焼き鳥の歴史は、日本の食文化と深く結びついたもので、時代の流れとともに進化してきました。焼き鳥(やきとり)とは、鶏肉やその内臓(モツ)などを串に刺して、炭火やガス火で焼いた日本の串焼き料理。
味付けは主に「タレ」(醤油ベースの甘辛ダレ)または「塩」で行われ、居酒屋から高級店まで幅広く提供される。
材料
- 主に鶏肉(もも、むね、ささみなど)
- 内臓系(モツ):レバー、ハツ(心臓)、砂肝、ぼんじり(尻尾)など
- その他:皮、軟骨、手羽先、つくね(鶏ひき肉の団子)など
- 野菜系:ねぎ、ししとう、うずら卵、椎茸などを一緒に刺すことも多い(例:ねぎま)
調理法
- 串に刺して焼くのが基本
- 炭火焼きが香り・風味ともに王道だが、ガスやグリルも一般的
- タレ or 塩で味付けし、部位の旨みを引き出すシンプルな料理
焼き鳥の歴史ざっくり年表
【古代〜中世】
狩猟と串焼きの起源
日本では古来から鳥類(野鳥)を狩って食べており、火であぶる調理法も存在していました。ただし、仏教の影響で肉食が忌避される時期も長く、鶏肉は庶民の食卓にはあまり上がっていませんでした。
【江戸時代】
「鳥鍋」「串焼き文化」の登場
この時代、屋台文化や居酒屋の原型が発展し、「鳥鍋」「鳥すき」といった鶏料理が流行。また、「串焼き」自体は魚や豆腐を刺して焼くスタイルがあったので、鶏もその一部に組み込まれるようになりました。
【明治時代】
肉食解禁と焼き鳥の原型
明治政府が西洋化を進める中で、肉食が奨励されました。これにより、鶏肉を含む動物性たんぱくの消費が拡大。
東京の下町などで、鶏のモツを使った**「焼き鳥屋台」**が登場し、現代の焼き鳥の原型ができます。
【戦後~昭和】
大衆文化としての焼き鳥
戦後の復興期、安価でボリュームのある食として人気が定着。モツ(内臓)なども無駄なく使うホルモン文化と合流し、**「焼き鳥=庶民の味」**として定番に。
【現代】
専門店・高級化・多様化
・タレの違い、産地鶏、炭火焼などのこだわり系専門店が増加
・居酒屋メニューの定番から、コース料理の主役に昇格する例も
・海外でも「Yakitori」として人気を博すなど、グローバル化も進む
焼き鳥の面白ポイント
- 「焼き鳥」という言葉自体は明治末期〜大正頃に一般化
- 部位のバリエーション(ねぎま・皮・ハツ・ぼんじり etc)は、日本独自の進化
- 串焼き文化はアジア各国に存在するが、「部位ごとに味を楽しむ」スタイルは日本が特に発達
焼き鳥 高級店 vs 安価店 比較表
項目 | 高級店 | 安価店(大衆居酒屋・屋台など) |
---|---|---|
肉の質 | ブランド地鶏(比内地鶏、名古屋コーチンなど) 朝締め・生肉使用が基本 |
ブロイラー中心(大量仕入れ) 冷凍・加工済みも多い |
部位の扱い | 希少部位あり(ソリレス、ちょうちん等) 部位ごとの仕込みが丁寧 |
主要部位が中心(もも、皮、レバーなど) 串打ち済みを仕入れる場合も |
串打ち | 毎日手作業、部位ごとに刺し方・大きさも調整 | 工場製やパック済みの既製品も多い |
焼き | 炭火(備長炭など)を使い、一本ずつ温度管理・火入れ調整 | ガス火 or 一括で焼くこともあり スピード重視 |
タレ・塩 | 自家製、熟成ダレや天然塩など、素材との相性を計算 | 既製のタレや普通の塩を使うことが多い |
提供スタイル | コース形式(おまかせ)、カウンターで一本ずつ提供 | テーブルにまとめて提供、自分でオーダー |
価格帯 | 1本300円〜800円/コース6,000円〜15,000円超も | 1本100円〜200円程度/気軽な飲みセット |
雰囲気 | 落ち着いた空間、静かに味を楽しむ 大将の焼き姿を見れる店も多い |
にぎやか・大衆的な空間 サク飲み・宴会にも◎ |
高級焼き鳥は、「日本料理」としての焼き鳥。素材、技、空間…すべてにこだわりがあり、「鶏の寿司」と言われることも。
安価な焼き鳥は、「庶民の味方」。コスパよく、気軽に楽しめるコミュニケーションフード!
部位別 × おすすめのお酒
焼き鳥の部位 | 味の特徴 | 合わせたいお酒 |
---|---|---|
ねぎま(もも) | ジューシーで王道 | 生ビール・辛口日本酒 |
レバー | 濃厚でねっとり | 赤ワイン(軽め)・熟成系日本酒 |
皮 | 脂っこくて香ばしい | 酎ハイ・ハイボール(さっぱり系) |
砂肝 | コリコリ&あっさり | ビール・ドライな白ワイン |
つくね(甘タレ) | 甘辛ジューシー | 日本酒(やや甘口)・梅酒 |
ぼんじり | 脂の旨みたっぷり | 焼酎(ロック or 水割り)・ウイスキー |
ささみ(わさび乗せ) | あっさり上品 | 白ワイン・スパークリングワイン |
タレ系の串には、コクのある酒(日本酒、赤ワイン、焼酎など)
塩系の串には、スッキリ系の酒(ビール、白ワイン、ハイボール)
脂が多い串には、口の中をリセットする酒(炭酸系やキレのある酒)
最後に
個人的に最近の焼き鳥はすごく高い感じがする!
多分そんなもんなだろうが、なんかひと串2,300円はなんかすごく贅沢品に感じる。
数本食べてお酒を飲んだらいい金額になる。
これは本当に庶民の料理なのか?