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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

虫!虫食べる?昆虫食!無理無理!

昆虫は、栄養価が高く、環境負荷も少ないなど、多くのメリットが期待されている。一方で、昆虫食が普及することによるデメリットもいくつか考えられている。
これから昆虫食を試したい方や、昆虫食の普及についてより理解を深めたい方は、デメリットについても知っておくと良いでしょう。

 

昆虫食の起源

昆虫食の歴史は古く、昆虫は古くから多くの文化で食用とされ、約2,000種以上が食べられると言われています。
中国と日本でもそれぞれ異なる文化が形成されてきました。
中国では約2000年前の周代から既に昆虫が食されており、特に「竹虫」は豊富なタンパク質源として重宝されてきました。
一方、日本では江戸時代に既に「イナゴの佃煮」が食され、特に飢饉時には貴重なタンパク源となったとの記録が残っています。また畑で作物につく害虫を食べてきた歴史もあります。

 

近年注目されている昆虫食とは?

昆虫食とは、人間が昆虫を栄養源として食べることだ。昆虫は、人類が誕生してから貴重なタンパク源とされてきた。しかし、その他の食料の安定供給と家畜からのタンパク源摂取が可能になり、需要が激減してきた。

とはいえ、今日もメキシコ・アジア地域・アフリカを中心に、人間は1,990種類を超える昆虫類を食しているとされる。

日本でも一部の地域で昔からみられる昆虫食だが、現在は世界的に注目され始めている。

2050年には世界の人口は100億人を超えるといわれており、食料の供給が追いつかなくなるとされている。そこで、重要な栄養素であるタンパク質を家畜の代わりに昆虫から得ようというわけです。

 

地域の風土と昆虫食

昆虫食は地域の風土に強く影響されています。
たとえば、日本では、各地域で特有の昆虫が食されてきました。
新潟県では「ゼニゴケボッタ」、福岡県では「マツムシ」が伝統的に食用にされてきました。
これらの昆虫はそれぞれの地域で自生しており、地域住民によって採集され、調理されてきたのです。

 

昆虫食のメリット5つ

昆虫食のメリットは、以下の5つが挙げられる。

・栄養価が高く健康に良い
・環境負荷が少ない
・生産がしやすい
・加工して利用できる
・貧困層の人々の収入源となり得る

 

栄養価が高く健康に良い

昆虫は、肉や魚に比べて良質なタンパク質を多く含んでいる。

エネルギー源となる脂肪酸やミネラルも豊富に含んでおり、栄養源としても期待できる。また、鉄やマグネシウム、亜鉛など、多くの栄養素を含むため、非常に栄養価が高い。

昆虫食を世界的に普及させることは、SDGs目標2「飢餓をゼロに」、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成にもつながるといえる。

環境負荷が少ない

食用昆虫を飼育するときに排出される温室効果ガスは、家畜より格段に少ない。

FAO(国連食糧農業機関)によると、昆虫3種(ミールワーム、コオロギ、バッタ)を生産するときに排出される温室効果ガスは、豚や牛などと比較して、およそ100分の1とある。

これはSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成にもつながるといえるだろう。

生産がしやすい

昆虫は飼育変換率が非常に高い。

飼育変換率とは、1kgの収穫に対して必要な飼料を示す。飼育変換率が高い昆虫は、少ない飼料で多く生産できるのだ。牛とコオロギを比較すると、4分の1程度の飼料で生産できるとされている。
また、穀物ではなく人間廃棄物、動物廃棄物、堆肥などの廃棄物を飼料として活用できるため、食品ロス削減にもつながる。
さらに、牛の可食部位が40%程度なのに対し、昆虫はほとんどの部分が食べられる。可食部位をふまえて飼育変換率をみると、昆虫は牛よりもおよそ12倍以上少ない飼料で生産ができることがわかる。

飼料として利用できる

昆虫は、パウダー状やペースト状に加工し、飼料に加工しやすい点もメリットだ。ニワトリや豚などの家畜や養殖魚、ペットの餌として、既存の飼料に混ぜて使うことができる。

大阪府立環境農林水産総合研究所で行われた研究では、養殖魚の飼料において、昆虫食を使用した場合と魚粉を使用した場合とを比較した結果、体重・体長ともに大差はなかった。

魚介類は需要が増加しており、輸入価格は安定していない。そのため、昆虫食を飼料に使用する方法で、より持続可能な食料生産につながることが期待されている。

貧困層の収入源となり得る

食用昆虫の販売は、原野で採集できて生産や加工が簡単なため、特別な知識がなくても始めやすい。

発展途上国では貧困層の経済的な自立が問題になっているが、昆虫食の広まりは、こうした人々が収入源を得ることにもつながる。また、昆虫の飼育には、家畜と違って広い土地を必要としないため、貧困層の人々も参入しやすい。

発展途上国の人々の収入源として確立されれば、SDGsの目標1「貧困をなくそう」の達成にも寄与できる。

 

昆虫食のデメリット・課題3つ

昆虫食のデメリットと課題は、以下の3つ。

・アレルギーを引き起こす可能性がある
・消費者への浸透が難しい
・農薬の規制が必要になる

 

アレルギーを引き起こす可能性がある

昆虫食は、アレルギーを引き起こす可能性が否定できない。
昆虫はエビやカニと同じく無脊椎(むせきつい)動物であるため、甲殻類アレルギーの人において、同様の症状を引き起こす可能性が考えられている。
なお、衛生的な環境で飼育された昆虫は、病気や寄生虫のリスクが低く、人間に伝染した実例は今のところない。

ただし、何を食べているかわからない野生の昆虫は、農薬をはじめとする様々な化学物質に暴露されている可能性が考えられる。昆虫食にチャレンジするときは、信頼性のある衛生的な環境で飼育されたものを選ぶと良い。

消費者への浸透が難しい

昆虫食が普及しないのは、消費者からの嫌悪感が原因と考えられている。
数が多くて長い脚や、触覚など、見た目のインパクトが強く「気持ち悪い」と思ってしまう人も多いだろう。
しかし、現在は昆虫を加工した商品も多く販売されている。例えば、無印良品が販売している「コオロギせんべい」や「コオロギチョコ」は、コオロギの粉末を使用している。
見た目に対する嫌悪感を払拭できれば、世界的に浸透する日もそう遠くないかもしれない。

農薬の規制が必要になる

国際連合食糧農業機関(FAO)では、野生の昆虫を食用として利用する場合に農薬の規制が必要と考えられている。

昆虫の中には、植物を餌にするものもいる。植物を育てるのに農薬を使っている場合、消費者に多量の農薬が残留した状態で提供されるおそれがある。
ただし、農薬を規制すると、病害虫に食物を食われ収穫量が減ることが懸念される。昆虫食の提供、および普及にはまだまだ課題があるようです。

 

日本の昆虫食

日本の昆虫食の代表格といえば、イナゴの佃煮とセミの幼虫です。
特にイナゴの佃煮は、田んぼの害虫であるイナゴを甘辛く煮たもので、江戸時代からの伝統的な保存食として各地で食されてきました。
一方、セミの幼虫は主に西日本で食され、蒸したり焼いたりして、そのまままたは醤油で味付けして食べることが一般的です。
その風味は鶏肉に似ており、タンパク質が豊富であるため、食物としての価値が再認識されています。

日本で食べられる昆虫は、主に以下のとおりです。

バッタ類(コオロギ、イナゴ、ツノガエル、ゲンゴロウモドキ、カマキリなど)
甲虫類(テントウムシ、カブトムシ、クワガタムシなど)
ハチ類(ミツバチ、スズメバチなど)
蚕(カイコ)
貝類(カタツムリ、ナメクジなど)

 

安全な種類と採集方法

昆虫食の安全性を確保するためには、適切な種類の昆虫を選び、正しい採集方法を守ることが重要です。
食用とされる昆虫の中にはカイコ、クワガタ、コオロギなどがあります。
これらは農薬の影響を受けにくい環境で生息し、寄生虫や病原菌を保有しにくいとされています。
また、採集方法についても自然環境から採取する際には汚染物質の影響を避けるために、工業地域や道路沿いは避けることが推奨されています。

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