Web Analytics Made Easy - Statcounter
View My Stats

japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

日本の外食産業の始まり

諸説あるようですが、日本の外食産業のルーツは江戸時代と言われています。今回はそんな外食産業の始まりについてです。

f:id:japan-eat:20220327143333j:plain

 

ちなみに「外食産業」という言葉は日本初のファミリーレストランが開業され、ここから本格的な飲食店の展開が始まった1 9 7 0 年から使われるようになったようです。
今のような飲食店がいきなり登場したわけではなく、 生の食材や調味料、調理済み食品を売り歩く商品を天秤棒にぶら下げて売り歩く振売りというものから、加熱調理をした料理を提供する焼売(やきうり)・煮売(にうり)屋が始まりとされています。

f:id:japan-eat:20220327143437j:plain
そして、外食の文化が発展していく始まりとして、江戸時代前期に浅草の茶屋(今でいうカフェにあたるもの)で、茶飯や汁物、煮豆、お煮しめなど等をセットにした、定食のようなものを
「奈良茶飯」として売り始めたのが、飲食店という形態のきっかけとされています。

f:id:japan-eat:20220327143502j:plain

江戸時代初期には、まだ日本の外食産業は誕生していなかったようです。徳川幕府による安定した政権が続いていましたが、4代将軍家綱の時代に、江戸の大半が焼失してしまう明暦の大火が起こります。家で食事を作れない人たちが増えたからなのか、これ以降、ちらほらと飲食店らしきものが登場するのです。その背景には、大火をきっかけに地方からたくさんの人びとが移住を始め、その多くが単身の男性であったことや、参勤交代により武士の単身赴任で江戸に集まってきたという事情があるようです。外食への需要が高まるに連れ、様々な飲食店も増えていったのです。

 

昔の日本人は何を食べていたのか!?

奈良茶飯が飲食店の始まりとして蕎麦屋など様々な業態の飲食店も増えました。
そして、江戸時代中期の頃には、地方から多くの職人たちが職を求めて江戸に流入してきたことにより、人口がどんどん増え始めました。
その中で、働く職人たちはお腹が減ることを紛らわすために、複数回に分けながら間食をするようになり、この需要に反応し誕生したのが、屋台です。

f:id:japan-eat:20220327143525j:plain

今でも食べられている握り寿司や天ぷら、ウナギなども初めは屋台で食べられていて、
今でいうファストフードのような立ち位置で広がっていきました。

 

どんなお店があったの?

f:id:japan-eat:20220327143605j:plain

簡単な外食の手段としては、食べ物を売り歩く「振り売り」や「屋台見世」がありました。貞享3年(1686)には、蕎麦切りや火を持ち歩く商売を取り締まるお触れが出されていますから、それなりの数のお店があったのでしょう。また、1694年に刊行された井原西鶴の「西鶴置土産」には、浅草の奈良茶飯のお店が出てきます。一般的には、これが料理屋の始まりだと言われているようです。ちなみに、奈良飯とは、奈良名産の茶飯を中心とした定食セットのようなものです。

 

高級料亭も出現

f:id:japan-eat:20220327143655j:plain

宝暦から明和のころには、本格的な料亭の開業が始まります。かなりの高級店も姿を現し始め、明和8年(1771)に深川洲崎にオープンした升屋は、料亭の元祖と呼ばれ、献立もかなり充実していたとの記録が残っています。それからまもなく、料亭の八百膳が営業を始めますが、とても高級なことで名を馳せていたようです。文政5年に出された「明和誌」には、「いづれも上品にして値高事限なし」との記述があるようです。時代劇に登場するお代官様と越後屋が密会するような場所は、江戸にはたくさん実在していたのでしょう。外食産業の発展は、食文化の発展にもつながり、江戸時代には握り寿司や天ぷらなど、新しい料理が次々と生み出されていったのです。

 

少し和食の代表格である「握り寿司」について

f:id:japan-eat:20220327143742j:plain

江戸前寿司と呼ばれる昔の握り寿司は、シャリがなんとおにぎりくらいの大きさで、保存技術が低い当時、ネタは生ではなく、ヅケや酢で洗うなどの下ごしらえをしてあるものを使っていて、今の寿司とは全く違うもの でした。

f:id:japan-eat:20220327143807j:plain

また、当時は今人気な「サー モン、ウニ、いくら」などは食べられることがなく、今では寿司の定番とされているマグロに関しては脂身が多いという理由で低級のものとして扱われ、中トロや大トロ部分は捨てられていたようです…。
その後、時代が経つにつれて冷凍技術などの技術が発達し、食べられるネタの幅も広がり、
今の握り寿司のかたちになっていきました。

 

食の多様性が広がる時代へ!

f:id:japan-eat:20220327143902j:plain

江戸時代から始まった外食の文化。
そこから明治時代の文明開化がきっかけで外国の文化も入ってきたことにより、食文化もどんどん変わっていき、今では和食だけではなく「イタリアン、フレンチ、中華」など幅広い食文化が日本にはあります。


昔は富裕層しかできなかった外食も、ファミリーレストランの普及などにより、 リーズナブルに外食を出来るようにもなりました。
さらに業態が増えるだけではなく、宅配サービスが始まり、自宅で手軽に飲食店の料理を楽しめる等、昨今は食事方法においても発展しています。

f:id:japan-eat:20220327143944j:plain

また、低温調理や液体窒素を使った分子ガストロミーといった、昔では考えられなかった新しい調理法ができるなど、さらなる調理技術の進化・発展により、日本の外食産業は今後もどんどん盛り上がっていくことでしょう!(多分)

スポンサーリンク