊、山羊、牛、馬などの乳から経験的な製造方法で、生乳より保存性が良く、また、自然発酵により現在のヨ?グルト状になった食品を、動物性蛋白質やビタミン、ミネラル源を含む貴重な日常の食糧として利用していたようです。相変わらず昔の方はすごい知恵ですね!
ヨーグルトの健康効果が科学的に実証されて100年
乳酸菌を世界で初めて本格的に調べたのは発酵微生物学の始祖、フランス人のパスツールといわれています。1857年に、酸っぱくなった乳を顕微鏡で調べた結果、乳の中に微生物が存在することを認め、乳酸酵母と命名しています。
その後、そのパスツール研究所の研究員となるロシア生まれのノーベル賞生物学者・メチニコフが、1900年代の初め、「ブルガリアに長寿者が非常に多いのはそこに住む人々がヨーグルトを毎日大量にとることによって、ヨーグルトの中の乳酸菌が腸内に住みつき、腸内腐敗菌の増殖と毒素産生を抑え、動脈硬化を防いでいる」と考え、自らヨーグルトを食べ、また、周囲の人にとることを進めたといわれています。
それを裏付けたのがブルガリア人の医学者!『グリゴロフ』1905年、ヨーグルトの乳酸菌を分離し、伝統的なブルガリアヨーグルトがブルガリア菌とサーモフィラス菌の2つの菌種であることを発見しました。これが、今も変わらないヨーグルトの種菌です。
ところで、近年、乳酸菌、腸内細菌の研究が飛躍的に進展し、ヨーグルトの乳酸菌がそのまま腸内に棲みつくことはないと考えられています。しかし、メチニコフの提唱は重要で、現在も乳酸菌やヨーグルトの健康効果の科学に大きな影響を与え、その効果が科学的にさらに次々と明らかになりつつあります。
ヨーグルトの成分 ? 牛乳に乳酸菌の良い効果をプラス ?
ヨーグルトは、栄養バランスの良い「完全栄養食品」である牛乳に、乳酸菌のすばらしい効果をプラスした食品です。そのため、ヨーグルトは牛乳の栄養分をそのまま、またはより有効な形で受け継いでいます。
牛乳に「スターター(種菌)」を入れてヨーグルトを作ります。
種菌は桿菌のブルガリア菌(ラクトバチルス・ブルガリカス)と球菌のサーモフィラス菌(ストレプトコッカス・サーモフィラス)です。それに、ヨーグルトの種類により、ガゼリ菌、アシドフィルス菌、各種ビフィズス菌など他の乳酸菌が添加されます。
乳酸菌によって作られた乳酸は、ヨーグルトにさわやかな酸味を与えます。また、乳酸によって牛乳のタンパク質が豆腐状に固まり、独特の滑らかな舌触りが生まれいるそうです。
強力タッグの乳酸菌、ブルガリア菌とサーモフィラス菌
この2種類の乳酸菌は、自然に作られたヨーグルトの主役乳酸菌です。これらは古来ヨーグルトづくりに使われてきた菌で、単独よりも一緒にいることによりお互いが助け合って短時間に増殖するという性質を持っています。実際にブルガリア菌とサーモフィラス菌を乳に混合接種すると、まず生育の早いサーモフィラス菌が、乳の中のわずかなアミノ酸やペプチドを利用して増殖し、同時にブルガリア菌の生育に必要なぎさんを作ります。
するとブルガリア菌はこの蟻酸を取り込んで増殖し、同時にサーモフィラス菌の増殖を促進するアミノ酸やペプチドを作ります。つまり、ブルガリアヨーグルトに使われている2種類の乳酸菌は、お互いの弱点を補完し合って増殖し、乳酸を多量に生成するわけです。
ブルガリア菌とサーモフィラス菌の併用による「共生作用」で、お互いの乳酸発酵を高めあいながら、短時間でおいしいヨーグルトを作り出しているのです。
ヨーグルトの栄養分
ヨーグルトは、牛乳などの栄養に加え乳酸菌による発酵作用でさらなる栄養効果。
ヒトの体を作る栄養素、タンパク質
ヨーグルトに約3.4%含まれているタンパク質は、牛乳より消化吸収が良いペプチドやアミノ酸に分解され体内に入り、人体の細胞をはじめとする体の組織を作ります。
体を動かすエネルギー源、脂肪
牛乳には約3.2%の脂肪が入っています。脂肪はもともと細かい粒子ですが、ヨーグルトは消化されやすくなっています。また、脂溶性ビタミンのビタミンAを含んでいます。
炭水化物は「乳糖」の形で
乳糖はエネルギー源になるだけではなく、乳児の脳や神経系を作るカルシウムや鉄分の吸収、整腸などの働きがあります。この乳糖は、ヨーグルトではすでに20?30%分解されています。
骨の成分、カルシウムがたっぷり
牛乳の最大の長所ともいえる豊富なカルシウムも、ヨーグルトは受け継いでいます。牛乳ではカルシウム吸収率は40%ですが、ヨーグルトになると、乳酸とくっつき乳酸カルシウムとなり、さらに腸から吸収されやすい形になっています。
体の機能の潤滑油、ビタミン各種も
不足がちといわれているビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンCのうち、ビタミンC以外はすべてヨーグルトに含まれています。
最後に
最近飲むヨーグルトを朝一に飲んでます。
朝はバタバタ(睡眠時間確保)するのでちょうど良い!笑