飲食店経営は開業することよりも続けることの方が難しいと言われています。
開業当初は多くのお客様で賑わい、順調なスタートを切ったにもかかわらず、数年後には閉店してしまう店舗も少なくありません。
一方で、10年、20年と長く地域に愛され続ける店舗も存在します。
同じような立地で、同じような価格帯で営業しているにもかかわらず、なぜここまで差が生まれるのでしょうか。
もちろん運やタイミングもあります。しかし、長く続く店舗には共通する特徴があり、短期間で消えてしまう店舗にも共通する課題があります。
今回は飲食店コンサルの視点から、10年続く店と3年で消える店の差について解説していきます。

- 開業がゴールになっているか、スタートになっているか
- お客様を見ているか、自分を見ているか
- 集客施策を続けられるかどうか
- 売上を見るか、利益を見るか
- スタッフを大切にしているか
- 変化を受け入れられるか
- リピート率を意識しているか
- 経営者自身が学び続けているか
- コンサル視点で感じる本当の差
- まとめ
開業がゴールになっているか、スタートになっているか
飲食店経営で最も多い失敗の一つが、開業することが目的になってしまうケースです。
開業前は物件探しや融資、内装工事、メニュー開発などやることが山ほどあります。
そのため、開業した瞬間に達成感を感じてしまう経営者も少なくありません。
しかし本当の勝負はそこから始まります。
10年続く店の経営者は、開業をスタート地点と考えています。
開業後に何を改善するのか、どうやって固定客を増やすのか、どのように売上改善を行うのかを常に考えています。
一方で3年以内に消える店は、オープン直後の勢いだけで走り続けようとします。
結果として問題が発生した際に対応が遅れ、気付いた時には手遅れになっているのです。
お客様を見ているか、自分を見ているか
長く続く店は常にお客様を見ています。
お客様が何を求めているのか。
どんな料理が喜ばれているのか。
なぜ来店してくれたのか。
なぜ来なくなったのか。
こうしたことを日々考えています。
一方で短命な店舗は、自分の理想を優先してしまう傾向があります。
もちろんこだわりは大切です。
しかし、お客様のニーズとかけ離れてしまえば売上にはつながりません。
「自分が作りたい料理」と「お客様が食べたい料理」は必ずしも一致しないのです。
飲食店経営は芸術ではありません。
お客様に支持されて初めて成り立つ商売です。
集客施策を続けられるかどうか
開業当初は誰でも宣伝を頑張ります。
SNSを更新し、チラシを配り、知人に声を掛けます。
しかし半年、一年と経過すると集客活動をやめてしまう店舗が少なくありません。
「忙しいから」
「売上があるから」
という理由で後回しになるのです。
ところが、10年続く店は違います。
繁盛していても集客施策を継続します。
お客様は永遠に来店してくれるわけではありません。
転勤、引っ越し、ライフスタイルの変化などによって来店しなくなることもあります。
だからこそ新しいお客様との接点を作り続ける必要があります。
長く続く店ほど、集客を習慣化しているのです。
売上を見るか、利益を見るか
飲食店経営では売上ばかりに目が向きがちです。
確かに売上は重要です。
しかし利益が残らなければ意味がありません。
10年続く店は数字を細かく確認しています。
売上だけではなく、原価管理や人件費管理も徹底しています。
どの商品が利益を生み出しているのか。
どの商品が利益を圧迫しているのか。
そうした数字を把握しています。
反対に短期間で閉店する店舗は、忙しさを理由に数字を見なくなります。
気付けば利益がほとんど残らず、資金繰りが苦しくなっているケースも珍しくありません。
飲食店経営において重要なのは売上の大きさではなく、利益が残る仕組みを作ることです。
スタッフを大切にしているか
人材不足が深刻化する現在、スタッフの存在はますます重要になっています。
10年続く店はスタッフを単なる労働力として見ていません。
仲間として接し、成長を支援しています。
その結果、定着率が高くなります。
スタッフが長く働くことでサービス品質も安定し、お客様満足度も向上します。
一方で離職率が高い店舗は常に人手不足です。
新人教育に追われ、現場は疲弊し、サービス品質も低下します。
そして売上が下がり、さらに人が辞めるという悪循環に陥ります。
長く続く店舗ほど人材育成を大切にしているのです。
変化を受け入れられるか
飲食業界は常に変化しています。
コロナ禍もそうでした。
キャッシュレス決済の普及もそうです。
SNS集客の重要性もそうです。
変化を拒む店舗は時代から取り残されていきます。
10年続く店は柔軟です。
新しい情報を取り入れ、自店に必要なものは積極的に導入します。
もちろん全て真似するわけではありません。
自店に合うかどうかを判断しながら取り入れていきます。
短命な店舗ほど、
「昔はこうだった」
「うちは関係ない」
という考え方をしてしまいます。
しかし時代は待ってくれません。
変化への対応力が生き残る条件になっています。
リピート率を意識しているか
新規客だけで経営を続けることは非常に難しいです。
広告費もかかりますし、競争も激しくなっています。
だからこそ重要なのがリピート率です。
10年続く店には固定客がいます。
毎週来店するお客様。
毎月利用するお客様。
家族や友人を連れて来るお客様。
こうした存在が店舗を支えています。
固定客は一日では作れません。
日々の接客や料理、店内環境などの積み重ねによって生まれます。
リピート率を高める意識を持っているかどうかが、長期経営を左右する大きな要因になります。
経営者自身が学び続けているか
長く続く店の経営者には共通点があります。
それは学ぶことをやめないことです。
成功している経営者ほど勉強しています。
他店を視察したり、本を読んだり、セミナーに参加したりしています。
飲食店経営に完成形はありません。
時代が変わればお客様も変わります。
だからこそ学び続ける必要があります。
反対に失敗する経営者は、自分の経験だけで判断してしまいます。
過去の成功体験に頼り続けることで、新しい変化に対応できなくなってしまうのです。
コンサル視点で感じる本当の差
飲食店コンサルとして多くの店舗を見てきましたが、実は大きな差は特別な能力ではありません。
圧倒的な料理技術でもありません。
莫大な資金力でもありません。
最も大きな差は「改善を続ける力」です。
10年続く店は常に改善しています。
メニューを見直します。
接客を改善します。
集客施策を試します。
店舗改善を繰り返します。
小さな改善を何年も積み重ねた結果、大きな差になって現れるのです。
一方で消えていく店は、問題が起きても変わりません。
改善よりも言い訳が先に出てしまいます。
この差が数年後には大きな経営格差となるのです。
まとめ
10年続く店と3年で消える店の差は、一つの要因だけではありません。
お客様への向き合い方。
売上改善への意識。
原価管理への取り組み。
人材育成の考え方。
集客施策の継続。
リピート率向上への努力。
そして学び続ける姿勢。
こうした積み重ねが長期経営を支えています。
飲食店経営は派手な一発逆転よりも、地道な改善の積み重ねが結果を生みます。
もし今、売上や集客に悩んでいるのであれば、大きな改革を考える前に小さな改善から始めてみてください。
その積み重ねが、3年で消える店ではなく、10年後も地域に愛される店への第一歩になるかもしれません。
皆さんは「長く続く店の条件」は何だと思いますか?
経営者の方も、飲食店で働く方も、お客様の立場の方も、ぜひ感じていることをコメントで教えてください。

