フランス料理では?日本も同様、季節の旬の食材を使うことも多く、野菜類、肉・魚介類の中には、時期を選べば非常に美味しく食べられるものがあります。旬の食材を食べることは、季節感も楽しめるうえに、体にも非常によいこと。では、それぞれの季節で特に美味しく食べられるものをご紹介します。
春
春はアスパラガス、インゲン、そら豆など緑色系の野菜が美味しくなる季節で、前菜や料理のつけあわせにも野菜を豊富に使ったヘルシーなものが多く登場します。特にホワイトアスパラガスは代表的な春の食材で、酢と塩でシンプルに味つけされたマリネ風だったり、クリームと合わせて煮込んだグラタン風であったりとバリエーションも豊かです。
子牛や子羊もこの頃は肉がやわらかくなり、あっさりとした繊細な味わいを楽しむことができます。子羊はグリルにしローズマリーをふりかけるのが定番。ハーブの香りとジューシーな肉の味わいが非常にマッチします。
夏
夏野菜が美味しくなるこの時期は、ズッキーニやなすをトマト、玉ねぎ、にんにくとともに煮込んでつくるラタトゥイユが、夏の代表的な料理。同じく夏が旬のスズキやマグロのソテーなどシンプルな料理のつけあわせとしてもよく登場します。スズキやマグロは、もちろん生でも美味しく食べられます。マグロは細かくたたきにしたり、スズキは薄切りのカルパッチョにしたりと、暑い夏に食べたいフレッシュな料理が楽しめます。
ワインの収穫もスタートしますね。
秋から冬
秋から冬にかけては、期間限定のフランス料理が味わえます。中でも9月末ごろ狩猟が解禁されると野生動物の肉であるジビエが世に出回ります。ジビエは飼育された家禽動物の肉と比べ独特の風味があることから、じっくりとローストしたり、ワインや野菜とともに煮込む料理で出てくることが多いです。餌が少なくなってくる1月の手前までが一番美味しいといわれているので、ジビエが目当てなら、年内までに滑り込みましょう。
でも本当に寒いので厚着をしてください。風邪ひきますよ〜。
ジビエではありませんが、兎も肉がやわらかくなり風味が増して美味しくなります。やはり煮込みが定番で、赤ワイン、野菜、ジャガイモとともにじっくりと煮込まれ、鶏に近い淡白な肉質からほんのりと甘さが感じられます。
ん〜あまり載せたくはなかったのですが、、、可愛いお尻でしたので。
普通に朝一でウサギさんは「仰向けで万歳」して並ばれてます。。。
魚介の秋冬グルメは何といっても生牡蠣。海の潮と旨味を蓄えたこの季節の牡蠣は、エシャロットとワインビネガー、レモン汁を加え、冷えた白ワインとともに頂くのがお約束。牡蠣は「r」のつく月、つまり9月から4月までが食べ頃といわれています。
本場で食べたい王道フランス料理
「これぞフランス料理!」といった定番の料理は、世界中でも既に広く知られていて、かつ時期や場所を選ばずフランスのどこででも食べられるいわばフランス料理の顔です。だからこそ、やはり本場で本物を食べたいところ。王道定番料理をご紹介しちゃいましょう。
カナール(鴨)
コンフィ・ド・カナール(鴨のコンフィ)やマグレ・ド・カナール(鴨の胸肉)などの鴨肉料理はもはやフランス料理の定番中の定番で、パリっ子も大好き。鴨のコンフィは、鴨肉を油浸けしたもので、鶏肉よりも繊維が細くほぐれるような食感と肉にしみこんだ塩味が絶品です。
鴨の胸肉は赤ワインやオレンジのソースを添えてステーキとして出される場合が多く、じわりと溶けるような脂と肉がとてもジューシー。
ア・ポワン(ミディアム)
ビアンキュイ(ウェルダン)
*肉(牛肉)を注文の際は、聞かれるときがありますが、できればこちらから希望の焼き加減を伝えるとスマートです。伝えないとア・ポワン(ミディアム)で出てきます。
おすすめはアポワン。鴨の旨味と柔らかさが丁度よいバランスで頂けます。メインとして出されるほかにも、塩をしみこませてスモークしたスライスが前菜のサラダの具として使われることも多いです。
ステック(牛のステーキ)
フランスの代表的な料理、ステーキ
やはりフランス料理に欠かせないのが牛肉。シンプルに焼いただけというステーキはいつどこででも食べられますが、それだけに店により善し悪しが分かれる非常に面白い料理でもあります。牛ステーキでそのお店の評価を決めるという料理評論家もいるくらいです。
ステックは牛ステーキの総称。牛肉はその部位でメニューに書かれることが多いのです。
牛肉(フランス語でブフ)という表記がない場合がほとんどです。
フォー・フィレ(サーロイン)
フィレ、更にフィレの中でも少ししかとれないという
最高級の部位シャトーブリアンなど。
やはり焼き方はアポワン(ミディアム)がおすすめ。外側でしっかり焼いて旨味を閉じ込め、内側は柔らかくジューシーな状態がベストです。
しかし、日本の和牛とは全く違うので注意してください。(入れ歯の方要注意)
アニョー(羊)
肉汁がたっぷりとかけられた羊肉のロースト
スリ・ダニョー(子羊のすね肉)
コット・ダニョー(子羊のあばら肉)
など、羊肉料理が豊富に揃うのがフランス。臭みがしっかりと取られた、柔らかい羊肉を是非味わってほしいと思います。
ニンニクとローズマリー、塩で香り・味つけされたシンプルなものや赤ワインでじっくり煮込んだもの、ローストして肉汁をたっぷりかけたものなど幅広い味つけや調理方法があり、肉好きなら好きになることは間違いないです。ワインも楽しめます。
フィレ・ド・バー(スズキの切身)
バー:スズキの事
肉料理が充実しているあまり、魚料理は影に隠れてしまいがちなフランス料理ですが、魚料理だって負けてません。フランス料理の中で一番出番が多く人気の高い魚がスズキ。軽く炒めたソテーや、網焼きしたグリルなど素材の味を活かしたシンプルな調理方法が定番。ナイフを入れた途端にほろほろと崩れて行く柔らかい身とほんのり効いている塩味が特徴で、その繊細な味わいはまさに魚料理の王道といえそうです。日本では軽視しているスズキですが、一味違うのでぜひ味わっていただきたい。イメージが変わります。
タルトタタン(リンゴのタルト)
デザート!バニラアイスがトッピングされたタルトタタン
リンゴをふんだんに使ったタルト・タタンはフランスならではのデザート。リンゴを茶色くなるまでキャラメリゼし、タルト生地を載せて焼くだけのシンプルなケーキですが、ノルマンディー地方の上質なリンゴとバターの風味が豊かで大変人気があります。アイスクリームかホイップクリームが添えられているのが特徴で、濃厚な味わいが楽しめます。
*極甘ですので、本場は要注意です。虫歯になります!
最後に
如何でしょうか、なかなか美味しい料理ばかりですが、日本でも十分食べられるお店はたくさんあります。ネットでもいろいろな情報があるので、参考にして行ってみるのもいいでしょうね。