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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

山椒の実や花(山椒)の特徴とは

山椒は、葉や花、実それぞれで違った味わいを楽しめる植物です。山椒を美味しく活用したいなら、それぞれの部位の特徴や適した使い方を知りましょう。中華料理に欠かせない「花椒」。しびれるような辛さとさわやかな香りが特徴で、主に四川料理で使われるスパイスです。

山椒とは

山椒は香辛料として使われるミカン科の植物で、日本、もしくは東アジアが原産とされています。「ジャパニーズペッパー」とも呼ばれ、独特の、ピリッとした辛さと清涼感のある香りが特徴です。
山椒は、葉や花、実のそれぞれに違った味わいがあります。以下では葉山椒や花山椒、実山椒の特徴について。

葉山椒

葉山椒とは山椒の若葉のことで、芽吹き始める春に収穫されます。スーパーなどでは「木の芽」として販売されていることが多いでしょう。
爽やかな香りがありますが、辛味はほとんどありません。

花山椒

山椒には雌株と雄株があります。雌株は花が咲いたあと実をつけますが、雄株は実をつけません。花山椒とは、この、実をつけない雄株の花のつぼみを摘んだものです。
山椒のピリッとした辛味は少なく、優しい香りが特徴となります。

花山椒は、中華料理で使われる「花椒(ホワジャオ)」と混同されがちな食材です。
花椒は山椒と同じミカン科の木ですが、原産地や品種が違うため、この2つは別のものとなります。

実山椒

実(山椒)とは、山椒の雌株についた実を収穫したもので、生山椒と呼ぶこともあります。山椒独特の香りや辛味が非常に強いのが特徴です。
実山椒の収穫時期は1年に2回あり、1回目は山椒の実がまだ若く柔らかい5月頃に収穫します。山椒の佃煮や醤油煮として販売されている製品は、この実山椒を使ったものです。

2回目は、赤く熟した実を夏から秋に収穫します。この熟した実を乾燥させ、
皮の部分をすりつぶして粉状にしたものは「粉山椒」として販売されています。

 

名前の由来など

別名をハジカミといいます。「ハジ」は熟した果実の皮がはぜるところにちなみ、「カミ」はニラの古名でニラのように辛いという意味です。属名のザントクシルムはギリシア語で「黄色い木材」の意味で、心材(芯に近い部分の材木)が黄色くなるところに由来します。サンショウの木は材質が堅くほのかによい芳香がするので、すりこぎの材料としても有名です。

 

山椒の種類

日本の山椒の品種や産地、それぞれの特徴について解説します。

朝倉山椒

朝倉山椒は、兵庫県養父市八鹿町朝倉を発祥とする山椒です。実は柔らかく大粒で柑橘系のフルーティーな香りがあり、辛味が優しいことが特徴となっています。
山椒は通常、雌株と雄株がありますが、朝倉山椒は雌雄同種なので一株あれば実がつきます。また、枝にトゲがないことも特徴です。

ぶどう山椒

ぶどう山椒とは、和歌山県有田川町発祥の山椒で、朝倉山椒から派生したとされる種です。実のなり方がぶどうの房のようであることからこの名前がつきました。
粒が大きくて果皮が厚く、辛味が強く、爽やかな中に甘さを感じる香りが特徴です。

有馬山椒

有馬山椒とは、兵庫県神戸市北区有馬地域に自生していたとされる山椒です。
有馬地域は料理に山椒を活用する文化が盛んでした。日本料理の「有馬煮」や「有馬焼」は、山椒を使った料理を指しています。このことからも、有馬と山椒の関係が深いことがわかります。
有馬山椒は柑橘系の香りが強く、辛味も強いことが特徴です。

高原山椒

高原山椒は、岐阜県北部の高原川周辺に自生していたとされる品種で、現在では岐阜県高山市で多く栽培されています。
高原山椒の実は小ぶりで深い緑色をしており、長期保存が可能です。香りの持続性が高く、収穫後長期間経っても爽やかな香りを保ちます。

竜神山椒

かつて龍神村と呼ばれる一帯のあった、和歌山県田辺市で栽培される山椒です。一般的な山椒と比較して葉数が少なく、葉の形が少し丸みを帯びている特徴があります。
山椒は生薬として使われることもありますが、竜神山椒は薬用ではなく食用です。

 

山椒の使い方

山椒を美味しく食べるには、葉山椒、花山椒、実山椒それぞれに合った使い方をするのがポイントです。

「木の芽」ともいわれる葉山椒は、炊き込みご飯やちらし寿司、お吸い物などのトッピングにすると彩りがよくなり、ほのかな山椒の風味が加わります。
また、葉山椒をすりつぶして味噌などと混ぜる木の芽味噌や、葉山椒を甘辛く炊いた佃煮もおすすめです。

花山椒も、甘辛く炊くと美味しい佃煮になります。後述する実山椒の佃煮より優しい辛味が特徴です。
また、シンプルなだしがベースの鍋料理に花山椒をたっぷり加える花山椒鍋も、春の訪れを感じる爽やかな味を楽しめます。
花山椒は柔らかく、他の食材の食感となじみやすいので、炒め物などの具材にしてもよいでしょう。

実山椒の代表的な使い方は佃煮や醤油煮です。実山椒を佃煮・醤油煮にした製品も多く販売されています。
また、実山椒をちりめんじゃこと一緒に佃煮にした、ちりめん山椒も代表的なメニューです。実山椒の佃煮は、青魚と一緒に煮ると魚の臭みがおさえられ、爽やかな風味の煮魚になります。
お茶漬けに乗せるのもおすすめです。

粉山椒の代表的な使い方は、うなぎのかば焼きやタレつきの焼き鳥など、甘辛くこってりしたメニューにかけることです。
爽やかなアクセントが加わり食がすすみます。塩と混ぜて山椒塩にし揚げ物に添えたり、花椒(ホワジャオ)の代わりに麻婆豆腐にかけたりするのもおすすめです。

 

違う!似てる?山椒と花椒

激辛ブームに次ぐシビ辛ブームの到来で、コンビニに並ぶカップ麺やスーパーの調味料コーナーでも、その名をよく見かけるようになった花椒。“椒”の一文字から胡椒や山椒と同じスパイスであることは知っていても、そもそも読み方が分からなかったり、山椒であることは知っていても、鰻の蒲焼きに振りかける山椒と何が違うのか分からない人もいるのでは?

花椒は日本語だと「かしょう」、中国語では「ホアジャオ」と読む

シビ辛の四川料理に欠かせない中国原産の山椒です。一方、鰻料理の薬味や京七味の風味素材としておなじみの山椒は日本原産。

どちらもミカン科サンショウ属の植物で、乾燥させた実の果皮を使用しますが、花椒の場合は熟した赤い実の果皮だけと限定的。それに対して日本原産の山椒は、熟す前に収穫した青い実の果皮も原材料になります。

その理由は、日本原産の山椒には時季によって収穫できる部位が様々にあり、葉から花まで余すところなく愉しめるからなんです。

春の筍料理に添えられる木の芽

山椒の若葉である葉山椒のことを指します。お料理に爽やかな香りを付ける飾りとして使われることが多く、まだ山椒特有の辛味はほとんど感じられません。
春の終わりに黄色い花を咲かせる雌株の蕾は花山椒と呼ばれ、こちらもお吸い物の飾りや焼き魚の薬味、佃煮などに利用されます。この頃にはピリリとした辛味が穏やかに愉しめる状態で、香りもまた木の芽より優しく上品な風味に。

名前が似ていることから同じ山椒に間違われやすい花椒とは、原産地も部位も全くの別物なんですよ。

粉山椒の原材料になる実山椒の旬

一年に二度訪れます。初夏に収穫される青い実山椒は、しびれる辛さと清々しい香りが最も冴えていて、実もやわらかいのが特長です。

乾燥させた実の果皮で粉山椒も作られますが、塩漬けや醤油漬け、ちりめん山椒といった、格別の風味と実のやわらかさを活かしたレシピが充実しています。実山椒は成熟するにつれて硬くなるため、残暑から初秋にかけては花椒と同じく果皮のみを使用して、粉山椒にします。

同じミカン科サンショウ属の植物であること。実が赤く熟して硬くなったら果皮だけを使うこと。中国原産の山椒である花椒と日本原産の山椒には、違いもあれば似ているところもあります。

 

成分は似ていても、しびれと香りに違いは?

辛味成分のサンショオールや香り成分のシトロネラールなど、代表的な成分がほぼ同じとはいえ、花椒と山椒ではしびれや香りにハッキリとした違いがあります。

中国原産の花椒は、キリリとしびれる辛さで、香りまで鮮烈。


四川風・麻辣(マーラー)と書かれた麻婆豆腐や担担麺を食べて、普段よく食べる中華とは比べ物にならない、しびれる香味に驚いたことはありませんか?麻辣とは、シビ辛の四川料理を代表する味付けのこと。

中国語で“麻”は舌がしびれる山椒の辛さ、“辣”は舌がヒリつく唐辛子の辛さを意味しています。四川風の麻婆豆腐や担担麺には、本場さながらのしびれる辛さを引き出すため、山椒よりもしびれが強くて香り高い花椒が“麻”のスパイスとしては定番なんです。

日本原産の山椒は、ピリリとしびれる辛さが心地良く、香りも爽やか。


辛さは花椒よりもマイルドなので、京都では七味唐辛子に風味を付ける素材としても親しまれています。脂がのった鰻の蒲焼きはもちろん、すき焼きや鴨鍋、鶏の照り焼きなど、お肉料理の薬味にも最適です。

ピリリ爽やかなしびれと香りで味覚が冴えるので、舌に感じる素材の旨みが一段とアップし、脂っこいお料理もさっぱり味わえます。また、塩分を控えた薄味のお料理に振りかければ、山椒風味の七味唐辛子と同様に物足りなさを解消してくれます。

 豆知識として、山椒と花椒のしびれを治すのに有効的なのは、温かいお茶やホットミルク。しびれごと、口の中に残った山椒と花椒を洗い流してくれます。

食後のデザートにヨーグルトやミルクたっぷりのバニラアイスを食べるのもおすすめです。

 

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