生で食べられる葉物野菜が少ない冬。
そんな季節にも美味しく食べられるのが「小松菜」です。
小松菜は疲れをはじめ、体の色々な不調に効く栄養満点の野菜。
疲労回復効果と、豊富な栄養素とは?
小松菜には、疲労回復や免疫力を高めるカロテンやビタミンCが含まれています。
さらに、骨や歯の健康に役立つカルシウムも豊富で、その量はほうれん草の3倍、牛乳並みの量が含まれている栄養満点の野菜です。
味もアクやクセが少なく、下処理なしで時短調理できるところも取り入れやすいポイント。
気軽に摂れる小松菜を使って、元気に冬を乗り切りましょう!
小松菜の栄養と調理のポイント
カロテン
カロテンは疲労回復効果のほか、動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防に役立ちます。
油を使った調理をすると、カロテンの吸収率がアップします。
カルシウム
小松菜のカルシウム含有量は、ほうれん草の3倍以上。骨や歯を丈夫にしてくれます。
カリウムや鉄も含まれるので、高血圧予防や貧血予防にも効果的です。カリウムは、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を正常に保つ働きのあるミネラルです。
ナトリウムの摂取が多いとカリウムが働いて体外に排出するため、高血圧やむくみの予防・改善に役立ちます。
心臓の機能や筋肉の収縮に作用するため、尿や汗として大量に排出されるとカリウムが不足して足がつる原因にもなります。
鉄分
鉄分は赤血球内にあるヘモグロビンの成分になり、酸素と結びついて身体中に酸素を運ぶ働きをするミネラルです。
不足すると貧血や頭痛、倦怠感、めまい、集中力の低下、筋力の低下など、さまざまな症状を引き起こします。
野菜に含まれる非ヘム鉄は吸収率が低いので、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取して吸収率を上げましょう。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンを合成したりメラニンの生成を抑制する働きがあるため、シミ・そばかす予防やハリのある美肌づくりに作用します。
免疫力をアップさせたり鉄分の吸収を助けたりする効果もありますが、精神的なストレスで大量に消費し数時間で体外に排出されるため、こまめに摂取する必要があります。
また水溶性のビタミンなので水に溶けやすく加熱によっても失われてしまうため、調理法に工夫が必要です。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、油脂と一緒に摂ると体内への吸収がよくなります。
出血時の血液を凝固させる働きや、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。
βカロテン
野菜は、可食部100g中のβカロテンの含有量で緑黄色野菜か淡色野菜に分けられます。
βカロテンは有害な活性酸素による酸化を抑えるため、3100μgも含まれる小松菜はとても抗酸化作用の強い緑黄色野菜です。
紫外線、喫煙、ストレス、飲酒などから過剰に作られる活性酸素から体を守り、老化や生活習慣病を予防します。
抗酸化作用を高めるにはビタミンCやEなど、抗酸化作用のある複数の栄養素を一緒にとるのが効果的です。
βカロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換され、暗いところで目が見えにくくなる夜盲症の改善、皮膚や髪を美しく保つ、鼻・喉・消化器・呼吸器の粘膜を強くするなどの働きをします。
小松菜の栄養価を逃がさない方法
小松菜に含まれる豊富な栄養を逃さずに調理する方法や、栄養素の吸収率が上がるコツを紹介します。
洗ってから切る
ビタミンB群やC、カリウムは水溶性です。
水に溶けやすく熱に弱いため、長時間水に浸したり加熱しすぎたりすると栄養価が失われてしまいます。
切った断面から溶け出しやすいので、切る前に洗うようにしましょう。
下ゆでしない
青菜類はゆでたり炒めたりすることが多いですが、ゆで時間が長くなるほど水溶性の栄養素の損失量が多くなるのでサラダやスムージーなど生で食べるのがおすすめです。
小松菜はほうれん草のようにアクがなく食べやすいので、ゆでる場合はサッと短時間で済ませて水にさらすのはやめましょう。炒める場合は下ゆでする必要はありません。
煮汁ごと食べられるスープなら、溶け出した栄養をムダなく摂取できます。
◆調理ポイント①
ゆでて使う場合は、根から入れると熱の通りが均一になります。
少量を使う時は1分ほど電子レンジで加熱してもOK。
◆調理ポイント②
1〜2分サッとゆでた後、冷水にさらせば食感もよく、色鮮やかに。
栄養分が流れでない様に短時間で上げ、軽く絞って切りましょう。
◆保存ポイント
少し湿らせた新聞紙に丸ごと包み、冷蔵庫に根を下にして立てた状態で保存しましょう。
ゆでた物を保存する場合は、小分けにしてラップに包み冷凍保存すると、少しずつ使えるので便利です。
食べ合わせを工夫する
相性のよい栄養素と一緒に摂取すると、栄養素の吸収率や働きをよくすることができます。
ビタミンDと一緒に
カルシウムは健康で丈夫な骨を作るのに欠かせないミネラルですが、加齢によって吸収率が下がってしまいます。
カルシウムの吸収率を上げるには、ビタミンDが多く含まれる乳製品・きのこ類・卵・鮭・いわしなどと一緒に食べるのがおすすめです。
油で炒めて
小松菜に含まれるビタミンK、カルシウムと相性のよいビタミンDは脂溶性のため、油と一緒にとると吸収率が高まります。
油で炒めたり和えたりがおすすめですが、水溶性のビタミンは熱に弱いため加熱しすぎに注意が必要です。
すぐに食べないなら冷凍保存
小松菜を買ってきたときのまま冷蔵庫に入れておくと、乾燥して栄養が失われてしまいます。
湿らせたキッチンペーパーで包んでから袋に入れて野菜室で保存し、なるべく早く食べるようにしましょう。
2〜3日おく場合は生のままざく切りにして冷凍すれば、栄養価も落ちにくく約3週間保存可能です