よく「飲食はサービス業だ」といわれがちですが、実は飲食にも様々な種類があり、サービス業に分類されるものとされないものがあります。。
そこで今回は飲食業はいったい何業なのかを詳しく解説していきます。職務経歴書などに記載する業種に困っている方などが居れば是非参考にしてください!(居るのか?)
飲食店は何の業種?
飲食店の業種としては、「宿泊業・飲食サービス業」の「飲食サービス業」に該当します。
もっと細かく分類すると「飲食店」になります。実は「接客業」は正式な業種ではないので覚えておきましょう。
飲食店は「飲食サービス業」以外に「小売業」に該当する場合があります。何かの基準によって、業種が変わってしまいます。それぞれ見ていきましょう。
大分類では「宿泊業、飲食サービス業」
飲食店を大分類で考えると、業種は「宿泊業、飲食サービス業」に該当します。「宿泊業」と同じ分類になりますが、飲食店は「飲食サービス業」になります。
ここでの「飲食サービス業」では、お客様の注文に応じて調理する飲食料品、その他の食料品または飲食をその場で飲食させる事業所ならびに、お客様の注文に応じて調理した飲食料品をその場で提供またはお客様の求める場所に提供する事業所およびお客様の求める場所において、調理した飲食料品を提供する事業所のことを指します。
飲食料品を扱っていても「飲食サービス業」に該当しない場合もあります。その一つが「小売業」になります。
主として客の注文に応じ調理した飲食料品,その他の食料品又は飲料
をその場所で飲食させる事業所並びに,客の注文に応じ調理した飲食料品をその場所で提供又 は客の求める場所に届ける事業所及び客の求める場所において,調理した飲食料品を提供する 事業所をいう。
なお,ここでいう調理とは,形状・性質を変える加熱,切断,調整(成型・味付)をいい, 単に再加熱するだけのものは含まない。
また,百貨店,遊園地などの一区画を占めて飲食サービス業が営まれている場合,それが独 立の事業所であれば本分類に含まれる 出典元:厚生労働省
中分類では「宿泊業」がサービス業に当たる
大分類の「宿泊業、飲食サービス業」の中分類では、「宿泊業」がサービス業に該当します。この「宿泊業」の中分類では、宿泊事業所または宿泊と食事を提供する事業所が分類されます。「飲食業」と関わりがなさそうに見えますが、ややこしいですが、少しだけ「飲食業」にも関わります。
それ以外の飲食店は「小売業」に分類される
「宿泊業、飲食サービス業」の中で「飲食店、お持ち帰り・配達飲食サービス業」が「小売業」に分類されます。どういう意味なのか、どうような飲食店が「小売業」に入るかいくつか見ていきましょう。
▶︎お持ち帰り飲食サービス業
飲食することが主な目的とした設備を有さず、お客様の注文に応じてその場所で調理した飲食料品を持ち帰る状態で提供する事業所。
・お持ち帰り弁当屋
・クレープ屋
・移動販売
▶︎配達飲食サービス業
事業所内で調理した飲食料品を、お客様の求める場所に提供する事業所、お客様の求める場所において調理した飲食料品を提供する事業所。
・宅配ピザ屋
・デリバリー専門店
・給食センター
などがこの「小売業」に分類されます。
飲食店がサービス業と小売業では何が違うのか?
現在では、「小売業」が「サービス業」の役割を果たしてしまったり、また逆の場合だったりします。その影響で、「小売業」と「サービス業」の違いが曖昧になってしまっているので、違いを分かりやすく別々に見ていきましょう。
サービス業とは
「サービス業」は、形あるものでなく目に見えないものや技術、娯楽などを提供する業種のことになります。
例えば、インターネット系の通信・映画・ホテル・修理・理美容などの技術を提供しているのがサービス業ということになり、「小売業」と違ってメーカーや卸業者を介して商品等を販売することはなく、宿泊施設の提供・水道管の修理・マッサージ・映画など、企業や個人の技術を消費者が直接購入することができるのが一般的です。
・クリーニング ・漫画喫茶 ・映画館 など
小売業とは
「小売業」は、簡潔にご説明するとお客様に「形あるもの」を販売したり、提供したりするお店のことになります。
商品の提供は、
・商品を製造するメーカーや個人
・商品を流通させる卸業者
・商品を販売する小売業者
の3つを経由して消費者のもとに商品を提供するのが一般的です。
「小売業」では、お客様への最終的な伝達手段を担うことが多いですが、「小売業」は様々な種類の仕事があります。
・コンビニエンスストア ・ドラッグストア など
中にはネットショップや訪問販売といった、お店を持たない形式での営業スタイルでも「小売業」になる場合もあります。
飲食店におけるサービス業と小売業の違い
結局、サービス業と小売業の違いは何なのか!
「小売業」実際に触ったり使ったり食べたりすることができる「形のあるもの」を販売します。
「サービス業」「技術や娯楽など形のないもの」などをお客様に提供することになります。
■お弁当やお茶など「形のあるもの」を提供するのか!
■過去の思い出や技術などの「形のないもの」を提供するのかといった違いになります。
飲食を含むサービス業の特徴は何?
「サービス業」と「接客業」は、たくさんある職種の中でも一般的なものなので、一見すると「サービス業」と「接客業」に大きな違いがないように思われがちです。それぞれをよく分析して見てみると、実際に違っている部分もあるということが明らかになってきます。
そもそもサービス業とは
そもそも「サービス業」というのはなんだ?
「サービス業」は、人の欲求をサポートする事を主な仕事とした業種になっています。
「美味しい料理を皆で食べたい」や「移動手段を楽にしたい」、「疲れている時に癒しが欲しい」というようなお客様のニーズをたくさんの手段を使い、満たすことによって対価を得ているのです。
それによって、人々の欲求が多様化し需要が高まっていくにつれ、サービス業に属する業種もその影響で増えていくことになります。
サービス業の特徴
無形性
「無形性」というのはサービス業における、提供する物のほとんどが目に見る事ができない、または形のないものの事。
電車で例えると!電車でお客様を遠くまで運んだとしても、電車そのものをお客様に提供しているという事にはなりません。電車そのものを提供しているのではなく、お客様には「移動」を提供していることになり、電車は移動手段です。
なので、「移動」という提供したものは目に見える事がないため、このようなサービスは無形の物を提供していることになります。
多くのサービス業が、このような無形のものを提供する形で成り立っています。
同時性
生産と消費が一度に同時に起きる「同時性」という特徴があります。
製造業を例える場合だと、製造業は製品が完成し、それが消費されるまでに必ず時間の差があります。しかしながら、サービス業は生産と消費が同時に起きる為、時間の差が生まれることがありません。
美容室で例えると、散髪やカラー等を求めるお客様が、現れてから初めて散髪やカラー等が行われます。
その時に美容室が散髪やカラーなどのサービスを生産すると同時に、お客様はそれを消費し髪を整えています。サービスの提供が終わると同時に、お客様の髪型は整うので需要は残りません。
サービスの生産や提供と同時にお客様の欲求が満たされるため、それを分割することが不可能になります。これが同時性という。言葉にするとややこしいですね。
新規性
サービス業は、他の業種と比べると市場が未熟です。なので、人々の欲求など需要が多くなり、中小企業が次々に新しく生まれてきます。
人々の欲求や需要が多くなる時代に応じて変わっていくため、それに合わせたサービスを提供する業種や企業が必要になるからです。
個別性
生産業とは違って、サービス業はお客様それぞれの欲求を満たす為のもの。だから、お客様ひとりひとりの希望に寄り添って、その所々サービスの内容を見直し変化しなくてはなりません。
同じことの繰り返しではなく、そのお客様の希望通り臨機応変にサービスを提供する必要があることもサービス業の特徴と言えます。
非反復性
サービスというのは、それをお客様に提供する人の技術や個性などによって、多種多様に変化します。
10人の写真家を集めたとして、全員に猫の写真を撮らせた場合に、1つとして同じ写真が生まれることはありません。その理由として、人によって撮り方や撮る場所、撮る構造などが違ってくるからです。
しかし、同じ人であった場合でも全く同じ写真を撮ることはできません。一目みてほとんど変わらない写真に見えても、その写真は前回撮った写真と少しだけ表情や天候、位置が違うといった誤差が生まれてしまいます。
最後に
「飲食店はサービス業」とよくいわれがちですが、本当は飲食店にもたくさんの種類があり、サービス業に分類するものとしないものを知る事ができたと思います。業界の方でも勘違いして居る方も多いです。でもそれでまかり通っているのも事実。自身も面倒なのでそのまま使用しています。笑笑
飲食店の業種は「宿泊、飲食サービス業」に分類され、中でも宿泊業がサービス業で「飲食店、お持ち帰り・配達飲食サービス業」が小売業に分類されることがお分りいただけたと思います。飲食の種類によって業種は異なってきます。