今回は朝食としても、おやつとしても人気の「スコーン」についてのコラムをお届けします。ジャムやクロテッドクリームをたっぷりつけて、紅茶と召し上がるのが大好きな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
定番ですが今も昔も人気が高く、お菓子作り初心者さんにも取り組みやすいスイーツでもあります。アレンジも自由自在なので、ぜひ基本をおさえてお好みのスコーンを作ってみてください。
「スコーン」とは?
「スコーン」とは、スコットランド発祥で「バノック」と呼ばれるパンが起源の焼き菓子です。
1513年から文献の中に登場しているようで、オーブンやベーキングパウダーの普及により現在のスコーンの形になったとされています。現在ではスコットランド以外にイギリス全土やアメリカ、そして日本でもよく食べられています。
スコーンの特徴は?食感と味わいをおさらい
「スコーン」の味や食感はレシピによってそれぞれ若干異なるものの、たっぷりの小麦粉と冷たいバターを使用するため、サクサクとした食感に仕上がります。
味わいはイギリスとアメリカで少々異なります。イギリスでは甘くない味に作るため、クロテッドクリームやジャムをつけて、紅茶と食べるのが一般的。アメリカでは、生地を甘くして、そのまま食べるのが一般的とされています。
イギリス式とアメリカ式スコーンの違いとは?
イギリス式スコーンの特徴は、小麦粉・バター・ベーキングパウダー・牛乳などで作るシンプルな生地であることが挙げられます。単体で食べるお菓子というよりは、パンに近い位置づけです。イギリスではスコーンにジャムやクロテッドクリームなどを付けて食べることが多いため、生地自体はシンプルな味付けに抑えられています。
アメリカ式のスコーンの特徴は、チョコやナッツのトッピングのごろっとした食感と生地のザクザク感です。アメリカでポピュラーなスコーンはしっかりと甘さが加えられています。
アメリカ式スコーンは何もつけずに単品で美味しく食べられることが重視されている印象です。
スコーンの起源と歴史
スコーンの起源は古く、スコットランドがその発祥地と言われています。スコーンは16世紀頃から存在していたとされ、当初は粗末な材料を使って作られることが多かったそうですが、17世紀にはスコーンの製法が改良され、より軽くて柔らかい食感のレシピに変わっていったそうです。
18世紀になると、スコーンは上流階級の社交場や富裕層の家庭で重要な役割を果たすようになりました。アフタヌーンティーやティータイムの文化がイギリス全体に広まるにつれて、スコーンは英国圏で生きる人たちにとって欠かせない存在となり、ティータイムに提供される贅沢なスイーツとして定着するようになったようです。
スコーンの語源
スコーンの語源には諸説ありますが、スコットランドのゲール語で「焼かれた塊」や「刻み目のある塊」という意味を持つ「sgonn」が由来という説や、スコットランドの王が戴冠式の際に座る石が「The stone of destiny(運命の石)」をモチーフにした焼き菓子であった事からとする説などがあるそうです。
スコーンは、英国のお茶時間の醍醐味とも言えるスイーツです。伝統的なレシピと製法を受け継ぎながら、今日では様々なバリエーションやアレンジが存在し、好みやシーンに合わせて楽しむことができます。スコーンの魅力を存分に味わいながら、英国のティータイム文化に触れてみてください。
スコーンとビスケットの違い
形や食感がとても良く似ている事から時に混同されがちな、スコーンとビスケットですがその違いはどこにあるのでしょうか?
実はこの「スコーンとビスケットの違い」についても諸説あり、厳密には同じとの説やアイルランド発祥がスコーン、イギリス南部発祥がビスケットと唱える説などもあるのですが、一般的にはスコーンがイギリス発祥のティータイムのお菓子であるのに対して、ビスケットはアメリカ、ケンタッキー州発祥の食事用クイックブレッドとされています。
この2つは材料や製法にも違いがあり、スコーンはバターや卵を多く使用し、焼き上げることでふんわりとした食感を生み出しているのに対し、ビスケットはバターの量が少なく、サクサクとした軽い食感が特徴です。
また、スコーンはスイーツ系のバリエーションが主流で、ジャムやクロテッドクリームとの相性が抜群ですが、ビスケットは甘くないプレーンやお食事形のバリエーションが豊富で、食事の付け合わせとして幅広く使われています。