「高額時給で求人を出しておきながら、実際にはその時給を払うつもりがない」ケースについて、法律面・トラブル事例・対処法までしっかりまとめます。
■1. 法的に何が問題なのか?
①職業安定法第65条(虚偽の労働条件提示)
求人において虚偽の条件を示すことは禁止されています。
高額時給を載せて応募者を集める
面接や採用段階で「その時給は適用しない」と言い出す
実際の給与は大幅に低い
これは典型的な**虚偽表示(虚偽の募集)**です。
【罰則】
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
(職業安定法 68条)
②労働条件の書面明示(労基法15条)
雇用契約を結ぶときは、時給などの労働条件を「書面」または電子で明示する義務があります。
もし求人には「時給1,500円」と書きながら
→契約時に「実際は1,200円です」
などとするなら
これは違法。
■2. よくある“ブラック手口”
●パターン1:釣り求人(高額時給で釣って、実際は別の低額時給)
例:
求人→「時給1,500円〜」
面接→「未経験は1,200円になります」
実際→1,200円固定
「〜」を使って逃げるパターンですが、説明しないのは違法。
●パターン2:研修名目で低額
求人 →「時給1,600円」
実際 →研修1〜2ヶ月は1,100円
「研修期間の時給」は求人票に書かないとアウト。
●パターン3:歩合込みで“高額に見せる”
求人に「平均時給2,000円」と書く
↓
実際は
基本は1,100円
歩合で上がるがほぼ無理
これも虚偽表示に該当する可能性大。
■3. その会社側がよく言ういいわけ
「あくまでも最高時給を書いただけ」
「能力次第で高額になります」
「研修期間は説明済みのつもり」
「求人会社が勝手に書いた」
法律上の責任は企業側。
求人媒体のせいにはできません。
■4. 被害を受けた側(応募者)ができること
①労働基準監督署に相談
特に「契約時の不利益変更」「労働条件と違う給与」は労基署が担当。
②ハローワークに通報
虚偽求人はすぐ指導が入ります。
(実際、改善指導の実例は多い)
③求人媒体(indeed、タウンワークなど)に報告
媒体側も規約で禁止しているため、掲載停止になることもあります。
■5. 店側がこういうことをやる“本音”
本当は人気のない店 → 高時給で釣らないと応募が来ない
退職者が多く、常に人手不足
そもそも労務知識がない
最初から悪気がある(最悪パターン)
他店との競争で「見栄を張る」
飲食店で特に多い手口で、あなたのコンサル経験とも相性が良いテーマです。
■6. 飲食店コンサルタントとしての“踏み込んだ解説”
飲食業界の中小店舗でよく見られる特徴として:
高時給を出せるほど利益率がない
原価率は適当、人件費はもっと適当
欠員が出すぎて採用コストを下げたい
「人が集まれば後からどうにかなる」思考
こういう店は
採用→離職→採用の無限ループになり、結局コストが跳ね上がります。
虚偽求人は「短期の人集め」にはなるが、
長期的な採用コストは逆に上がる。
結論:
“払うつもりがないのに高額時給で募集する”のは違法の可能性が高い
これは
・職業安定法違反(虚偽の求人)
・労働基準法違反(契約時の労働条件不明示・不利益変更)
に該当する可能性があり、行政指導や改善命令、最悪は罰則の対象になります。
■まとめ
高額時給で釣って、払うつもりがない求人は違法。
(職安法・労基法の両方に抵触)
応募者は
労基署
ハロワ
媒体
に相談可能。
飲食店など人手不足業界で多いが、長期的に見て一番損するのは店舗側。
