ビール好きなら知っていてもおかしくない『パイント』の話です。
ビールを専門店などでオーダーするときに、メニューでよく見かける「パイント」という単位。1パイントやハーフパイントと書かれていますが、どのくらいの容量なのか知っていますか?
1パイントはどれくらいの量?
パイントとは、アメリカやイギリスを中心に使用されているヤード・ポンド法における体積の単位です。ほかのヤード・ポンド法と同様、1パイントはアメリカとイギリスでは異なる値になっています。アメリカのUSパイントは473ミリリットル、イギリスのUKパイントは568ミリリットルです。1パイントの容量で作られたグラスはパイントグラスと呼ばれています。
USパイントグラスで1パイントのビールをオーダーした場合、缶ビール(350ミリリットル)より多く、中瓶(500ミリリットル)より少ないくらい、と覚えておきましょう。クラフトビールを扱うお店では、パイント、ハーフパイントが選べる場合が多いので、ザックリとでも1パイントの容量を知ってて損はないですね。
私たちは普段、世界で統一された「メートル法」を使用しています。そのため、「パイント」という単位に馴染みがないんです。
ビール瓶の容量が半端な理由
ちなみに、ビール瓶の容量はどのくらいか知っていますか? 大瓶633ミリリットル、中瓶500ミリリットル、小瓶334ミリリットルです。中瓶以外は、なんだか中途半端な容量ですよね。これは、酒税法が制定されたことに関係があります。
イギリスのUKパイントは1パイント=「568ml」
1940年に酒税法が制定され、それまでビールに課せられていたビール税(ビールの生産量に応じて課税される税金)と物品税(物品の出荷される数量に応じて課税される税金)がビール税に一本化されました。その際各ビールメーカーのビール瓶の容量を調査したところ、各メーカーで容量がバラバラなことがわかりました。一番大きな容量の瓶が3.57合(643.9922ミリリットル)、一番少ない容量の瓶が3.51合(633.168ミリリットル)だったそうです。そこで、1944年に一番少ない容量の瓶にあわせれば、そのほかの容量の瓶も使うことができることから3.51合、633ミリリットルに定められました。
同じ理由で、小瓶も334ミリリットルに定められています。中瓶は後から追加されたため、切りのよい数字になったそうです。
小さなグラスに瓶ビールをついで飲んでいると、知らず知らずに量が多くなってしまうことがありますが、それぞれの瓶の容量を考えて自分の適量でたのしみましょう。
「oz」、これは「オンス」
アメリカでは12オンス=約355mL、イギリスでは12オンス=約341mLです。
簡単にまとめると
昔、イギリスでは一口に「1ガロン」と言っても、ものによって1ガロンの量が異なってた
コーン専用ガロンやワイン専用ガロンがあり、◯◯専用ガロンは10を超えていた。
アメリカはイギリスの植民地時代、イギリスの単位を使っていた。
アメリカ独立後、アメリカはイギリスの「ガロン」を2つ引き継いだ(乾物専用のコーンガロンと液体専用のワインガロン)
→この「ガロン」が今日使われている(1ガロン=8パイント、1パイント=473ミリリットル)。
19世紀にイギリスは新たに「ガロン」を制定、ルールを1本化した
→この「ガロン」が今日使われている(1ガロン=8パイント、1パイント=568ミリリットル)。