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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

今更聞けない!世界三大貴腐ワイン 15

世界三大貴腐ワインとは、ソーテルヌ(フランス)トカイ(ハンガリー)トロッケンベーレンアウスレーゼ(ドイツ)です。

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貴腐ワインとは?

貴腐ワインとは『貴腐ブドウ』といわれる糖度の高いブドウから造られる極甘口の『白ワイン』の事です。

ソーテルヌ、トカイ、ドイツとオーストリアのベーレンアウスレーゼとトロッケンベーレンアウスレーゼを始めとする最上級の甘口ワインの大部分は貴腐ブドウを利用して造られます。

樹に実ったままのブドウの『果皮』に『ボトリティス・シネレア』という『カビ』が付着しすることにより、貴腐ブドウは造られます。

■ボトリティス・シネレア菌■

ボトリティス・シネレア菌がブドウの果皮に付着すると、菌糸が侵入し果皮に無数の穴を開けます。その後、日照が多く乾燥した天候が続くことで、ブドウ中の水分がその穴から蒸発していきます。

水分が蒸発した結果、ブドウの『エキス分と糖度』が上がり『干しブドウ』のような状態となるのです。

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『ボトリティス・シネレア』は別名『灰色カビ』とも言われ、通常は『病害』である『灰色カビ病』の原因菌でもあります。

しかし、貴腐ワインを生み出す産地の『気候条件』や『自然環境』、ブドウ自体の『完熟度』などの好条件が揃った場合に『貴腐ブドウ』という状態になります。

『霧の発生』『適度な乾燥』を繰り返すこの奇跡的な好環境が、『貴腐ワイン』を産するのに必要不可欠な条件なのです。

■貴腐ブドウとなる主な条件■
貴腐による腐敗が発生する前にブドウが完熟していること
主要な流域(川)がある
朝の霧、午後は晴れて乾燥していること
川の低い水温と暖かい気候の気温差により『朝霧』が発生する

 

日本で最初の貴腐葡萄が発見されたのは、1975年、サントリー山梨ワイナリー(現・登美の丘ワイナリー)でした。以来、登美の丘ワイナリーでは、貴腐葡萄づくりに情熱を注ぎ続けており、適年には見事な貴腐ワインがつくられるようになりました。

アイスワインとの違い

貴腐ワインは濃厚な甘さに特長があります。一方、アイスワインの特長は、酸味とのバランスがとれた甘さです。
アイスワインもデザートワインの種類に入ります。
アイスワインは、完熟したブドウを気温が氷点下8℃以下になる時期まで収穫せず、凍結したブドウを凍った状態で圧搾して得られる果汁で醸造される貴重なワインです。
厳しい気候条件が求められ、一房から採れる果汁の量が少ないという点も共通しているため、貴腐ワインとアイスワインは共に希少性の高いワインといえます。

 

値段の理由

貴腐ワインの価格帯はフルボトル(750ml)だと5,000円弱~、高価な物だと10万円を越すものもあります。なぜ、一般的なワインよりこんなにも値段が高いのかというと、造るのに手間がかかり生産量が少ないからです。

普通のワインなら、収穫は一度におこないます。しかし、貴腐ワイン用のブドウの収穫は、畑を何回にも分けて「水分が抜けているか」「貴腐ブドウになっているか」などをひと房ずつ、さらにはひと粒ひと粒確認しながらおこなうそうです。もちろん機械などは使わず、すべて手作業。時間も労力もとてもかかります。また、ブドウは水分が抜けて収穫しても多くの量が採れないので、生産量を多く造れません。

生産者によっては、ブドウの出来が悪いとその年の生産をしない場合もあります。さまざまな理由から、高価で希少なワインになることが分かりますね。

 

フランス(ボルドー地方)=ソーテルヌ

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【産地】主にボルドー南部のソーテルヌ地区やバルザック地区
【品種】セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルなど

ボルドーの貴腐ワインの名産地は、ガロンヌ川とシロン川の河岸に集まっています。秋には川の流れから霧がたち、完熟したブドウに貴腐を生じさせる理想的な条件をつくりだすからです。

その中でも最良の貴腐ワインの産地は、ガロンヌ川西岸のソーテルヌ地区です。ソーテルヌ地区の中にバルザック村があり、バルザックの生産者は、バルザックとソーテルヌのどちらも使用することができます。貴腐ワインを造るブドウ品種は、果皮が薄く貴腐を生じやすいセミヨン種が主体となっています。

■ソーテルヌでは3等級の格付け■

1855年のパリ万博の際、ボルドーの商工会議所が最良ワインの公式リストを作成するよう言い渡され、「1855年の格付け」が作成されました。それ以降、ソーテルヌ地区の格付は160年以上もそのまま継続されています。

唯一のPremier Grand Cru(特別1級)は、シャトー・ディケムです。
はちみつのような濃厚な甘さに、トーストやヴァニラの風味、アプリコットや柑橘類の皮のような貴腐の香りを呈し、甘口ではありながら高い酸味でバランスのとれた上品な味わいです。

ドイツ=トロッケンベーレンアウスレーゼ(最上級格付け)

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【産地】主にモーゼル地方やライン地方
【品種】リースリングやオルテガ

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ドイツワインの特徴の一つは、収穫時のブドウの糖度(マスト重量)によって格付けがされることです。これは、ブドウ栽培の北限といわれる冷涼なドイツにおいて、成熟度の高いブドウを造ることが困難なためです。

糖度の基準は、エクスレ度という単位が使用されていて、各等級において必要な最低エクセレ度が決まっています。等級が認められたワインには全て公認検査番号にあたるAP.Nr.(アーペーヌンマー)が記載されています。

この制度には基本的に、上質ワイン(クヴァリテーツヴァイン)と称号付き上質ワイン(プレディカーツヴァイン)の2種類があります。プレディカーツヴァインは、プレディカートと呼ばれる6段階の等級に分かれています。

それぞれ、異なるエクセレ度で各等級のワインを生産していて、その最上級の等級にあたるのがトロッケンベーレンアウスレーゼです。ベーレンアウスレーゼより上級のワインは、天候などにより生産できないこともあるため、毎年造られるとは限りません。

また、甘口ワインは、酵母が果汁中の糖分をアルコールに転化する前に発酵を中断することにより造られます。そのため、ドイツの甘口ワインはアルコール度が低めに設定されています。

 

ハンガリー(一部スロヴァキア)=トカイ

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【産地】ハンガリー北東部のトカイ地方(一部国境地域のスロヴァキア)でも造られています。
【品種】主にフルミント、一部ハールシュレヴェリュなど

トカイ地方では、ボドロク川とティサ川その多数の支流が、貴腐の発生に必要な早朝の霧をもたらすのに役立っています。トカイワインを造るブドウ品種は主に3種類。フルミント、ハールシュレヴェリュ、サルガ・ムシュコタイです。この中でもフルミントは、成熟が遅く貴腐の影響を受けやすいため、甘口のアスーワインの主要品種となっています。

トカイでは、2013年のヴィンテージ以降、甘口ワインの醸造とラベル表示についての規則が新しくなりました。トカイ・アスーの最低残留糖分は60→120g/Lに引き上げられ、これより低い残留糖分のワインは製造方法によって、レイトハーベスト又はトカイ・サロモドニとラベル表示しなければならなくなりました。
また、最低熟成条件は短くなり、最低オーク熟成期間は18ヶ月、収穫後3年目の1月に販売ができるようになりました。

トカイの貴腐ワインには3つのカテゴリーがあります。貴腐の発生具合によって生産者はヴィンテージ毎に異なるスタイルでワインを造ります。

貴腐ワインの飲み方

*温度は低めに設定する

貴腐ワインは『エキス分と糖度』の高い『極甘口白ワイン』です。そのため、飲む温度が『高い』と甘さを強く感じ、『重たい味わい』となってしまいます。

5℃~8℃くらいの温度に冷やすことで、『果実味』と『甘さ』がシャープになり心地良く飲めます。

*相性が良い料理とあわせる


一般的に『デザートワイン』として食後に飲まれるイメージですが、よく冷やして『食前酒』や『食中酒』として楽しむ事も出来ます。

フランス料理では『フォアグラ』などに合わせますが、家庭で楽しむなら『レバーパテ』や『レバームース』でも良いと思います。

 

また、『ブルーチーズ』と合わせるのが代表的な組み合わせですが、『塩分の強いチーズ』や『カッテージチーズ』をフルーツやハチミツなどと一緒に合わせてもマッチします。

デザートとの相性が良いのは言うまでもありませんが、注意する点は『しっかりと冷やすこと』。よく冷す事で、デザートと貴腐ワインの『甘さのバランス』が取れます。

個人的に昔は夏にクラッシュアイスをグラスに多めに入れて貴腐ワインを注ぎ、食前酒として提供してました。

 

最後に

いかがでしょうか、甘いだけのお酒ではなく、しっかりと美味しさも味わえる万能型の貴腐ワイン。意外とハマる人も多いので、一度試してみるのも良いかもしれません。飲んでみて、甘すぎるようであれば、氷を入れてロックスタイルで飲むといいと思います。もしくは炭酸を少し入れるとか。しかし糖分の摂りすぎになるので、注意してください。

 

 

 

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