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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

食事を楽しむうえで、味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚の五感が使われていますが、中でも味覚は非常に大事な感覚です

味覚は人が感じる五感のひとつであり、食べ物に含まれる化学物質によって認識されます。味覚のメカニズムが解明され始めたのは最近のことであり、まだ分かっていないこともたくさんあります。味覚についての研究が進むことで、健康管理にも役立つことが期待されています。

 

食べ物の味は人で決まる

味の感じ方は人によって違いがあります。
例えば同じチョコレートを食べたとき、甘いと感じる人もいれば苦いと思う人もいるでしょう。このように、味は「食べ物自体に備わっている絶対的な要素」ではなく、それを食べる人の感覚や経験、さらに食べているときの状況によって左右されると考えられています。
味は人間の認知や記憶とも関係が深いため、心理学や脳科学を使って、食べ物をおいしく感じる仕組みを解明する研究が行われています。

 

人の味覚と、その種類

人が感じる味覚は、味蕾(みらい)という味細胞(みさいぼう)が集まった器官で味を感じ取り、神経細胞を介して脳に伝達されて「甘い」「苦い」などと味を判断します。人の味蕾は舌の上だけではなく、口腔内の軟口蓋(上あごの後方)や咽頭部、食道にも広く分布しているため、飲み込むときにも味を感じているといえます。

 

味覚の種類

以前は、基本的な味の種類は甘味・酸味・塩味・苦味の4種類であり、舌の上でそれぞれの味を感じる領域が分かれているといわれていました。しかし現在この考え方は否定されていて、舌の全体でいろいろな味を複合的に感じ取っています。

味覚の種類には基本五味と呼ばれる5つの味があります。

・甘味:主な呈味成分として、ショ糖、果糖、ブドウ糖などがあります。
・塩味:主な呈味成分として、食塩があります。
・酸味:主な呈味成分として、酢酸、クエン酸、乳酸などがあります。
・苦味:主な呈味成分としてカフェインがあります。
・うま味:主な呈味成分としてグルタミン酸(昆布)、イノシン酸(かつお節)、グアニル酸(キノコ類)などがあります。

うま味は4つの基本味では説明ができず、日本では1908年にうま味物質のグルタミン酸ナトリウム塩が発見されて以降うま味も基本味であるという認識がありましたが、欧米でうま味が認められたのはごく最近のことです。現在は生理学的な実験で他の味とは独立した味覚であることが証明されており、英単語として「umami」が使用されています。

 

同じ紅茶なのに違う味?

コーヒーや紅茶、ワインなど、生きるために必須ではない嗜好(しこう)品には、特に個人の好みや認知が反映されやすいと考えられています。
例えば紅茶を使った実験では、事前に与えられる情報や「選択の有無」によって味の感じ方が変わるとわかってきました。
まず実験の参加者に複数の紅茶のラベルを見せ、その中から飲みたいものを一つ選んでもらいます。実はどのラベルを選んでも、提供される紅茶はその中にない別の紅茶1種類だけです。

しかし多くの人は、選んだものとはまったく異なる紅茶が出てきたことに気づきません。
それどころかその紅茶をただ提供されたときよりも、おいしく感じていることがわかりました。このことから、その品物を自主的に選択した、という状況も味の感じ方に影響を与えていると考えられます。

 

味の感じ方を解明した先に

味を感じるメカニズムが解明されれば、消費者が食をよりおいしく楽しむための工夫ができると期待されています。
例えば、「思っていた味と違った」という消費者と商品とのミスマッチを解消するために、味が正しく伝わるようなパッケージや広告を考えることも可能です。
また、減塩や糖分カットなど健康に配慮した食べ物は、通常の商品よりも味が劣ると思われがちです。
味の感じ方が状況や情報などに左右されることを利用して宣伝などを行えば、これらの食べ物もおいしく感じてもらえることで普及が進み、消費者の健康維持にも貢献できるでしょう。

 

大人と子どもの味覚の違い 

人の舌には「味蕾」という味覚センサーがついています。生後3か月あたりのピーク時まで味蕾は増えつづけますが、5か月くらいになると数はそのままで味を感じとる機能はにぶくなっていきます。
味蕾は刺激や喫煙などで摩耗し、生まれたばかりの赤ちゃんが1万個もの味蕾をもつ一方で、成人すると約7千個ほどまで減っていきます。
つまり、大人よりも子どもの方が味覚を感知していると言えます。

 

子どもにとっての「味」 

①味蕾とは? 

味蕾は、五感のひとつ「味覚」を受容します。味蕾に食べ物がふれると神経から味覚情報が脳に伝わり、においや見た目などの情報と組み合わせて味として認識されます。 

②味蕾で感じる5つの味覚 

味覚は、「甘味」「苦味」「塩味」「酸味」「うま味」の5つの種類で構成されていて、食べ物のおいしさを決める要素としての役割を持ちます。 
味覚には、その食べ物が有益なものか、有害なものかを知らせる役割があります。
甘味・塩味・旨味は、生きるために必要な栄養素であると知らせるため、自然にその食べ物を好むようになります。
しかし、苦味や酸味は、からだによくないものを知らせます。つまり、子どもがお菓子やファストフードを好み、野菜や酢の物を嫌うのは、遺伝的に組み込まれた要素なのです。 

③味覚の変化 

多くの毒物には苦みがあり、人間は本能的に苦みを嫌います。しかし、たくさんの食事経験を積み重ねることで、徐々に味に慣れてきて「味」の一種として楽しめるようになるのです。 

④子どもに辛さは危険! 

辛さとは「甘味」「苦味」「塩味」「酸味」「うま味」の五味に含まれない、単なる「痛み」なのです。
また、子供の胃や腸は未熟なため、辛い物を食べた時に体調が悪くなり好き嫌いをするようになることや、本人が欲しがって与えたのに後々体調を崩すことなどがあります。 

 

その他の味覚

基本五味以外に、化学的刺激や物理的刺激によって得られる味覚もあります。これらは基本味と合わせて総合的に、より複雑な味覚を形成します。しかし現在でも、全ての味覚について、神経に伝達されるまでのメカニズムが解明されているわけではありません。

・辛味:唐辛子に含まれるカプサイシン、黒コショウなどに含まれるピペリンなどは高温を痛みとして感じる受容体(TRPV1)を刺激することで、灼熱感を伴う辛味として感じられます。またワサビなどに含まれるアリルイソチオシアネートは冷刺激の受容体(TRPA1)を刺激することで、ツンとした辛味を感じます。この受容体(TRPV1、TRPA1)は、口腔内だけではなく、体、特に粘膜に存在するため、カプサイシンなどを体に塗りつけてもほぼ同じ感覚が発生します。そのためこれらは味蕾で感じる味とは感じ方が異なるため「痛覚刺激」であると説明されることがあります。

・渋味:お茶に含まれるタンニンや渋柿のシブオールなどが舌に吸着するような感覚で、口腔内が収れん作用をおこすことで渋味を感じます。

 

風味

味覚は単独の刺激だけではなく、嗅覚や視覚、それまでの食経験などによっても影響を受けるといわれます。例えば目隠しをして食べたり、鼻腔を塞いで匂いがわからないようにして食べたりすると、同じものでも異なる味を感じたり、実際に食べた食品とは違うものに感じることがあります。

また成分は同一の食品であっても、個人の特別な食経験によって異なる味に認識されることもあります。このような知覚心理学的な意味を含む味覚を「風味」と呼ぶことがあります。

 

第6の味覚

大学の研究で脂肪の味を感じる受容体があることがわかり、「脂肪味」が第6番目の味覚となる可能性が出てきました。この脂肪味の感じ方には個人差が大きく、脂肪味を感じにくい人は脂肪を摂り過ぎる危険があり、肥満やその他の病気につながるリスクが大きいと指摘されています。

脂肪味は油脂を継続して摂ることで鈍化すると考えられています。しかし味蕾は10日前後で入れ替わることから、10日間脂肪の少ない食事を心がけることで、脂肪味の感じ方が改善する可能性があります。

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