食事の時間を空けすぎない
1日3食を規則正しく食べているときには「血糖値スパイク」が生じなかった人でも、朝食を抜くと昼食のあとに「血糖値スパイク」が発生する、という研究結果が出ています。
さらに朝食も昼食も抜いた場合、夕食のあとにさらに大きな「血糖値スパイク」が生じてしまうそう。つまり、空腹が長時間続いたあとの食事は「血糖値スパイク」が一層起きやすくなっているのです。
間食も含めて、理想的な食事の感覚は3〜4時間。どうしても食事の間隔があいてしまう場合、カバンのなかに片手でサッと食べられるものを忍ばせておくのがオススメです。
心がけ2:ゆっくり時間をかけて食べる
1回の食事には!?
最低でも15分以上は時間をかけましょう。それよりも時間が短いと満足感を得られず、食べすぎにつながってしまいます。昔から「腹八分目は医者いらず」と言いますが、食事を適量にすることは、血糖値スパイクからも私たちを守ってくれるのです。
糖質を食べる順番、量を見直してみる
たんぱく質・脂質・糖質の三大栄養素のなかで、血糖値を最も上げやすいのが「糖質」。この糖質を食べすぎないことはもちろんですが、食事のなかで食べる順番を見直すことでも、血糖値の上昇をおさえることができるんです。
野菜やきのこ、海藻などに含まれる食物繊維には、腸の壁をコーティングし、あとから糖が入ってきたときに、その吸収をおだやかにする作用があります。次に食べると良いのは、タンパク質や脂質を含む肉や魚。それらは胃から腸へと運ばれる際に「インクレチン」というホルモンを放出させ、その働きで胃腸の動きをゆるやかにしてくれます。
これらの素材である程度お腹を満たしてから、糖質を多く含むごはんやパンなどを食べれば、糖質の食べすぎも抑えられますし、消化吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇をおだやかにしてくれます。
脂質を味方につける
脂質はカロリーが高いので敬遠されがちですが、実は消化吸収に時間がかかるため、最も血糖値を上昇させにくい栄養素です。
パスタなどの洋食と相性のいい「オリーブオイル」をふりかけて食べれば、炭水化物単体で食べるより血糖値の上昇を抑えることができるでしょう。
そのほかにも、脂質ではありませんが、「お酢」も血糖値スパイクの抑制に良いと言われています。小さな容器に入れて持ち歩いておけば、炭水化物が多くなりがちな外食時にも、料理にひと足しすることができますよ。
眠気対策だけじゃない、血糖値スパイク予防
おいおい!もうお昼ごはんを食べちゃったよ! という方もいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫。実はその場合も、まだ諦めなくていい方法があるんです。
それは、食後すぐに運動をすること。運動といっても、散歩などの日常的な動作で十分です。身体を動かすと、胃腸に集まった血液が手足の筋肉にもめぐり、消化吸収のスピードが、ほんの少し遅くなります。すると、食べたものに含まれる糖の吸収にも時間がかかり、その結果「血糖値スパイク」が抑えられるのです。
食事のあとは身体を動かさずにのんびりしたいところですが、階段を意識して登ってみたり、気分転換も兼ねて散歩してみたりすれば、午後の仕事にもスッキリした頭で取り組めるはずですよ。
実はあの世界的企業である「Google」でも、業績評価の指標のひとつに「血糖値」を掲げているそう。血糖値の低下はクリエイティビティの低下を招き、良質な仕事の弊害になると考えられているのです。
また、血糖値スパイクが続けば、血液中に余った糖が体内の組織や細胞にたまり、糖化が進みます。糖化とは、食事などからとった余分な糖が体内のタンパク質と結びつき、細胞を老化させる現象のこと。細胞の老化が進めば、くすみやシミ、シワなどの老化や、骨粗しょう症、白内障、認知症などの病気の原因にもなり得ます。
つまり、食後の眠気を抑えることは、いい仕事につながり、ひいては老化のスピードをゆるやかにしたり、病気の原因を減らすことにもつながるのです。
血糖値スパイクってなに?
普段の血糖値は正常値ですが、食後の短時間だけ血糖値が急上昇し(140mg/dl以上)、のちに急降下するのが、「血糖値スパイク」です。
糖質中心の食事が体内にとりこまれると血糖値は急上昇。するとすい臓が慌ててインスリンを大量に分泌し、血糖値を急降下させます。血糖値が急降下した時点で眠気やだるさ、集中力が切れる状態に。食事前は正常値なので、空腹時血糖値を測る一般の健康診断では見つけることができません。そのため血糖値スパイクがあることは見逃しがちです。
最後に
必要な心がけはどれも簡単で、日常に取り入れやすいことばかり。せっかくならちょっとだけ意識して、より気持ちのいい1日を過ごしてみませんか?