番茶（ばんちゃ）とは、日本のお茶の一種類で、主に収穫時期が遅めの茶葉を使って作られるお茶です。一般的には、春先に摘まれる新芽の「一番茶」や「二番茶」よりも、遅れて摘まれる「三番茶」やそれ以降の茶葉が使われます。このため、番茶は一番茶よりも苦味や渋みが少なく、まろやかで飲みやすい特徴があります。
番茶は比較的安価
日常的に飲まれることが多いお茶です。茶葉の加工方法としては、焙煎や蒸しが施されることが一般的で、特に焙煎番茶（ほうせんばんちゃ）として販売されることもあります。
番茶は
食事の際に飲むお茶として非常にポピュラーで、特に日本の家庭で広く親しまれています。また、香ばしい風味が特徴的で、温かい状態でも冷やして飲んでもおいしく楽しめます。
番茶の特徴にはいくつかあります。
味わい
番茶は、他の緑茶に比べて苦味や渋みが少なく、まろやかで優しい味わいが特徴です。これは、遅摘みの茶葉を使用しているため、成分が穏やかで飲みやすいからです。
焙煎番茶（ほうせんばんちゃ）は香ばしい風味が加わり、さらに食欲をそそる味わいになります。
茶葉の特徴
番茶は、主に「三番茶」以降の茶葉を使います。これらの茶葉は、一番茶や二番茶に比べて葉が大きく、色も濃いです。
茶葉は比較的粗く、少し硬めのものが多いため、香りが控えめで、葉の形状も小さくないのが特徴です。
カフェイン含有量
番茶は、一般的にカフェインが少なめです。一番茶に比べてカフェイン含量が低いため、寝る前にも飲みやすいお茶として人気があります。
飲みやすさ
番茶は、渋みや苦味が少なく、飲みやすいため、日常的に楽しむお茶として広く飲まれています。
さっぱりとしているため、食事と一緒に飲むのに適しています。
製法
番茶は、蒸し茶として作られることが多いですが、焙煎されることもあります。焙煎番茶は、茶葉を高温で軽く焙煎し、香ばしい風味を引き出しています。
価格
他の高級なお茶に比べて、番茶は比較的安価で手に入れることができるため、家庭用として非常に人気があります。
用途
番茶は、日常的に飲まれるほか、冷茶やアイスティーとしてもよく利用されます。特に日本の家庭では、食後の飲み物としてよく親しまれています。
番茶は、健康に良い影響を与えるとされるいくつかの特性を持っています。
カフェインが少ない
番茶は、通常、他の緑茶（煎茶や抹茶など）よりもカフェインが少ないため、カフェインに敏感な人や寝る前にお茶を飲みたい人に適しています。カフェインが少ないため、リラックスしたい時に飲むお茶としても最適です。
抗酸化作用
番茶には、緑茶に含まれる抗酸化物質であるカテキン（特にエピガロカテキンガレート）が含まれています。カテキンは細胞の老化を防ぎ、体内の活性酸素を取り除く作用があり、抗酸化作用が期待できます。これにより、健康的な老化や病気の予防に寄与すると考えられています。
消化を助ける
番茶には、食後に飲むと消化を助けるとされる成分が含まれています。特に、番茶に含まれるカフェインやポリフェノールは、胃の働きを助け、食べ物の消化をスムーズにする効果が期待されています。
血糖値の管理
番茶に含まれるカテキンは、血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。これにより、糖尿病の予防や血糖値の管理に役立つ可能性があります。
リラックス効果
番茶には、カフェインが少ないため、神経を刺激しすぎることなく、リラックス効果があります。また、緑茶に含まれる「テアニン」という成分が、リラックスや集中力を高める効果があるとされています。このため、ストレスを軽減するためにも有効です。
口腔衛生をサポート
番茶に含まれるカテキンやポリフェノールは、抗菌作用を持ち、口内の細菌の抑制に寄与します。これにより、歯茎や歯の健康を守り、口臭の予防にも役立つとされています。
低カロリーでダイエット向き
番茶はカロリーがほとんどなく、無糖で飲むことでダイエット中の水分補給としても適しています。食事の合間に飲むことで、満腹感を得ることができ、食欲の抑制に役立つこともあります。
心臓の健康
緑茶に含まれるカテキンやフラボノイドには、血液循環を改善し、血圧を正常に保つ効果があるとされています。番茶もその一部として、心血管系の健康をサポートする可能性があります。
番茶とほうじ茶
どちらも日本茶の一種ですが、製法や味わいに違いがあります。
製法の違い
番茶
番茶は、主に遅く摘まれた茶葉（通常は三番茶やそれ以降の葉）を使用して作られます。製造方法は、一般的には蒸して乾燥させるだけで、焙煎は行われません。つまり、基本的には未焙煎の茶葉が使用されます。
ほうじ茶
ほうじ茶は、緑茶（番茶や煎茶など）を高温で焙煎することによって作られます。この焙煎によって茶葉が香ばしい香りを持ち、色も茶色っぽく変わります。ほうじ茶の特徴は、この焙煎過程によって、元々の緑茶の青々とした風味が変わり、香ばしくまろやかな味わいになる点です。
味わいの違い
番茶
番茶は、苦味や渋みが少なく、まろやかで軽い味わいが特徴です。香りも控えめで、温かいお茶としても冷茶としても楽しめます。
ほうじ茶
ほうじ茶は焙煎によって香ばしい香りが特徴となり、甘みが感じられるまろやかな味わいになります。焙煎によって渋みが少なくなり、温かいときにも冷やして飲んでも香ばしい香りが楽しめます。
茶葉の違い
番茶
番茶には、三番茶やそれ以降の遅摘みの茶葉が使われます。これらの茶葉は、通常、葉が大きく、柔らかさが少なく、色も濃いのが特徴です。
ほうじ茶
ほうじ茶に使われる茶葉は、一般的に煎茶や番茶が多いです。その後、これらを焙煎して香ばしさを出します。
カフェインの含有量
番茶
番茶は比較的カフェインが少ないため、カフェインに敏感な人でも飲みやすいです。
ほうじ茶
焙煎によってカフェインが少し減少しますが、番茶よりもカフェインが少ない場合もあります。一般的には、ほうじ茶のカフェインは番茶と似たか、少し少ない程度です。
用途
番茶
日常的に飲まれることが多く、食事中に飲むのに適しています。冷茶にしても美味しく飲めます。
ほうじ茶
ほうじ茶は香りが特徴的なため、食後に飲まれることが多いです。特に、油っぽい料理と相性が良く、食後のお口直しとしてよく親しまれています。また、アイスほうじ茶やラテとしても人気です。
香り
番茶
香りは控えめで、葉の種類や収穫時期にもよりますが、全体的に軽やかな香りが特徴です。
ほうじ茶
焙煎された香りが強く、香ばしい香りが広がります。焙煎によって「焙煎香」と呼ばれる特徴的な香りが生まれ、リラックス感を与えます。
まとめ
番茶は、遅摘みの茶葉を使用した、まろやかで飲みやすいお茶です。
ほうじ茶は、緑茶を焙煎して作るため、香ばしい風味とまろやかな味わいが特徴です。
両者とも飲みやすく、食事中や食後にぴったりのお茶として楽しまれていますが、味や香りに関しては異なる楽しみ方ができます。
