「あの人、なんであんなに自信があるんだろう」と思ったことはありませんか。
仕事ができない人より、仕事ができると思い込んでいる人の方が、組織に与えるダメージははるかに大きいです。ミスを認めない、指摘を聞かない、周囲の修正コストが積み重なる。気づいたときには取り返しのつかないロスが発生しています。
この記事では、仕事ができる"つもり"の人が生み出すコストの実態と、管理職・経営者がどう対処すべきかを具体的に解説します。

- 結論:「自覚のないミス」が組織に最もコストをかける
- 仕事ができる"つもり"の人が生む5つのコスト
- なぜ「できる"つもり"」になるのか:3つの構造的原因
- 管理職がやりがちな3つの間違った対応
- 効果的なフィードバックの伝え方:SBI型を使う
- 組織として取り組むべき3つの対策
- もし自分が「できる"つもり"」かもしれないと思ったら
- まとめ:組織のコストは「見えない人」から生まれる
結論:「自覚のないミス」が組織に最もコストをかける
仕事ができない人は、周囲も本人も「フォローが必要だ」と認識しています。だから対策が取られます。
問題は仕事ができると思い込んでいる人です。
本人に自覚がないため、ミスが繰り返されます。指摘しても「自分は正しい」と反発します。周囲は修正・フォロー・根回しに追われ、誰も表立って問題にできない。この構造が、組織の見えないコストを膨らませ続けます。
仕事ができる"つもり"の人が生む5つのコスト
コスト①:修正・手戻りにかかる時間ロス
できる"つもり"の人は、確認を省きます。「わかってる」という自信から、指示の意図を深く聞かずに動きます。結果として方向性がズレた成果物が上がってきて、上司や同僚がゼロから作り直すことになります。
1回の手戻りで2〜3時間失うとすれば、月に10回繰り返せば20〜30時間のロスです。これを時給換算すると、中堅社員1人分のコストが毎月消えていることになります。
コスト②:周囲の「フォロー疲れ」による離職リスク
できる"つもり"の人の周囲は常に気を遣います。「またミスが来るかもしれない」という緊張感が慢性化すると、真面目に働いている人ほど消耗します。
優秀な人材ほど選択肢を持っています。「この環境では働き続けられない」と判断したとき、真っ先に辞めていくのは優秀な人です。採用コストは一般的に年収の20〜30%と言われています。1人の離職が生む損失は、数百万円規模になります。
コスト③:意思決定の遅延と機会損失
できる"つもり"の人が会議に出ると、話が長くなります。的外れな発言に対して誰かが丁寧にフォローし、結論が先送りになります。
週1回2時間の会議が、本来1時間で終わるはずの議題に余分な30分かかり続ければ、年間で25時間以上のロスです。さらに判断が遅れることで逃した機会のコストは、数字に現れないまま積み重なります。
コスト④:ミスの隠蔽と問題の先送り
自分の非を認められない人は、ミスを隠します。小さなうちに処理できた問題が、隠蔽されることで大きくなってから発覚します。
取引先へのクレーム対応・データの修正・関係者への謝罪。後手に回るほどコストは膨らみます。「なぜもっと早く言わなかったのか」という後悔は、毎回同じ構造で繰り返されます。
コスト⑤:チームの「正直に話せない」空気
できる"つもり"の人が一定の発言力を持つと、周囲は本音を言えなくなります。「また反論される」「話を聞かない」という経験が積み重なると、チームから率直なフィードバックが消えます。
問題が見えにくくなった組織は、外部からの変化に気づくのが遅くなります。これは数字に出ないコストですが、長期的に見れば最も致命的なリスクです。
