普通魚肉ソーセージと特種魚肉ソーセージに大きく分類できます。 普通魚肉ソーセージとは、魚肉を挽肉もしくはすり身にしたもの、 または食肉を挽肉したものを加えて、調味料および香辛料で調味し、 デンプンや植物性タンパクなどの結着材料、食用油脂、酸化防止剤、保存料などを加え、 または加えないで練り合わせたものをケーシングに充填し加熱したものをいいます。
戦後の食料不足の時代に誕生した比較的新しい水産加工品であり、 現在では大手の水産加工品製造メーカーが主に作っています。
原料魚
すけとうだらすり身が主流ですが、近年は赤身魚のDHAやEPAなどの 機能性成分が注目され始めてから、健康志向に人気が高まっているため、マグロ、アジ、 イワシ、サバなどの赤身魚もさらに多く利用されるようになりました。また、最近は、 イトヨリダイ、ホッケ、サケなども利用したさまざまなバリエーション豊かな製品も登場し、 魚種の特性を活かしたソフトな魚肉ソーセージ製品も作られています。 また、それらの肉色も魚種に由来した乳白色、茶色、灰色、ピンク色などさまざまな製品があります。
副原料
さまざまな食材が利用されています。 特に、特種魚肉ソーセージには種ものとしてさまざまな食材が使用されています。 具体的には、鶏肉、マトン、豚肉などの粗挽き肉やその肉片、チーズ、ラード、たまねぎ、にんにく、 トウガラシ、ザーサイ、グリンピース、にんじんなど野菜類などです。 また、そのほかに豚脂肪、魚油(DHA、EPA)、デンプン、砂糖、塩、香辛料 (ジンジャー、ペッパー、ナツメグ、シナモン、コリアンダ、オールスパイスなど)、 魚醤、魚介エキス類、アミノ酸調味料など利用できる原材料は多く、それゆえに、 さまざまな魚肉ソーセージの製品があります。
ウィンナー
オーストリアのウィーン、フランクフルトはドイツのフランクフルト、サラミはギリシアのサラミで誕生しました。
魚肉ソーセージ
生粋の日本生まれ、日本人の発明品です。大正時代、地方の水産試験場で試作されたのが発祥といわれています。
発売当初
魚肉ソーセージは「かまぼこ」でもない、畜肉ソーセージでもない」と言われて、文字通り生みの苦しみを続けました。しかし、欧米化や便利さを求める時代とともに、時代にふさわしいインスタント食品として魚肉ソーセージは発展し、独自の新しい分野の食品として認められるようになりました。昭和40年(1965年)の生産量は約19万トンとピークに達し、日本人一世帯当たり、年間4kg以上の魚肉ソーセージを食べていたことになります。
健康に悪い、添加物は危険という説がある
過剰摂取しなければ、大きな健康被害につながるとは考えにくいです。
添加物や塩分を含んでいる魚肉ソーセージの場合、1日2本以上を毎日食べるなど、食べ過ぎによる健康被害(発ガン性や死亡リスクを上げるなど)が発生する可能性があるため、「健康に悪い」と言われることもあるかもしれません。
魚肉ソーセージに含まれている添加物
では、「添加物が多いから健康に悪い」という説はどうでしょう。魚肉ソーセージには、以下などの添加物が含まれていることが多いです。
リン酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウム
着色料
リン酸ナトリウム
保水性、結着性の向上、食感を良くするなどの働きが期待できる。健康な方が過剰摂取しても、尿と一緒に排泄されます。
長期的に過剰摂取すると、腎臓に大きな負担がかかるため要注意です。
亜硝酸ナトリウム
加工食品の発色を良く見せるために使用されます。
亜硝酸ナトリウム
アミンという物質に反応する性質があります。アミンに反応すると発がん性物質に変化する場合があると考えられています。
さらに、腸内で発がん性物質とタンパク質が結合すると、悪玉菌の作用により、大腸がんを誘発する恐れがあるアミンに変化するケースもあります。
ただし、日本の添加物の基準であれば、そこまで心配する必要はありません。
着色料
色を付ける際に使用されます。よく使われている着色料としては、赤色102号、赤色106号が挙げられます。
ラットの研究で、発ガン性やアレルギー、甲状腺異常、肝臓異常などがあるとの懸念がされています。
ただし、過剰摂取しなければ問題ありません。
添加物自体には
発ガン性やアレルギー発症などの懸念があります。
しかし、日本で製造・販売されている添加物入りの食品の適量摂取であれば危険性はないと言えます。添加物の使用量などは食品衛生法によって厳密に管理されているためです。
そもそも、添加物は悪者になりがちですが、栄養成分の保持・味や香りの向上など、メリットがあるからこそ使用されています。根拠のない情報に惑わされることなく、正確な知識を身に付けましょう。
「魚肉ソーセージは食べてはいけない」はウソ!
「魚肉ソーセージを食べてはいけない」という噂は、間違いだと言えます。食べたからといって必ず健康被害があらわれるものではありません。
このような極端な噂は、「添加物や塩分は健康に悪い」というイメージが出回ったからではないかと考えられます。確かに、過剰摂取は健康被害を起こす要因になりますが、適量の摂取であれば気にする必要はないでしょう。
添加物がどうしても心配な方は、合成色素ではなく、植物系色素(クチナシ、トマトリコピン)を使用しているものを選ぶと良いでしょう。