人によって好みが分かれる「辛い食べ物」。
辛味は人の脳内で「痛み」と認識しているともいわれますが、実際のところはどうなのでしょうか。「辛い食べ物」の好みは、人それぞれ異なるもの。「大好物」という人もいれば、「苦手」「全く食べられない」人もいると思います。食べ物の辛味については、人の脳内で「辛さ=痛み」と認識しているともいわれますが、「辛いものが得意な人と苦手な人はどう違うの?」「辛い物好きな人の脳内はどうなってるの…」「ワサビのツーンとした辛さも痛み?」といった疑問の声も聞かれます。
- 辛い物が「得意」な人と「苦手」な人の違いは?
- 人はなぜ辛いものを「おいしい」と感じる?
- 辛いものに対する耐性は生まれつき?
- 辛味という味覚は存在しない
- 唐辛子、ワサビ、花椒では、辛さを感じるメカニズムが異なる?
- 辛味という痛覚
- 辛いのが苦手な人のためのとうがらし克服法
辛い物が「得意」な人と「苦手」な人の違いは?
エンドルフィンとドーパミンの出やすさには個人差があるといわれており、正確なところはまだ分かっていませんが、辛い物が得意な人はエンドルフィンやドーパミンが出やすく、苦手な人は放出されにくい、と言えるのではないでしょうか。
人はなぜ辛いものを「おいしい」と感じる?
辛いものを食べると、その痛みを軽減するために脳内快感物質が分泌されます。
この「辛味を感じると結果的に気持ちよくなる」という反応が繰り返されていくうちに、「おいしい」と感じるようになっていくのです。
ちなみに甘味や油脂を含むものを食べた際にも同じ反応が起こります。
辛いものに対する耐性は生まれつき?
先天的要素も後天的要素もあります。
例えば、苦味はさまざまな生き物にとっての毒のシグナルです。人間の赤ちゃんも、苦いものは食べようとしないことが多いですよね。
ですが、例えばビールが苦手だった方が、次第に飲めるようになっていくこともあります。
これは、ビールを飲んで楽しい場を経験したという積み重ねによるもの。
つまり、楽しい思い出が、本来苦手なものを好きにさせたということです。
辛いものにも同じことがいえます。
楽しい思い出が、辛いものへの耐性を作り上げていき、しかも、先ほどの「辛いものをおいしいと感じる仕組み」でお話ししたように、辛いものは脳内快感物質の分泌を促すため、もっともっと欲しくなっていく…つまり、幸福感を生むわけですね。
これが、いわゆる「やみつき」というやつです。マラソンなどの運動で気分が高揚する,いわゆる「ランナーズハイ」も同じような状態といえますね。
辛味という味覚は存在しない
人間には味覚が5つ存在すると言われています。
「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つです。
そうです。辛味は入っていません。
ちなみに実は、味覚って一つ一つに存在する意味があります。
①「甘味」
みなさん御存知、幸せを感じさせてくれる甘味です。
生きるためのエネルギー源となる炭水化物を示す味のため、本能的に好まれると考えられていて、赤ちゃんでさえ微笑む味です。
②「塩味」
お酒飲みには欠かせない塩味。
これも生きるために必要なミネラルを示す味のため、本能的に好まれると考えられています。栄養補給を助け、食欲増進を高めます。
③「酸味」
梅干しやレモンを想像させる酸味。
本来、腐ったものや未熟なものを示す味と認識されますが、食経験によって食欲増進をする好ましい味と考えられています。
ちなみに、すっぱい顔になるのは、唾液腺を刺激している顔です。
④「苦味」
お酒やコーヒーなど大人の味のイメージである苦味。
本来、毒を示す味ですので、甘味や塩味と比較して1000倍以上感じやすいと言われています。大人になると体が強くなり、毒にも強くなるので、苦いものを好んで摂取するようになっていきます。
⑤「うま味」
日本人が発見したうま味。
体をつくるために必要なタンパク質(アミノ酸)を示す味として本能的に好まれると考えられています。
うま味は長続きする味のため、減塩したい人はうま味を増やすとよいと言われています。
この意味を考えると、美味しいものは体に必要なもので構成されているということになるかもしれません。摂取し過ぎなければ、の話ですが。
唐辛子、ワサビ、花椒では、辛さを感じるメカニズムが異なる?
これらは全て辛味を生む成分と反応するセンサーが違います。
唐辛子は舌に留まって焼けるような辛味、ワサビは揮発性で口だけでなく鼻にも抜けていく辛味、花椒は唐辛子ほど辛くなく、リモネン、シトロネラールといわれる香りの成分を含み、特有のすがすがしさを感じます。
辛味という痛覚
では、辛味とは何なのでしょう?
辛味は、痛みなどと同じような刺激として、痛覚や温度覚で感じ取る味なので、基本的に味とは別のものとされています。
辛いものを食べて「口から火が出そう」などと表現しますが、辛味を熱さや痛さで感じているためです。
痛覚とは本来、刺激から逃れ危険から身を守るための感覚ですので、激辛料理が得意で自慢している人は、「単に痛みに鈍感になっている」だけですので、自慢どころか危険なことが分かりますね。
ただし、辛味が不要というわけではありません。
辛味には、発汗作用や食欲増進効果をはじめ、衛生面の効果など様々あるといわれています。辛いものを食べて体温が上昇し、汗をかいた経験は誰にでもあると思いますが、これは辛味成分による刺激が、体内の活動を高めているのです。
また、辛味成分は、口や胃などの消化器の粘膜を刺激するので、中枢神経の働きを高め、唾液や胃液の分泌が増え、食欲がわいてきます。
腸の運動も促進され、栄養が吸収されやすくなります。
トウガラシの辛味成分であるカプサイシンには、体脂肪を燃焼する働きがあり、ダイエット効果もあります。
ワサビは、消臭や食中毒の病原菌に対する抗菌作用がありますが、他にも、抗がん作用や抗酸化作用、抗ピロリ菌作用なども報告されているそうです。
辛いのが苦手な人のためのとうがらし克服法
とうがらしを食べると口の中がピリピリヒリヒリします。
この感覚は「辛み」ではなく「痛み」。だから、「とうがらしが体にいいのはわかったけど、辛いのは苦手で…」という人がいてもおかしくありません。でも、工夫すればこの感覚を少しはやわらげることができます。
冷たくして食べる
緑茶を飲みながら食べる
お茶の中でも、煎茶にカテキンは多く含まれています。
ウーロン茶や紅茶にも含まれてはいますが、辛味対策には、日本茶のほうがいいでしょう。
ただし、麦茶にはカテキンは含まれていません。
牛乳を飲みながら食べる
ヨーグルトや牛乳などのタンパク質が、舌の細胞をカバーしたような状態になり、辛味が和らぎます。
例えばタイ料理には、ココナッツミルクが使われているため、とうがらしが大量に入っていてもなんとなくマイルドな感じがします。
インドカレーにもヨーグルトがたっぷり入っているものがあります。
もっと効率よくカプサイシンだけ摂りたい
上に挙げた方法でも「やっぱりダメ」という人、もっと効率よくカプサイシンだけ摂りたいという人は、カプサイシンを含んだ「とうがらし健康食品」を試してみるのもひとつの手です。
これは、ドリンクまたは錠剤であることが多いようですが、最近では種類も豊富になりました。
カプサイシンだけでなく、ほかのスパイスなどの有効成分を含んでいるものも多いようです。ただし、このような健康食品が、ダイエットなどにすぐ効くということはありません。
試すにしても、長期間続けてみないと意味がないので、経済的なことも考え無理のないものを選ぶようにしましょう。
コメントありがとうございます。以下参考になると幸いです。
辛いもののメリット
1、血行促進により新陳代謝アップ
辛いものは体内で熱を生成し、発汗作用を高め、新陳代謝をアップする効果が期待できます
2、冷え性改善
体が温かくなるため、血行促進、血流改善に繋がり冷え性改善にもなります。
3、脂肪を分解
代謝がアップするということは、脂肪を分解しやすくなります。
4、疲労回復
唐辛子など辛いものに含まれているカプサイシンの効能で代謝を高め、疲労回復にも繋がります。
このような効果を期待できるため、辛いものにはダイエットや健康に良いです。
辛いものを食べるデメリット
1、下痢になる
カプサイシンを摂取し過ぎると、胃腸の粘膜を痛めてしまいます!
そのため胃を痛めることになり、下痢に繋がります。
2、息切れが起きる
辛いものを食べると脳が大量のアドレナリンを分泌。
心拍数や血圧が上昇し、心臓に負担がかかってしまいます。その結果、酸素が足りなくなることにより、息切れを起こしやすくなります!
3、胃炎や胃潰瘍になるリスク
激辛料理を食べ続けると胃炎や胃潰瘍になることも。
胃炎や胃潰瘍になると様々な症状に悩まされることになってしまいます。
激辛料理を提供するお店は、食べ過ぎるとそういった危険性があることを注意喚起するようにしてくださいね。