健康食品やサプリメントなど、健康に気を使う人は年々増えています。その中でも健康的なお米として有名なものに玄米や雑穀米・麦ごはんなどがありますが、白米と比べて本当に摂るべきものなのでしょうか。そして、摂るならどのように摂ればいいのでしょうか。今回は、健康にいいお米の種類とその食べ方についてです。
- お米にはどんな種類がある?栄養的な違いは?
- 白米
- 胚芽米
- 玄米
- 発芽玄米
- 雑穀米
- 麦ごはん
- 結局!健康にいいお米はどれ?
- 栄養面だけ見れば玄米や雑穀米は素晴らしい
- 食物繊維が必要なら麦ごはんがおすすめ
- 白米の栄養素は?
- 玄米や雑穀米と比べれば栄養素は落ちる
- 糖質制限ダイエットで白米を食べない方がいいの?
お米にはどんな種類がある?栄養的な違いは?
まずは、お米の種類と栄養的な違いについて見ていきましょう。
白米
白米は別名「うるち米」とも呼ばれ、稲の実からもみ殻・米ぬか・胚芽を取り除き、胚乳部分のみを残したものです。メインの栄養分である糖質(デンプン)のほか、タンパク質・カルシウム・鉄分・ビタミン・食物繊維など、さまざまな栄養素を含んでいます。
胚芽米
白米に加え、胚芽の部分が8割以上残るように精米したものを「胚芽米」または「胚芽精米」と言います。胚芽とは芽を出す部分のことですから、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素がギュッと凝縮されていて、玄米よりも食べやすい食感が魅力なのが「胚芽米」です。
玄米
玄米は稲の実からもみ殻だけを外したもので、米ぬかや胚芽はそのまま残った状態です。そのため白米よりも栄養分が多く、食物繊維やカルシウム・マグネシウムなどのミネラル分はもちろん、タンパク質やビタミン類も白米より多く含まれています。
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お米を洗うようにさっと流水で洗います。白く濁るわけではありませんが、汚れを落とすために、2~3回洗います。
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水を切ったら、玄米:水=1:1.5の水をそそぎます。炊飯器の場合は、白米の場合の水を入れて、玄米1合に対して1/3カップ水を追加するとよいでしょう。
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玄米をまず炊く半日から1日前に水につけるようにしましょう。じっくり浸水させることがポイントです。玄米炊き機能があれば、長時間浸水させなくてもよいでしょう。
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できあがったら、10分蒸らし、やさしく全体をほぐして混ぜておきましょう。
パサパサした食感が特徴の玄米は、カレーと相性がよいといわれています。また、チャーハンにするとごはんのようなねばりが出ずに、パラパラとした状態に仕上げることができます。そのほか、炊き込みごはんやおにぎりにして食べるのもおすすめです。醤油、みりんをおにぎりの表面に塗り、ごま油をひいたフライパンで焼き、焼きおにぎりにすると、香ばしい香りやかりっとした食感で、おいしく食べることができます。
発芽玄米
わずかに玄米を育てて発芽させたものが「発芽玄米」で、玄米独特の硬さやボソボソとした食感が軽減され、より食べやすいのが特徴です。栄養的にも玄米よりさらに多いとされ、特に神経伝達物質の一種で抗ストレス作用に注目される「GABA」や、食物繊維・カリウム・カルシウムなどが豊富に含まれています。
玄米を1~2日程度一定の温度に保たれた水につけて発芽させたものが「発芽玄米」です。発芽しているため玄米よりも更に栄養価が高く、健康にいいとされる種類です。また発芽する時にぬかが柔らかくなるので、玄米に比べて柔らかく食べやすいのも特徴です。更に発芽の時に糖質が分解されるので、甘みも強くなるのです。玄米に比べて食物繊維が豊富なのも、健康にいいとされる理由でしょう。
雑穀米
雑穀米とは、白米に加えて玄米・アワ・キビ・もち麦・キヌア・アマランサスなどを混ぜ込んだもので、食物繊維・ミネラル・ビタミン類などの栄養素をプラスできます。メーカーや商品によって混ぜる雑穀の種類や数が異なりますので、プラスしたい栄養素や好みの風味で選びましょう。
雑穀米は炊飯器で米を炊くときに混ぜるだけなので、洗う手間がなくとっても簡単。製品説明をチェックし、適切な量の雑穀を加え混ぜて炊きます。種類によって栄養や炊き上がりが異なりますから、食べやすいものを自分に合わせて選ぶと飽きずに続けやすくなります。
また、雑穀をゆでておくと、おかずのかさ増しとしても使えます。ゆで時間は、雑穀の種類によって異なりますが、沸騰したお湯に雑穀を加え、5分から10分を目安にゆでましょう。ゆでた雑穀は、冷蔵庫で2~3日、冷凍庫で2~3週間保存できます。小分けにして冷凍すると料理に使用するときも便利です。
コロッケ、肉団子、ハンバーグなどの具材に混ぜると、食感が変わり、エネルギーも抑えられます。また、噛み応えがあるので満足感につながり、食べ過ぎ防止にもなります。レタスやほうれん草などの葉物野菜や、トマトなどのサラダにゆでた雑穀をあえると、彩りもよく、おもてなし料理としてもおすすめです。
ごはんもいろいろな種類がありますので、おいしく食べられるものを選び、白米だけでなく、玄米や雑穀米などを取り入れて栄養を摂るようにすると、健康な身体づくりに役立ちますよ。
麦ごはん
麦ごはんは名前の通り白米に大麦を混ぜて炊いたもので、大麦に含まれるタンパク質・ミネラル・ビタミン類・食物繊維などをプラスできます。大麦は白米のように粘り気がなく独特な香りがあるため、人によって好き嫌いは分かれますが、最近ではクセの少ない麦で食べやすくなっているものも多いです。
また、大麦の中でも「もち性」のもち麦は、食物繊維が豊富に含まれているため、近年のダイエットブームの中でも注目されています。「うるち性」の押し麦は、プチっとした食感が好まれています。
結局!健康にいいお米はどれ?
では、実際に健康に良いお米はどれなのでしょうか。栄養面や含まれる成分の面からお米の選び方をご紹介します。
栄養面だけ見れば玄米や雑穀米は素晴らしい
玄米や雑穀米はミネラル・ビタミン類・抗酸化成分が多く、栄養的には素晴らしい食品です。一方で消化しにくいという大きな問題があるため、食べ方や取り入れ方を工夫しなくてはなりません。例えば、玄米食を始めるならまずはおかゆにしたり、白米に混ぜたりして徐々に慣らしていきましょう。ただし、いきなり全て玄米食に切り替えると上手く消化・吸収されないことも多いため、体質によって不向きな方もいます。特に、胃の弱い方は注意が必要です。
また、美味しく感じられるかどうかも重要なので、無理に玄米や雑穀米を食べる必要はないでしょう。自分に必要な栄養素を、上手に食事の中に取り入れられると良いですね。
食物繊維が必要なら麦ごはんがおすすめ
白米100gと比べて19倍の食物繊維が取れる麦ごはんは、食物繊維をたっぷり摂取したい人におすすめです。腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑えたりするのに効果的。便秘がちな人や、ダイエット中の人にも効果が期待できるでしょう。
白米の栄養素は?
玄米や雑穀米と比べれば栄養素は落ちる
白米は米ぬかや胚芽が取り除かれた状態ですが、含まれるのが糖質だけというわけではありません。白米にはタンパク質やカルシウム、鉄分、ビタミン、食物繊維なども含まれています。一方、パンに使われる小麦自体は糖質のほか、ビタミンB群・ミネラル・食物繊維なども含んでいますが、小麦粉になると精製の過程で栄養素の多くがそぎ落とされてしまい、ほとんど糖質のみになってしまってしまいます。
パンには油や糖分などが混ぜられるため体内で分解しづらく、栄養の吸収を妨げてしまうだけでなく、代謝が下がるため痩せにくくなることもあります。そのため、パンより白米の方が健康に良いと考えられるでしょう。
糖質制限ダイエットで白米を食べない方がいいの?
小麦製品の方が圧倒的に糖質や脂質が多いので摂り過ぎには注意が必要ですが、糖質を含む製品がすべてダイエットに悪いとは言いきれません。また、小麦は夏の季語にも使われるほど体を冷やす食べ物として有名で、特に日本人はパンやラーメンなどの小麦製品を食べると、体が冷えて代謝が悪くなる傾向にあります。代謝が下がるとエネルギー消費も下がり、体脂肪が減りにくくなってしまうのです。しかし、白米は体を冷やすこともなく、穏やかな性質を持っています。ぜひ、ダイエットなどを行う人こそ、3食できるだけパンやパスタなどの麺類ではなくご飯(白米でも玄米でもOK)を主食にしましょう。ダイエットの基本は、食べすぎていたものを減らすことです。3食ともご飯という人は少ないと思いますが、まずは3食とも主食はご飯にした上で、おかずで脂質や糖質を制限しましょう。
一人暮らしなどをしていると、お米を買ってもなかなかすぐに食べきれないですよね。そうすると気になってくるのがお米の賞味期限ではないでしょうか?賞味期限というのは、美味しく食べられる期限のことを指し、いつまでに食べなければいけないという消費期限とは別物です。
お米が収穫される秋の初めあたりから翌年の3月頃までの時期の場合、気温が低いため二ヶ月前後の保存が可能と言われています。しかし、気温が上昇する4~5月は1ヶ月前後が目安とされているのです。基本的に精米されてから早めに食べるのが美味しいのです。
最後に
糖質制限ダイエットブームなどで、白米に関する見方は大きく変化しています。しかし、本来日本人の体質に合う良質なエネルギー源は白米です。玄米や雑穀米も栄養は素晴らしいですが、まず白米を十分に食べるようにしましょう。しかし、食べ過ぎは注意!可能なら、サラダを食べてから食事をスタートすると良いでしょうね。