赤飯を作るとき、レシピには「ささげ」と書いてある場合と、「小豆」と書いてある場合があります。小豆はさておき、「ささげって何?」と思う人もなかにはいるのではないでしょうか?
ささげとは
ささげは、ササゲ属の一年草の豆で、漢字表記は「大角豆」です。
ささげという呼び名の由来は諸説ありますが、さやが上向きに湾曲して実る様子が、捧げものをする手つきに似ているとして、「捧げる」が変化した言葉だとする説もあります。
さやの中の豆は乾燥させ、赤飯などに入れるのが一般的な食べ方です。
十六ささげとは
十六ささげとはささげの品種の1つで、いんげんにも似たひょろ長い形状のさやが特徴です。
さやが柔らかいため、一般的にはさやごと炒めたりゆでたりして食べます。
ささげと小豆(あずき)の違い
ささげと小豆(あずき)は、どちらもササゲ属ながら、種類の異なる植物。見た目は良く似ていますが、ささげは小豆に比べると黒っぽい色をしています。
また、小豆は煮ると割れてしまうことがありますが、ささげは煮ても割れにくく、食感もしっかりとしているのが特徴です。
赤飯に小豆ではなくささげを入れる場合があるのは、かつて皮の割れた小豆は切腹をイメージするため、割れにくいささげを使って縁起を担いでいたからだ、ともいわれています。
なぜ使い分けられるのでしょう?
ささげは「さやいんげん」によく似ていて、さやの長さは30~70cmほどと長いです。原産地はアフリカ、平安時代に中国から日本に伝わったという記録が残っています。ささげという名前は諸説ありますが、さやが上向きに湾曲しているのが、捧げものをする手つきに似ているので、「ささげ」と名付けられたといわれています。赤飯などに使用するのは、正確には「ささげの豆」です。
愛知県
沖縄
山梨
ささげやという呼ばれ方の由来
ささげやという呼び方を初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。野菜好きでなければ中々お目にかかることもないササゲは、漢字にすると「大角豆」と表されます。
ささげやの呼び方は本ページでも用いているようにササゲと呼ばれることもあれば、地域によってはささげやと呼ばれることもあるのだそう。正式な呼び方はささげやなのですが、このように呼び方が異なる理由は年代の違いや地域の違いがあるためと言われています。ささげやという呼び方は若い年代の人たちが使用しており、東日本に向かうにつれてささげやという呼び方が多くなる傾向があるようです。
また、ささげやという呼び方の由来にはその昔、若さやのささげやがまるで手に持ったものを捧げるように見えたからといった説や、細い牙のように見える見た目から「細々牙」と表し、それがささげやに変化したなどのいくつかの諸説があるようです。
ササゲの品種
国内で食されているささげの種類には主に「金時ささげ」と「三尺ささげ」に分けられます。三尺ささげは何と30cm以上も成長するビッグなささげで、熱さと寒さのどちらにも耐久性があるため、どこでも育ってくれる植物でもあります。金時ささげはクリーム色の中に黒い模様があるものや、紫色、褐色などの比較的色とりどりの種類も存在するようです。
ささげと一口に言っても非常に豊富な種類があるので覚えきれませんが、岐阜県や愛知県では「十六ささげ」と呼ばれる伝統的な野菜があることも覚えておいて良いでしょう。
煮た際に違いが出る
小豆とささげは非常に似ているため、赤飯に使用する分には違いは出ないだろうと思っている人も多いですが、実は小豆は煮た際に中央部分から割れることが多く、ささげは火を通してもガッチリと形を保っているのが特徴です。赤飯にささげを推奨する理由にはまさにここにあり、その昔武士に切腹をイメージさせることから小豆を赤飯に用いられることが避けられるようになりました。
皮が厚いささげは小豆よりも煮崩れしにくいことから、何かとイメージが悪い小豆のような「割れる」という意味を含めた料理の代わりになってくれているのです。そのため、縁起の悪い「割れる」小豆よりも皮がしっかりしているささげで作る赤飯の方が良いとされています。