ビジネスにおいて誰もが求められる「目標達成」。
実際に目標達成ができる人は、周囲から評価され、昇進や昇格、待遇も良くなっていきます。目標達成力は、目標をきちんと達成し続ける人に共通する習慣や考え方、特徴を身に付けることで、誰でも高めることができます。
目標達成力とは?
学生時代はもちろん、社会人、どの職種や業界においても基本的に目標を設定し、目標達成に向けて取り組むことになります。目標達成の状況に応じて、事業や会社の成長も決まりますし、個人の評価も左右されます。
目標達成する力は、いくつかの能力やメソッドを組み合わせることで身に付けることができます。そして、目標達成力を身に付ければ、どのような組織においても高く評価されるでしょう。
それでは、目標達成力とは、そもそもどのような力でしょうか。目標達成力は「適切な目標を設計し、目標達成に向けた計画を作成し、状況に応じて修正しながら実行していく力」です。
目標達成力は、目標設定、計画作成、実行といった幾つかの力の組み合わせです。
目標達成できる人に共通する5つの特徴、習慣、考え方
継続して目標達成する人は、どのような特徴や習慣、思考を持っているでしょうか。
適切な目標を設定している
当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、目標達成するためには適切な目標設定が必要です。
- S :Specific(具体的で明確である)
- M :Measurable(計測可能で第三者と共有可能である)
- A :Achievable(現実的に挑戦・達成可能である)
- R :Relevant(目的や上位目標の実現に貢献する)
- T :Time-bound(期限が定められている)
例えば、「チームの生産性を上げる」は、具体性や達成できたかどうかの判断基準、期限がないため、目標ではなく方針や理想に近いものです。
また、例えば、現状でOJT研修すら終えていない新入社員の「5年以内に新規事業を立ち上げる」という目標は、SMARTに基づく現実的な短期目標ではなく、どちらかといえば中長期的な夢や最終ゴールに近いものとなるでしょう。
「目標達成したい!」と思えるワクワク感やポジティブな要素は、目標の意味付けとして重要です。
しかし、現実的に目標達成プロセスをつくる、定期的な振り返りや改善をしながらPDCAをまわすという視点で考えると、新入社員の場合であれば「1年後に新人賞をとる」や「配属半年後に新人のなかでトップセールスの成果を上げる」といった現実的な目標設定が適切でしょう。
目標達成に本気である
「目標達成に本気である」という項目も、当たり前と感じる人が多いかもしれません。
しかし、ビジネスにおける目標設定は必ずしも自分で決めるわけではなく、多くの場合、組織全体の目標から落とし込まれ、与えられるものとなります。そのため、結果として、「目標はあるが、目標達成に全力でコミットできていない」ビジネスパーソンは多い傾向があります。
「本気で目標達成しよう」と思っていなければ、精度の高い目標達成プロセスをつくることも、つくった行動計画を実行することも難しくなります。
また、壁にぶつかったり、うまくいかなかったりするときに壁を乗り越える気力も湧かないことでしょう。したがって、目標達成を続けるうえでは、「目標達成に本気になるスキル」というのは必要不可欠です。
目標達成に本気になる(自分で内発的動機づけする)ためには、目標の意味付けが重要です。目標の意味付けに役立つのは、「目的・目標の4観点」というフレームワークです。
目的目標の4観点は「自分-他者」「有形-無形」という2つの軸、4つのマトリックスで目標達成を価値づけします。
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自分:自分にもたらされる利益や良いこと
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他者:自分以外の人にもたらされる利益や良いこと
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有形:表彰やお金などの形ある良いこと
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無形:気持ちや感情などの精神的な良いこと
目標達成するための施策を豊富に持っている
安定して目標達成できる人は、目標達成への本気度といったマインド面だけでなく、実際に目標達成するために「方法論」も豊富に持っています。
例えば
「12月までにカフェの来店者数を30%アップする」という目標設定をした場合、お客様をただ待っているだけでは目標達成できません。
この目標を達成するには、何らかの行動を起こす必要があります。例えば、来店者数を増やすためには以下のようなアイデアがあるでしょう。
- 新聞に折込チラシを入れる
- 店頭で呼び込みをする
- インターネット広告を出稿する
- Google My Businessに登録する
- 毎日50件のポスティングをする
- ポイント会員にキャンペーンのメールを出す
- クーポン付きのハガキDMを送付する
など
1つ2つの施策やアイデアしか浮かばない人と10も20も施策やアイデアを持っている人では、どちらが目標達成しやすいでしょうか。
状況や使える資源に応じて、適した施策は異なります。
また、必ずしも実行した施策がうまくいくとは限りません。
したがって、安定して目標達成できる人は、常にいくつかの手を並行して走らせ、さらにうまくいかなかった場合に備えて、二の手三の手を準備していたり、考えたりしているものです。
目標達成するためのプロセスとアクションが明確
当たり前のことですが、目標達成は行き当たりばったりでは実現しにくいでしょう。
目標達成の確度を高めるためには、どのように目標達成するかというプロセス、そして、いつまでに何をどういう順番で実施していくかというアクションプラン(計画)が明確になっている必要があります。
計画を立てることで目標達成の確度を上げることができます。また、計画がきちんと立てられていると、実行中にうまくいかないことが出てきた場合にも、原因の分析や施策の変更などがスムーズに行なえます。
計画をきちんと立てることで、うまくいったこと、うまくいかなかったことの振り返りが容易になり、自分自身の目標達成力を高められるようになります。