心が疲れた時には、体を癒し、心をリフレッシュする食べ物を取ることがおすすめです。特に、バナナ、チョコレート、ナッツはトリプトファンを含むため、セロトニン(幸福ホルモン)の生成を助けます。
心が疲れた時
食べ物は大きな役割を果たすことができます。栄養学的な側面から見ると、特定の食材はリラックス効果があり、気分を落ち着かせたり、エネルギーを補給したりすることができます。
心を元気にする栄養素
タンパク質
記憶や感情など、脳機能に重要な役割を果たすセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の材料となるアミノ酸。体内で合成できないものも多いため、タンパク質として毎日の食事から補うことが重要。
食物繊維
うつ病をはじめとする心の不調と腸内環境には密接な関係があることが判明。腸内環境を整え、ストレスに対処するためにも、水溶性・不溶性の2種類の食物繊維をバランスよく摂取することが大切。
鉄
心を元気にする脳の神経伝達物質の合成に重要な役割を果たしており、鉄が不足するとうつ病のリスクが高まり、気分が落ち込みがちに。とくに月経がある女性は鉄分不足が起きやすく、食事からの摂取を心がけて。
葉酸
葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、鉄と一緒になってセロトニンやドーパミンなどといった脳の神経伝達物質の合成に関与する栄養素。とくにうつ病との関連性が多く指摘されている。
なぜメンタルヘルスに栄養が大切なのか?
従来、精神科の領域で食事はあまり重要視されていませんでした。
しかし、2000年以降になって、身体の健康管理だけでなく、メンタルヘルスにも食事が大切であるという研究が盛んに行われるようになりました。
現代の食生活で陥りやすい問題は主に2つ
いずれもメンタルヘルスの問題と関係しています。1つはエネルギーの過剰摂取です。特に、スナック菓子やカップ麺などの加工食品は、食べやすく、スーパーやコンビニで簡単に手に入りますが、糖質や脂肪が多く、過剰なエネルギー摂取は肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などの原因になります。これらの病態とうつ病の発症には関連があるという研究結果が得られています。
例えば
肥満があるとうつ病発症のリスクが高まり、うつ病が肥満発症のリスクを高める、と報告されており、うつ病とエネルギー過剰摂取との間には双方向性の関連があることが知られています。
もう1つの問題は
栄養不足です。
加工食品や、白米、白パン、白砂糖など精製された食品は、美味しく食べやすい一方、ビタミンやミネラルなど大切な栄養素が取り除かれているものがあります。そのため、エネルギーは過剰になっているにもかかわらず、ビタミンやミネラルなどの大切な栄養素が十分に摂りにくくなります。
うつ病になると
セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が不足し、感情や気分を調節する機能が低下することで、前向きな気分になりにくくなると考えられています。神経伝達物質の原材料になるほか、神経伝達物質の産生を助ける因子として必要となるのが、食事から摂取する栄養素です。栄養不足の状態では、活力ある生活を送る上で必要なこうした神経伝達物質を十分に作ることができなくなります。
エネルギーの過剰摂取を防ぎつつ、心の健康のために必要な栄養素を十分に摂ることが、精神疾患の予防につながると考えられます。
心が疲れた時の食べ物
心が疲れた時には、体を癒し、心をリフレッシュする食べ物を取ることがおすすめです。
特に、バナナ、チョコレート、ナッツはトリプトファンを含むため、セロトニン(幸福ホルモン)の生成を助けます。また、緑茶や紅茶に含まれるテアニンはリラックス効果があります。
また、鮭やサバなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、抗鬱効果も期待できます。バランスの良い食事を心がけ、心の疲れを食べ物で癒してください。
心が疲れた時、食べ物は大きな役割を果たすことができます。栄養学的な側面から見ると、特定の食材はリラックス効果があり、気分を落ち着かせたり、エネルギーを補給したりすることができます。
バナナ
バナナにはトリプトファンというアミノ酸が含まれています。これはセロトニンという神経伝達物質の原料となり、リラックス効果があります。また、ビタミンB6も豊富で、神経を落ち着かせる効果があります。
チョコレート
ダークチョコレートに含まれるフェノール類は心のリラックスに役立つとされています。ただし、摂取しすぎるとカロリーオーバーになるため、適量を心がけることが大切です。
オメガ-3脂肪酸を含む魚
サーモンやマグロなどの青魚に多く含まれるオメガ-3脂肪酸は、抗酸化作用があり、疲れた心を癒す助けになります。定期的に摂取することで、抗酸化作用を最大限に引き出すことができます。
緑茶
緑茶に含まれるテアニンという成分にはリラックス効果があります。また、カフェインも含まれていますが、テアニンとの組み合わせにより、過度な興奮を抑えつつ、集中力を高める効果が期待できます。
ナッツ類
アーモンドやウォールナッツなどのナッツ類にはビタミンEやオメガ-3脂肪酸が豊富に含まれており、抗酸化作用や心の安定に役立ちます。
ヨーグルト
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うと、セロトニンの生成が活性化され、リラックス効果が得られると言われています。
全粒粉の穀物
全粒粉のパンやシリアルはビタミンB群が豊富で、神経を安定させる効果があります。また、繊維質も豊富に含まれているため、腸内環境の改善にも寄与します。
緑黄色野菜
スピナッチやカボチャなどの緑黄色野菜には、鉄分やビタミンCが豊富に含まれており、疲れを和らげる助けとなります。
心が疲れた時には、これらの食材を積極的に取り入れることで、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。
しかし、食事だけでなく、十分な休息やリラックスする時間を確保することも大切です。
食事を通して心のケアをする一方で、日常生活のバランスをとることで、心の疲れを和らげる手助けとなります。
夜食を避けて朝食を摂ることも大切
心の健康を保つためには、上記で紹介した栄養素を含む食品をバランスよく食べつつ、エネルギーばかり摂り過ぎてしまいがちな加工食品をできるだけ避けるようにしましょう。
伝統的な和食
魚や大豆製品が多く、メンタルヘルスの観点でも好ましいと言えます。主食は量を控えめにし、精製度の低い穀物(白米よりも玄米など)を選ぶことをおすすめします。
ただし、和食は塩分が多いことと、乳製品が摂れないことに注意が必要です。減塩を心がけるとともに、ヨーグルトや牛乳などを補うとよいでしょう。
食事の内容だけではなく
規則正しく食べることも大切です。1日のリズムを整えるためにも、朝食をきちんと摂りましょう。朝食を摂る人のほうがうつ病の既往が少ないという調査結果も得られています。
また、朝起きて空腹を感じられるように、夜遅い時間の食事はできるだけ控えましょう。遅くに食べてしまうと夜更かしや肥満にもつながります。夕飯は早めに済ませて、早めに寝るように心がけたいものです。