豚肉は肉の中でもビタミンB1が最も多いのが特徴です。ビタミンB1は糖質の代謝を促し、エネルギーに変えて体内の疲労物質がたまるのを防ぎます。部位によって脂身の量が違いますので肥満や生活習慣病が気になる人は、赤身肉を使うようにしましょう。
酢豚のカロリー
酢豚のカロリーは、1人分あたり568kcalです。
酢豚は大抵、単品ではなく定食などご飯がセットになっていたり、おつまみとしてほかの料理やアルコールと一緒に食べることが多いですよね。
その分カロリーも増えるので、食べ過ぎには注意しましょう。
酢豚の糖質量
酢豚の場合、1人分あたり24.8g。酢豚のカロリーはたんぱく質や脂質が主なので、糖質だけ抜き取ってみるとそんなに高い数値ではないんです。
酢豚が高カロリーである原因
酢豚には色とりどりの野菜が使われていますが、材料を揚げるなどして油をたっぷり使用しているためカロリーは高め。
具材を揚げてから炒めるという調理方法や、酢豚にとって欠かせない餡(あん)によって「脂質」の割合が高くなってしまうんですね。
また、中華料理屋さんによっては具材を二度揚げすることも多いので、その分さらにカロリーが高くなることもあります。
女性の味方!酢豚に含まれる栄養と効果
クエン酸・ビタミンB1:疲労回復効果
お酢にはクエン酸、豚肉にはビタミンB1が含まれており、これらには疲労回復効果が見込めます。 クエン酸には、疲労物質である乳酸の除去を促す作用が認められています。
また、ビタミンB1においても乳酸をエネルギーに変換する際のサポートをおこなう働きがあるため、酢豚はすみやかな疲労回復に効果的です。
ビタミンB6:代謝アップ
ビタミンB6はたんぱく質・糖質・脂質の代謝に関わっており、なかでもたんぱく質の合成に深く関与しています。
代謝を上げることにより、エネルギー生産や身体作りがスムーズにおこなわれます。
ビタミンC:美肌効果
わたしたちの肌はコラーゲンという成分が土台になってハリを保っているのですが、ビタミンCはそんなコラーゲンを合成するのに欠かせない成分。 またビタミンCにはシミやくすみの原因となるメラニン色素の生成を抑える働きもあるので、美肌作りに効果的なんですよ。
酢豚に入るパイナップルの作用
そのまま食べるパイナップルは好きだけど、酢豚に入ってるパイナップルは温かくて、食感が苦手……という方も多いのではないでしょうか。しかし、パイナップルは無意味に入っているのではなく、ちゃんとした意味があるんです!
お肉をやわらかくする
パイナップルに含まれる「ブロメリン」は、たんぱく質分解酵素のひとつ。これにより、お肉をやわらかく仕上げる効果があります。
ただし、ブロメリンは60度以上で加熱により効力がなくなってしまうので、生の状態で使うのが重要です。
消化を助ける
先ほど、お酢にはクエン酸という成分が含まれているとお話ししましたが、実はパイナップルにも含まれています。パイナップルを酸っぱいと感じるのはこの成分を持っているため。クエン酸には、胃液の分泌を促すことにより消化を助ける働きがあります。
ダイエット中でも酢豚を食べてもいい?
一見、カロリーが高めでダイエットに不向きだと思われる酢豚ですが、調理法を工夫すれば大丈夫。むしろ、消化や代謝を助けてくれる栄養素を摂取できるので、上手に食べればダイエットのサポートにもつながります。
酢豚をカロリーオフするコツ
酢豚がダイエットに不向きの原因のひとつは、やはり脂質が多めだということ。 豚肉はなるべくももやヒレ、肩肉など赤身の多い豚肉を使用することがポイントです。
また、食感をよくするための油通しは油を多く摂取する原因となるので、ダイエット中は我慢しましょう。餡を作る際にも、油の量は意識して少なめにするのが大切。
コンビニやスーパーで販売されている市販の酢豚は通常の作り方なので、脂質が高いです。ダイエット中に酢豚を食べたいと思ったら、手作りが鉄則ですよ。
野菜でかさ増しする
食事の量を確保しながらカロリーを抑えるため、野菜を多く入れ、かさを増やすのがおすすめです。にんじん、玉ねぎ、ピーマンやパプリカ、たけのこなど、食べごたえのある野菜をたっぷり加えてみましょう。
野菜は大きめに切って、よく噛んで食べるようにすると、よりダイエットに役立ちます。よく噛むことで満腹感が増すだけでなく、食後のエネルギー消費も高められます。
たくさん食べたいからといって肉を増やすと、カロリーが高くなってしまいます。とはいえ、肉に含まれるたんぱく質は筋肉量を維持するのに大切であるため、ダイエット中にもしっかりとりたい栄養素です。肉は1人分に手のひら1枚分、約80~100g程度を目安にし、それ以上の使用は控えると良いでしょう。
赤身肉で作る
酢豚にはロースや肩ロース、バラなどの部位がよく使われます。特にバラ肉は脂質が多く、カロリーも高いのが特徴です。
ダイエットに適した酢豚にするには、脂質の少ないモモなどの赤身肉を使うのがおすすめです。他の部位を使う場合は、脂身を除くとカロリーが抑えられます。
また、肉類の中では鶏肉が最も低カロリーです。豚肉の代わりに鶏肉を使い「酢鶏」にするのも一手です。
餡を食べ過ぎないようにする
餡は味つけのために砂糖やみりん、とろみをつけるために片栗粉が含まれています。これらはどれも糖質を含むため、餡には意外にカロリーがあります。餡を食べ過ぎないようにすることで、カロリーの摂取を控えられます。
調理中の油を控える
酢豚は本来、材料をすべて素揚げしてから炒め合わせて作ります。すべての具材に油が染み込むため、カロリーが高くなりやすい料理です。
揚げる工程を省くと、材料につく油の量が減り、カロリーを抑えられます。肉はフライパンで、カリッと焼き目がつくまで焼くのがおすすめです。野菜はそのまま炒めてもかまいませんが、レンジで加熱してからさっと炒めると炒め時間が短くて済みます。
酢豚の栄養素と4つの健康効果
酢豚には肉や野菜など多くの食材が使われ、含まれる栄養素もさまざまです。ここでは酢豚の材料に含まれる代表的な栄養素と、健康面で期待できる効果について紹介します。
1.豚肉による疲労回復効果
疲労から回復するには、体内に十分なエネルギーが必要です。豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれ、糖質の代謝を助け、エネルギーに変換するのに役立ちます。
さらに、玉ねぎから摂取できる「アリシン」という成分は、豚肉に含まれるビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。酢豚で豚肉と玉ねぎを一緒にとることは、糖質を効率よくエネルギーに変えるのに役立つといえるでしょう。
2.野菜のビタミンCによる美肌効果
ピーマンやパプリカは、野菜の中でも特にビタミンCを豊富に含みます。ビタミンCは、肌の土台となるコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です。また抗酸化作用があり、活性酸素による肌の老化を防いでいます。
さらに、メラニン色素の生成を抑える働きも知られており、日焼けやシミを予防するのに役立つとされています。
3.玉ねぎによる代謝促進効果
玉ねぎに含まれるビタミンB6は、たんぱく質の代謝を助ける働きがあります。体内のたんぱく質は分解と合成を繰り返し、常に新しい組織に入れ替わっています。ビタミンB6は、たんぱく質の分解と合成の両方の過程に関わる栄養素です。
また、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸は、体内でエネルギー源としても使われます。先ほど解説したアリシンと合わせて、摂取したたんぱく質や糖質からエネルギーを作り出すのを助けています。
4.パイナップルによる消化促進効果
パイナップルに含まれるクエン酸には、胃酸の分泌を助け、食べ物の消化を促す働きがあります。また、パイナップルには「ブロメライン」という消化酵素も含まれています。たんぱく質に働きかけ、お肉を軟らかく分解し、消化しやすくする働きがあります。
ブロメラインは、加熱すると消化酵素としての働きを失います。酵素の働きを期待する場合は、調理の最後に生で入れるとよいでしょう。