現代の生活に欠かせないアイテム、それが「スマートフォン」です。目覚まし、連絡手段、情報収集、買い物、SNS、ゲームなど、多くの人が1日中使っています。だからこそ、充電は毎日のルーティン。では、この「充電」、実際にどれほどの電気代がかかっているのでしょうか?また、少しでも電気代を節約する方法はあるのでしょうか?
スマホの充電にかかる電気代の目安
スマホの充電にかかる電気代は、実は驚くほど少ない金額です。
● 1回の充電で使う電力量は?
一般的なスマートフォンのバッテリー容量は、約3,000〜5,000mAh(ミリアンペアアワー)です。これをWh(ワットアワー)に換算すると、以下のようになります:
- 例)4,000mAh × 3.7V(電圧) ÷ 1,000 = 約14.8Wh
つまり、1回フル充電に使う電力量は約15Wh(ワットアワー)程度です。
● 電気代で換算すると?
電気代は、地域や契約プランによって異なりますが、日本の家庭用電力の平均単価は約27円/kWh(2024年現在)程度と仮定すると、次のように計算できます:
- 15Wh = 0.015kWh
- 0.015kWh × 27円 = 約0.405円
つまり、1回のフル充電で0.5円以下の電気代しかかからないのです。
● 年間でどれくらいかかる?
1日1回フル充電した場合:
- 0.4円 × 365日 = 約146円/年
驚くほど安いですね。スマホ1台の年間充電コストは150円未満が一般的です。
それでも電気代が気になる理由
上記のように、スマホ1台の充電にかかる電気代は微々たるものですが、なぜ「節電」や「充電の工夫」が話題になるのでしょうか?
理由は大きく分けて次の2つです。
① 複数台を所有する家庭が多い
一家に1台ではなく、1人1台、または2台以上持っているケースも珍しくありません。スマホ、タブレット、ノートPC、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなど、「充電が必要なデバイス」は増える一方です。
たとえば、家族4人が毎日スマホをフル充電すると:
- 0.4円 × 4人 × 365日 = 約584円/年
ここにタブレットやモバイルバッテリーなどが加われば、合計で1,000円を超えることもあります。
② 「待機電力」や「充電しっぱなし」によるロス
スマホの充電器は、差しっぱなしにしていると少量の電力を消費し続けます。これがいわゆる「待機電力」です。古い充電器や急速充電器の場合、待機電力が高くなりやすい傾向があります。
さらに、満充電になっているのに長時間差しっぱなしにすることで、わずかに電力を消費し続けるだけでなく、バッテリーの寿命を縮める原因にもなります。
スマホ充電でできる節電・節約テクニック
スマホの充電コスト自体は微々たるものですが、「塵も積もれば山となる」です。ここでは、スマホ充電における具体的な節約術をご紹介します。
1. 充電器は使わないときはコンセントから抜く
待機電力を抑える最も簡単な方法です。使用していないときは充電器をコンセントから抜く、あるいはスイッチ付きの電源タップを活用しましょう。
2. 高効率な充電器を選ぶ
PSEマーク付き、もしくは信頼できるメーカー製の省エネ設計の充電器を使うことで、無駄な電力消費を抑えられます。100円ショップなどの安価な充電器は変換効率が悪く、かえって無駄が多い場合があります。
3. 充電は日中、電力需要の少ない時間に行う
一部の電力会社では「時間帯別料金プラン」を導入しています。深夜の電気代が安くなるプランを契約している方は、夜間にまとめて充電するのがおすすめです。
4. 満充電のまま放置しない
80〜90%の充電で止めることで、電池の劣化を抑え、バッテリーの買い替え頻度を減らせます。長期的に見れば、大きな節約につながります。
5. モバイルバッテリーの充電も効率的に
モバイルバッテリーは変換ロスが大きいため、充電→放電を繰り返すとトータルの電気代がスマホの直接充電より高くなることがあります。使わないときは充電を控えるのがベターです。
数字以上の「節約意識」を持とう
スマホ1台の充電にかかる電気代は、1回あたりわずか0.4円程度、年間でも150円未満です。これだけを見ると「節約するほどのことではない」と感じるかもしれません。
しかし、家庭全体で見れば、スマホ以外の充電機器や、使い方によるロスも加味すると、意外と無駄が積み重なっているものです。だからこそ、日常のちょっとした意識が長期的な節約につながります。
「コンセントから抜く」「バッテリーの寿命を延ばす」「使わない機器はオフにする」など、小さな積み重ねが、電気代の節約だけでなく、地球環境にも優しい暮らしを作っていくのです。
節電意識が身につくと…
スマホの充電という小さな習慣に気を配れるようになると、冷蔵庫の開閉、エアコンの設定温度、待機電力カットなど、他の電化製品への意識も自然と高まります。
節電・節約の第一歩は、「小さなことに気づく力」から始まります。