「報連相(ほうれんそう)」は、日本の職場文化において超基本かつ重要なコミュニケーションの型です。
名前は覚えやすくてキャッチーですが、中身をちゃんと理解して実践するのは意外と奥が深いんです。
- 報連相とは?
- 飲食店での「報連相」の重要性
- なぜ報連相ができないのか:主な理由
- 「報連相=面倒くさい・余計なこと」と思っている
- 忙しすぎて、タイミングを失っている
- 上司が「聞く姿勢」を持っていない
- 「言う内容がまとまっていない」=スキル不足
- 報連相が自然と回るための環境づくり
報連相とは?
「報告・連絡・相談」の頭文字をとった略語で、主に部下→上司やスタッフ間のスムーズな情報共有・問題解決のために使われます。
報告(ほうこく)
=任された仕事の進捗や結果を上司に伝えること
例:
「先ほどのお客様、無事にご案内できました」
「仕込みが予定より30分遅れています」
ポイント:
事実ベースで簡潔に
途中経過も含め、こまめに伝える
連絡(れんらく)
=関係者みんなに必要な情報を共有すること
例:
「明日のランチメニューが変更になります」
「冷蔵庫の修理が16時に来るそうです」
ポイント:
誰が・何を・いつ・どこで(5W1H)
抜け漏れないように、全員に伝達
相談(そうだん)
=自分一人では判断できない時に意見を求めること
例:
「常連のお客様から特別なリクエストがありました。対応しても大丈夫ですか?」
「新人が仕事で悩んでいるようです。どう関わるべきでしょうか?」
ポイント:
早めの相談が信頼につながる
「自分なりの考え+相談」でレベルアップ
飲食店での「報連相」の重要性
シーン | 使い方 |
---|---|
忙しいピークタイム | 「あと5分で満席になります(報告)」 |
スタッフのシフト変更 | 「○○さん、明日休みです(連絡)」 |
クレーム対応 | 「こういうケースはどう対応したら良いですか?(相談)」 |
飲食店における「報連相(報告・連絡・相談)」は、現場のチームプレーを円滑に回すための“血流”みたいなものです。
料理や接客の腕がどれだけ良くても、報連相がないとトラブル・ミス・不満が溜まりやすくなります。
報告:現場の状況や結果を伝える
シーン | 報告の例 |
---|---|
料理提供の遅れ | 「A席の料理が5分遅れそうです」 |
トラブル発生 | 「お客様がアレルギーについて質問しています」 |
シフト中の出来事 | 「今日のランチ、オペレーションは問題なく回りました」 |
ポイント:
- 上司やチームが「状況把握」しやすくなる
- 結果だけでなく途中経過も大事(忙しい時ほど!)
連絡:必要な情報を全員に共有する
シーン | 連絡の例 |
---|---|
メニュー変更 | 「今日のBランチは売り切れです」 |
設備の不具合 | 「食洗機の音が変です。16時に点検予定です」 |
シフト関連 | 「○○さん、明日休みに変更になりました」 |
ポイント:
- 情報は「関係者全員」に
- LINEグループや業務ノート、口頭+掲示など、伝達手段も工夫
相談:自分では判断できない時に助けを求める
シーン | 相談の例 |
---|---|
クレーム対応 | 「“接客が冷たい”と言われました。次どうすれば…」 |
後輩の指導 | 「新人の○○さんが動きが遅くて悩んでいます」 |
新しいアイデア | 「テイクアウトを強化したいんですが、どう思いますか?」 |
ポイント:
- 判断に迷ったら早めに聞く!
- 「自分なりの考え+相談」だと信頼度UP
よくある失敗あるあると対策
ありがちミス | 対策方法 |
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「言ったつもり」「聞いてない」 | 情報は“書く or 繰り返す”でカバー(例:伝言ノート+口頭) |
忙しすぎて後回し | 合間に「一言だけでも」報連相を意識 |
相談が遅れて炎上 | 「困ったらすぐ聞ける雰囲気づくり」が超重要 |
店長・オーナー視点で意識すべきこと
報連相が“自然とできる空気”を作る
スタッフに「報連相があって助かった」体験をさせる
まず自分がこまめに報連相して、背中で見せる
なぜ報連相ができないのか:主な理由
「言いづらい雰囲気」がある(心理的安全性の欠如)
- 怒られるのが怖い
- 忙しそうで話しかけにくい
- 上司が否定的で相談しづらい
スタッフの内心:「ちょっとしたことだし、まあいいか…」
「報連相=面倒くさい・余計なこと」と思っている
- そもそも重要性を理解していない
- 「仕事をこなす」ことに意識がいきすぎている
- 若手や新人に「報連相の型」が教えられていない
頭の中:「報告って必要?終わったし言わなくていいでしょ」
忙しすぎて、タイミングを失っている
- ランチやディナーのピーク中は言う余裕がない
- 気づいたら後回しになって忘れる
現場の声:「今じゃない」「あとでいいや…あ、忘れた」
上司が「聞く姿勢」を持っていない
- 上司・店長が自分から報連相をしない
- 報告してもスルー or 反応が悪い
- 相談しても「で?自分で考えてよ」と突き放す
スタッフ:「言っても意味ないかも…」
「言う内容がまとまっていない」=スキル不足
- 報告の仕方がわからない
- 何をどこまで話せばいいのか迷う
- 自信がなくて相談しにくい
心の声:「まとまってないから、やめとこうかな…」
報連相が自然と回るための環境づくり
対策 | 具体例 |
---|---|
話しかけやすい雰囲気 | ピリピリしない・挨拶+笑顔から空気を作る |
型を教える | 例:「結論→理由→行動」などの簡単なフレームで伝える練習 |
タイミングの確保 | 業務後の「5分報告タイム」など小さな習慣を |
上司が受け取る器に | 否定せず、まずは「聞く」姿勢+ポジティブな反応 |
失敗してもOKな文化 | 「ナイス報告」「ありがとう相談」などのフィードバックを忘れずに |
報連相って、技術だけじゃなく「空気」と「関係性」で決まるんですよね。
だから「なぜできないか?」は、その人が悪いんじゃなくて、その人がそうならざるを得なかった“環境の声”を聞くことがスタート。