飲食店経営の現場では、売上や利益、人件費や原価率など、数字ばかりに目が向きがちです。
もちろん数字は大切です。
しかし、数字は結果であって原因ではありません。
では、繁盛店と苦戦店の違いはどこにあるのでしょうか。
私は飲食店コンサルとして多くの店舗を見てきましたが、ある共通点に気付くようになりました。
それは「店長の口癖」です。
店舗に入って数時間も過ごせば、その店が今後伸びるのか、それとも苦戦するのか、ある程度予測できます。
なぜなら店長の口癖には、その人の考え方や行動基準、組織文化がそのまま表れるからです。
そして店長の言葉はスタッフへ伝染し、やがて店全体の空気を作り、お客様への接客にまで影響を与えます。
つまり店長の口癖は、その店の未来そのものなのです。

- 「どうしたらできるか」を口癖にする店は伸びる
- 「忙しい」が口癖の店長が見落としていること
- 「ありがとう」が自然に出る店は強い
- 「誰のせいだ」が増えると危険信号
- 「お客様は何を求めているか」が口癖の店長は強い
- 客単価向上も店長の口癖から始まる
- 原価管理にも店長の言葉が影響する
- 店長の言葉はスタッフの未来を作る
- 飲食店経営は言葉で決まる部分が大きい
- まとめ
「どうしたらできるか」を口癖にする店は伸びる
繁盛している飲食店経営者や店長に共通しているのが、「どうしたらできるか」という考え方です。
新しい集客施策を考える時もそうです。
売上改善を考える時もそうです。
客単価向上を目指す時もそうです。
まず最初に可能性を探します。
例えば売上が落ちた時でも、
「どうしたら来店客数を増やせるだろう」
「どうしたらリピート率を上げられるだろう」
「どうしたらお客様に喜んでもらえるだろう」
という発想になります。
問題から逃げるのではなく、解決策を探すことが習慣になっています。
するとスタッフも同じ思考になります。
結果として店舗改善が日常的に行われるようになり、店は少しずつ成長していくのです。
「でも」「だって」が多い店は停滞する
反対に業績が低迷している店舗では、
「でも無理です」
「だって人が足りないから」
「だって忙しいから」
「だって予算がないから」
という言葉が頻繁に聞かれます。
もちろん現場には様々な事情があります。
人手不足もあります。
原価高騰もあります。
競合店の増加もあります。
しかし条件が厳しいのはどの店舗も同じです。
伸びる店はその中で工夫を考えます。
停滞する店はできない理由を探します。
その違いは非常に大きいのです。
口癖が変わらない限り、行動も変わりません。
行動が変わらなければ結果も変わりません。
「忙しい」が口癖の店長が見落としていること
飲食店経営では忙しいこと自体は悪いことではありません。
むしろ繁盛している証拠でもあります。
しかし、
「忙しいからできない」
「忙しいから後で」
「忙しいから無理」
が口癖になっている店長は危険です。
忙しい状態が続くと、目の前の業務をこなすことが目的になってしまいます。
すると将来のための行動ができなくなります。
スタッフ教育が後回しになる。
店舗改善が進まない。
集客施策を考えなくなる。
結果として売上が落ち始めた時に打つ手がなくなります。
繁盛店の店長ほど忙しい中でも改善活動を止めません。
だから成長し続けられるのです。
「ありがとう」が自然に出る店は強い
飲食店経営において意外と重要なのが感謝の言葉です。
伸びている店舗では、
「ありがとう」
という言葉が自然に飛び交っています。
スタッフ同士でも、
「ありがとう」
お客様に対しても、
「ありがとうございます」
業者に対しても、
「いつもありがとうございます」
という言葉が当たり前になっています。
すると職場の雰囲気が良くなります。
働きやすい環境になります。
離職率も下がります。
お客様も居心地の良さを感じます。
こうした積み重ねがリピート率向上につながり、最終的には売上改善へとつながるのです。
「誰のせいだ」が増えると危険信号
業績が悪くなると、人は原因を外に求めがちです。
天候のせい。
景気のせい。
スタッフのせい。
立地のせい。
競合店のせい。
もちろん影響はあります。
しかし繁盛店の店長は、
「自分たちにできることは何か」
を考えます。
一方で苦戦店の店長は、
「誰のせいだ」
という言葉が増えていきます。
責任追及が始まるとスタッフは萎縮します。
意見を言わなくなります。
改善提案も出なくなります。
その結果、店舗の成長が止まってしまうのです。
「お客様は何を求めているか」が口癖の店長は強い
飲食店経営の本質はお客様満足です。
だからこそ繁盛店の店長は常にお客様視点で考えます。
この料理は喜ばれるだろうか。
この価格は納得感があるだろうか。
この接客は満足してもらえるだろうか。
この空間は居心地が良いだろうか。
こうした問いを繰り返しています。
だから改善点が見つかります。
だから進化できます。
だから選ばれ続けるのです。
客単価向上も店長の口癖から始まる
客単価向上というと、新メニューや値上げを考える店舗が多くあります。
しかし本当に重要なのは考え方です。
繁盛店の店長は、
「どうしたらもっと喜んでもらえるか」
を考えます。
その結果として追加注文が増えます。
デザートが売れます。
ドリンクが出ます。
高単価商品が選ばれます。
お客様が満足した結果として客単価向上が実現するのです。
単純に高い商品を売ろうとするだけでは長続きしません。
原価管理にも店長の言葉が影響する
原価管理は飲食店経営の重要なテーマです。
しかし原価率だけを追いかける店長は失敗しやすい傾向があります。
「削れ」
「減らせ」
「節約しろ」
ばかりが口癖になると現場は疲弊します。
一方で伸びる店長は、
「無駄をなくそう」
「お客様価値は下げないようにしよう」
「利益を残す工夫をしよう」
という言葉を使います。
同じ原価管理でも伝え方が違うのです。
その違いが店舗文化を作ります。
店長の言葉はスタッフの未来を作る
スタッフは想像以上に店長の影響を受けています。
毎日聞く言葉は価値観になります。
価値観は行動になります。
行動は結果になります。
店長が前向きな言葉を使えば、スタッフも前向きになります。
店長が挑戦する言葉を使えば、スタッフも挑戦します。
店長が感謝する言葉を使えば、スタッフも感謝するようになります。
つまり店長の口癖はスタッフ教育そのものなのです。
飲食店経営は言葉で決まる部分が大きい
店舗改善というと設備投資や改装を考える方もいます。
しかし最も費用がかからず、最も効果が高い改善は言葉を変えることです。
店長が使う言葉を変えるだけで店舗の空気は変わります。
空気が変わればスタッフが変わります。
スタッフが変われば接客が変わります。
接客が変わればリピート率が変わります。
そして売上改善につながっていきます。
まとめ
店長の口癖で、その店の未来は大体わかります。
「どうしたらできるか」が口癖の店は成長します。
「ありがとう」が自然に出る店は強くなります。
「お客様は何を求めているか」を考える店は選ばれ続けます。
一方で、
「でも」
「だって」
「忙しい」
「誰のせいだ」
が増える店は少しずつ停滞していきます。
店舗の未来は特別なノウハウだけで決まるものではありません。
毎日の言葉の積み重ねが、組織文化を作り、売上を作り、繁盛店を作ります。
もし今この記事を読んでいる店長や経営者の方がいるなら、一度自分の口癖を振り返ってみてください。
その言葉はスタッフを前向きにしていますか。
その言葉はお客様満足につながっていますか。
その言葉は未来を作る言葉でしょうか。
もしかすると、売上改善のヒントは新しい集客施策や広告ではなく、毎日何気なく使っている一言の中に隠れているのかもしれません。
皆さんのお店では、店長や経営者のどんな口癖が店舗の雰囲気を作っていますか。ぜひコメントで教えてください。繁盛店の共通点が見つかるかもしれません。

