お買い物をする時に、「10%ポイント還元」の場合もあれば、「10%割引」が受けられることもあります。あなたならどちらがお得と感じますか?「同じじゃないの?」と思われたかもしれませんが、ご存知かもしれませんが!実は同じ「10%」でもお得度には違いがあります。
- ポイント還元はより日本で身近
- ポイント還元
- ただポイント還元にはメリットも
- 割引とポイント還元、賢く使い分けを
- 10%オフの場合
- 10%還元の場合
- 【一覧表】〇%還元は〇%オフに換算するとどうなるか
- スマホ実質0円は実は50%オフ
- さらにもっとややこしいのが「ポイント〇倍」
ポイント還元はより日本で身近
購入金額などに応じてポイントを還元する仕組みは、最近になって始まったものではありません。ただ国が「キャッシュレス・ポイント還元事業」を導入したこともあり、より広く浸透してきています。
ポイント還元
「5%還元」「10%還元」というように、「◯◯%還元」という形でキャンペーン内容が紹介されるのが一般的ですが、しかし仮に「10%還元」と書かれていてもそれがイコール「10%割引」になりません。
「還元」も「割引」もお得に買い物できることに間違いはないのですが、実は似て非なるものなのです。どう違うのか整理してみましょう。
「◯◯%還元」の実質割引率と「◯◯%割引」を比較
「10%還元」の実質割引率と「10%割引」を比較してみます。
10%還元の場合、例えば1,000円の買い物をすると100ポイントが付与されます。例えばその100ポイントを使って100円の商品を購入すると、実質的には1,100円分の商品を1,000円で購入できたことになります。
実際にこの例を割引率にあてはめると、以下のように計算されます。
<10%還元の場合の実質割引率>
100円÷1,100円×100=約9.1%(小数点第2位以下は四捨五入、以下同)
この計算で算出された「約9.1%」という数字が「10%還元」の実質割引率となり、「10%割引」よりお得度が約0.9ポイント低いことが分かります。
もし1,000円の商品を「20%還元」で買った場合は、実質的には1,200円分の商品を1,000円で購入できたことから、
以下のように実質割引率が約16.7%と計算され、「20%割引」との差は約3.3ポイントとさらに大きくなります。
加えて、ポイント還元率が30%の場合、40%の場合は、それぞれ「300円÷1,300円×100=約23.0%、7ポイント差」、「400円÷1,400円×100=約28.6%、11.4ポイント差」となります。
ただポイント還元にはメリットも
このように同じパーセンテージでの「還元」と「割引」では、「還元」のほうがお得度は小さくなりますが、割引のほうがいつも必ずお得になるというわけではありません。そもそも「ポイント還元か割引か」を選べないこともあるでしょう。例えば、定価販売しかしていない店がポイント還元だけは導入していることもあります。ポイント還元をうまく利用すれば、お得に買い物できるシーンが実際に多いことも確かです。
また、最近では貯まったポイントで投資ができるサービスもあります。ポイント投資には、投資の結果、ポイント自体が増減するタイプと、ポイントを株式投資などの費用にあてられるタイプがあります。投資や運用にあまりなじみがなかった人の中にも、このサービスを知って投資を体験してみようかと考えたことのある人もいるでしょう。「ポイントをもらったけど使いみちがない」という人にも嬉しいサービスで、これから今以上に充実していくと考えられます。
これらは単なる価格の「割引」にはない特徴であり、「ポイント還元」を利用するメリットとも言えます。
割引とポイント還元、賢く使い分けを
「還元」と「割引」の違いを知れば、実質的なお得度が分かります。同じ条件なら割引のほうが実質的にはお得になるようですが、ポイント還元にも割引にはないメリット・魅力があります。次に買い物する時、こうした視点を持って割引率や還元率の数字をながめ、計算してみるといいでしょう。またせっかくポイントをもらうなら、この機会に賢い使い方を考えてみると買い物が少し楽しくなるかもしれません。
10%オフの場合
まずは、10%オフの場合について考えてみましょう。
例えば、定価1万円の商品を、セールで10%オフの9,000円で手に入れたとします。
この場合、9,000円で1万円の商品を購入したことになります。
よって、
値引き額:1万円 – 9,000円 = 1,000円
値引き率:1,000円 ÷ 1万円 = 10%
当たり前の結果ですが、売り出し文句の言葉どおりの10%オフですね。
10%還元の場合
次は10%還元です。
定価1万円の商品を買い、1,000円分のポイント還元を受けたら「10%還元」です。
この場合、得た価値の総額は商品1万円とポイント1,000円ですので、合計1万1,000円です。
対してかかったコストは1万円ですから、1万円で1万1,000円の商品を購入したことと同じ意味になります。
よって、
値引額:1万1,000円 – 1万円 = 1,000円
値引率:1,000円 ÷ 1万1,000円 = 約9.1%
「あれ?」と思った方も多いことでしょう。
10%還元を値引き率に換算すると、10%を切ってしまうのです。
このことから、
と言えます。
つまり、10%還元よりも10%オフの方がお得ということです。
同じだと思って何となく10%還元を選んだ場合、実は0.9%分損をしているのです。
【一覧表】〇%還元は〇%オフに換算するとどうなるか
そうは言ってもまだピンとこないものがありますので、よくある還元率を値引き率に換算すると、一体何%になるのか一覧にしてみました。
還元率 |
対応する値引き率 |
1% |
0.99% |
2% |
1.96% |
3% |
2.91% |
5% |
4.76% |
10% |
9.09% |
20% |
16.7% |
30% |
23.1% |
40% |
28.6% |
50% |
33.3% |
100% |
50% |
こうしてみると、還元率の数字が大きくなるほど、割引率との数字の剥離が大きくなっています。
還元率が大きければ大きいほど、本当にお得なのか注意が必要ということです。
スマホ実質0円は実は50%オフ
注目すべきは100%還元です。
よくスマホなどは端末代金実質0円とうたって、端末購入価格と同額分をポイント還元しています。
たいていのポイントは「1p=1円」で現金と等価ですから、端末を買って同じ金額のポイントが戻ってきたら収支は0円だと考えてしまいます。
しかし、還元されるポイントは多くの場合「期間限定ポイント」で、将来的に必ず何か他の商品と等価交換しなくてはなりません。
そうすると、3万円の端末を購入して100%ポイント還元を受けた場合は、3万円の支払いで6万円分の買い物ができることと同等です。
これは50%値引きと受けたのと同じです。
さらにもっとややこしいのが「ポイント〇倍」
さらにもっとややこしいのが「ポイント〇倍」です。
通常還元率1%のところを、セールでは10倍にします、という売り文句ですね。
先ほどの還元率と値引き率一覧表に、「ポイント〇倍」を追加すると以下のようになります。
還元率 |
ポイント〇倍 |
対応する値引き率 |
1% |
ポイント1倍 |
0.99% |
2% |
ポイント2倍 |
1.96% |
3% |
ポイント3倍 |
2.91% |
5% |
ポイント4倍 |
4.76% |
10% |
ポイント10倍 |
9.09% |
20% |
ポイント20倍 |
16.7% |
30% |
ポイント30倍 |
23.1% |
40% |
ポイント40倍 |
28.6% |
50% |
ポイント50倍 |
33.3% |
100% |
ポイント100倍 |
50% |
ポイント100倍なんて聞くと、「お店はつぶれないのだろうか、大丈夫か」と思うほどお得に聞こえますが、実際は半額セールなのです。
それでも十分お得ですが、100倍という数字よりインパクトは小さい気がします。
家電量販店やネットで買い物をする際には、還元と値引きの違いに気を付けて、本当に自分にとってお得なのはどの商品なのか見定めてください。