飲食店スタッフがやりがちなNG行為と改善策
お客さまに「また来たい」と思ってもらえるお店となるためには、料理の味も大切ですが、接客の良さも求められます。サービスが行き届いているお店はそれだけで印象が良くなり、逆に十分なサービスが受けられないお店は悪い印象を与えてしまいます。
料理は美味しい!だけどお客様が来ない店の特徴
料理に自信があるのになぜかお客さまが来ないといった場合は?
1、接客時に注意すべきNG行為を知らず知らずのうちにしてしまっている可能性があ
ります。
NG行為は、直接お客さまに対応しているときだけ気を付ければ良いものではありません。移動時の姿勢や態度、ふとしたときの仕草、スタッフ同士のやりとりなど、お客さまを目の前にしていないときの何気ない行動も、意外と周りの目や耳には入っています。誰も見ていないからと思って、気を抜かないよう十分な注意が必要です。
2、価格とニーズが合っていない。
簡単にわかりやすく言うと、ファミリー層が多い住宅街にドアマンが居る高級フレンチ店の出店。
「立ち振る舞い」のNG行為と改善策
1、やる気のない挨拶
【改善策】
だらしなく語尾を伸ばしたり、相手の顔を見ずにあいさつをするのは、とても印象を悪くする行為です。お客さまが来店したら明るく笑顔で「いらっしゃいませ!」とあいさつをしましょう。
「少しおおげさかな」と思うくらいの笑顔が、受け取る側にはちょうど良く伝わります。このあいさつがお店に抱く第一印象となり、評価に影響します。
2、返事をしない
【改善策】
お客さまから声をかけられたときには、しっかりと返事をしましょう。返事が無いと聞こえているのかどうか分からず、人によっては無視されていると感じてしまいます。
声が小さすぎて聞こえないのも、返事をしていないのと同じです。お客さまに届くボリュームでハキハキと返事をしてください。
3、あくびやクシャミをする
【改善策】
生理現象のため、あくびやくしゃみが出てしまうのは仕方がないこともあります。それでも、お客さまの対応中はできる限り我慢をしましょう。
万が一のときは、バックヤードなどお客さまの目が届かない場所でするように心がけてください。
4、不愉快にさせる笑い方
【改善策】
ニコニコとした笑顔は好印象を与えますが、ニヤニヤとした笑い方は人を不愉快にさせます。「笑われている」や「馬鹿にされている」と誤解を生んでしまう可能性もあるので、そうならないために笑い方にも注意が必要です。
「笑う」よりも「微笑む」を意識して接客に取り組んでみてください。
5、不平等な態度やサービス
【改善策】
接客するうえで、お客さまによって対応を変えるのはご法度。常連客か新規客か、注文数、性別、年齢などで、態度やサービスを変えてはいけません。相手が誰であってもお客さまはお客さま。不平等な対応は大きなクレームに発展することもあります。分け隔てのない接客で全員が気持ち良く過ごせるようにしましょう。
6、子供には対応しない
【改善策】
子どもとはいえ、お客さまであることに変わりはありません。呼ばれたのに、注文ではないからと無視したり適当にあしらわないよう気をつけましょう。その姿を見ていた親が気分を害して次回以降の来店がなくなることもありえます。遊んであげるまではいかなくても、話しかけられたら笑顔で応えましょう。子どもにも好意的な態度をとることで印象を高めることができます。子どもも含めて、また来たいと気に入ってもらえるお店を目指すべきです。
7、客席に向かって指を差す
【改善策】
客席全体やテーブルなどを指す場合は、手全体で示しましょう。例え特定の人に向けたものではなかったとしても、お客さまは嫌な気分になってしまいます。ついうっかりと、指をさしてしまうことのないよう注意してください。
8、スタッフ同士でひそひそ話をする
【改善策】
スタッフ同士でひそひそと話している姿は、「自分のことを言っているんじゃないか」、「なにかトラブルがあったのではないか」…とお客さまを不安にさせてしまいます。
実際にはただの業務連絡であったとしても、勘違いをさせてしまうような態度は避けなければなりません。お客さまの耳に入れるべきでない内容であれば、バックヤードで。
9、大声でのやり取り
【改善策】
ホールとキッチンのやりとりやスタッフ間での指示出し、大声での電話対応など、スタッフの声が店中に飛び交っているようでは、落ち着いて食事をすることができません。お客さま同士の会話の妨げとなるだけでなく、居心地の悪い思いをさせてしまうため適切なボリュームを心がけましょう。
10、あだ名で呼び合う
【改善策】
スタッフ同士の仲が良いお店だと、お互いをあだ名で呼び合うこともあるでしょう。お客さまからすると、スタッフ同士が友達のように砕けた会話はしているのはあまり印象が良いものではありません。あだ名は休憩時間や営業後などスタッフしかいない場面にとどめておき、お客さまの耳に入る場所では「〇〇さん」と呼ぶようにしましょう。もしくはあだ名を禁止して、呼び方を統一してしまうのも対策の一つ。
11、かかとを擦りながら歩く
【改善策】
脚を引きずる歩き方はだらしない印象があるうえ、床と靴が擦れる足音がとても目立ちます。落ち着いた雰囲気のお店ならなおさら。もしもカーペットタイプの床であれば、ほこりを舞い上げる原因にもなり衛生的にも良くありません。引きずり歩きは癖になってしまっていることが多いので、日頃の歩き方から意識してなおしていきましょう。
12、靴のかかとを踏み潰す
【改善策】
靴のかかとを踏むのはとても行儀が悪く、だらしない印象があります。また、脱げやすいため怪我の元となり大変危険です。かかとを潰してしまうのは靴が履きにくいといった原因も考えられます。靴ベラを用意するなどして、スタッフが靴を履きやすい環境を整えて改善を図ってみてください。
13、店内を走って移動する
【改善策】
混雑時や急いで対応したい業務がある際、店内を走って移動したくなることもあるでしょう。しかし、いくら忙しくても走ってはいけません。慌ただしい雰囲気になり、お客さまが落ち着いて食事をできなくなります。また、スタッフ同士あるいはお客さまとぶつかって怪我にいたることも。忙しいときこそ焦りは禁物。冷静に、落ち着いた行動が求められます。
14、頻繁に時計を確認する
【改善策】
営業中にスタッフが何度も時計を見ているのはやる気のなさを感じられる行為で、気分の良いものではありません。こっそりと見ているつもりでも、周囲の目には意外と入りやすいものです。特に閉店間際は、「早く帰ってほしい」という気持ちがお客さまにも伝わってしまうため要注意です。最後まで気持ちよく過ごしてもらえるよう努めましょう。
15、お客様の目に入る場所での喫煙
【改善策】
休憩中とは言え、スタッフが喫煙をしている姿は良い印象を与えません。スタッフしか立ち入れない場所に喫煙スペースを設け、指定場所以外での喫煙を禁止するなどしてお客さまの目に入らないよう対策をとりましょう。
あわせて、業務に戻る際には消臭ケアを念入りに。たばこのにおいが苦手な方もいるので、お店のイメージを下げないためにも徹底してください。
16、体調不良をやせ我慢する
【改善策】
体調が悪いときは無理をしてはいけません。身体がだるいと通常通りの動きができず、頭の回転が落ちて判断力も鈍くなります。トラブルを引き起こす原因にもなり、かえって足手まといになってしまいます。体調不良の原因がもし風邪なら店内に菌を撒き散らすことになり、スタッフやお客さまにうつしてしまう可能性も。仕事に対する責任感を持つことは大切ですが、不調を感じたら無理をせずに店長やリーダーに相談して、早く治すことを優先してください。
まとめ
細かく見ていけば、説明したこと以外にも避けるべきNG行為はまだまだあります。お客さまの立場になって、してもらえたらうれしいサービスやされたら嫌な対応を考え、気持ち良く食事が楽しめる環境づくりを大切にしていきましょう。