そうめんは、調理の手間がかからず、食欲のない暑い時期でもするりと食べられます。
夏場は口にすることも多く、カロリーの高さも気になるところです。
- そうめんが胃にやさしい理由
- 具沢山そうめんで夏バテ予防
- そうめんとひやむぎの違い
- 栄養に差はない
- そうめんのカロリーと糖質量
- カロリーや糖質量を他の主食と比較
- そうめんに含まれる栄養素は?
- 「そうめんを食べると太る」は本当?
- そうめんのダイエット中にもおすすめの食べ方
そうめんが胃にやさしい理由
夏バテになると、胃が弱って食欲が落ちてしまうことがあります。そんな時が、そうめんの出番。他の麺類に比べて脂質と食物繊維が少ないため消化がよく、弱った胃にやさしいのです。
具沢山そうめんで夏バテ予防
単体で食べることの多いそうめんですが、夏バテ予防で大切なのは「栄養バランスのよい食事」です。
とりわけ夏バテ予防に必要な栄養素は、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1 、脂質をエネルギーに変えるビタミンB2、食欲が落ちると不足気味になるたんぱく質です。
そうめんとひやむぎの違い
・麺の太さによる違い
そうめんとひやむぎの違いはズバリ麺の太さにあります。
そうめん:直径1.3mm未満
ひやむぎ:直径1.3mm以上1.7mm未満
ただし、手延べで作られている場合は1.7mm未満であればそうめん、ひやむぎどちらでも良いと定められています。手延べとは、手作業で作られていることをいいます。機械で製造しているものと比べると、太さに違いが生じるためこのような設定になっているのです。
栄養に差はない
そうめんもひやむぎも、原材料は一般的に小麦粉、水、塩で作られています。
ちなみにうどんも同じ原材料なんですよ。ただし、手延べで作られているものは作る工程で食用油を使用しています。
つまり、栄養面でいえばそうめんもひやむぎもほとんど差はないといっていいでしょう。
そうめんのカロリーと糖質量
そうめんは食べやすく、子どもからお年寄りまで美味しく食べられる夏の定番料理です。
しかし、食べる回数が多いと、その分カロリーや糖質量が気になります。
そうめん1束(50g)や1人前(100g)のカロリーと糖質量
そうめん1人前のカロリーは、300kcal強です。
そうめんの乾麺を1束50g、そうめん1人前を乾麺2束(100g)としたときの、ゆでた後のそうめんのカロリーと糖質量を下表にまとめます。
そうめんの分量 | カロリー (kcal) |
糖質 (g) |
---|---|---|
乾麺1束・50g | 154 | 33.6 |
乾麺2束・100g (1人前) |
308 | 67.2 |
そうめんの乾麺をゆでると、重さは約2.7倍になります。
表中の値は、ゆでたそうめん135gと270gあたりのカロリーと糖質量を算出して記載しています。
ただし、製品によっては1束の重さが50gではないものもあるので注意しましょう。
また、ゆでた後のそうめん100gあたりではカロリーは114kcal、糖質は24.9gです。
カロリーや糖質量を他の主食と比較
そうめん以外の主食について、100gあたりのカロリーと糖質量は以下のとおりです。
主食 | カロリー (kcal) |
糖質 (g) |
---|---|---|
ご飯 | 156 | 35.6 |
食パン | 248 | 42.2 |
うどん | 95 | 20.3 |
そば | 130 | 23.1 |
そうめん | 114 | 24.9 |
そうめんの100gあたりのカロリーや糖質量は、そばやうどんと比べて大きな差はありません。一方、ご飯や食パンと比べると、カロリーは低く糖質も少なめです。
ただし、麺類はご飯やパンと比べると1食分の量が多くなりやすく、食べる分量には注意が必要です。
例えば、そうめん1人前(308kcal)は、ご飯1杯(150g・234kcal)よりも高いカロリーがあります。
そうめんに含まれる栄養素は?
ゆでたそうめん一人前(270g)あたりの主な栄養価を下表に示します。
栄養素 | そうめん1人前の含有量 |
---|---|
糖質 | 67.2g |
食物繊維 | 2.4g |
タンパク質 | 9.5g |
脂質 | 1.1g |
パントテン酸 | 0.68mg |
セレン | 16.2μg |
モリブデン | 8.1μg |
三大栄養素のなかでは、そうめんには糖質が多く含まれています。
また、いくつかのビタミンやミネラルも多く含まれ、なかでもセレンとモリブデンが豊富です。
セレンは抗酸化作用に関わる酵素の構成成分で、体内の酸化を防いでくれる栄養素です。
酸化を防ぐことで老化や病気から守ってくれる効果が期待できます。
モリブデンは糖質や脂質の代謝や、血液をつくる作用に関わる栄養素です。
「そうめんを食べると太る」は本当?
のどごしの良いそうめんは早食いになりやすく、ついつい食べすぎてしまうこともあります。調理も簡単なため、夏はそうめんばかり食べており、太らないか心配な人もいるでしょう。
糖質がやや多く食べ過ぎには注意
そうめんは他の麺類と比べて糖質がやや多い食品です。
糖質を摂り過ぎると体重増加のリスクが高まり、高血糖などを引き起こす可能性もあります。食べる量が増えすぎないようにするには、1人前の量を守りましょう。
そうめんを食べる際につけることの多いめんつゆも、1人前の糖質が約6gと、ほかのだし類より糖質が多い調味料です。
栄養バランスを考えて食べるのがおすすめ
そうめんは小麦粉・水・塩・油が原料であり、前述のとおり栄養素の大半は糖質です。そうめんだけを食べ続けると栄養バランスが偏ります。
また、そうめんは高GI食品に該当します。
高GI食品とは、食後の血糖値の急激な上昇とその後の急激な下降をもたらす食品のことです。糖尿病やインスリン抵抗性がある人はとくに注意が必要です。
食物繊維やビタミンなどが多く含まれる食材を組み合わせるなど、栄養バランスを整えて美味しく食べられるようにしましょう。
そうめんのダイエット中にもおすすめの食べ方
そうめんは、食べ方を工夫することでダイエット中の食事としても楽しめます。
そうめんに飽きてしまったときの「味変」にもおすすめです。
薬味をトッピングして栄養素を補う
薬味をトッピングすることで、そうめんだけでは足りない栄養素を補い、美味しく食べられます。
そうめんにおすすめの組み合わせとして、以下のようなものがあります。
- ねぎ
- 生姜
- ミョウガ
- ごま
- 蒸し鶏
とくに、定番の薬味であるミョウガは、体内のナトリウムの排出をうながし、血圧を下げる作用があるカリウムを多く含んでいます。
また、利尿作用により、セルライトの原因になるむくみを解消してくれるため、ダイエット中にもおすすめです。
ねぎやごまには、便通を促し、腸内環境を改善してくれる食物繊維が豊富に含まれています。血糖値の急上昇をおさえる働きもあるため、高GI食品であるそうめんと一緒に食べるのにぴったりです。
にゅうめんにしてあたたかい状態で食べる
冷たいそうめんを食べすぎると、体が冷えて代謝が下がってしまいます。
代謝が下がると脂肪が燃焼されにくくなるため、冷たいそうめんではなく、にゅうめんにして食べるのがおすすめです。
にゅうめんは、そうめんをあたたかく煮て食べる奈良県の郷土料理です。
にゅうめんにすることで、体をあたためるだけでなく、早食いを防げます。
胃腸の働きを促し、便秘解消やデトックスに効果的な梅干しをトッピングして食べるのもよいでしょう。
あたたかい味噌汁にそうめんを入れて食べる方法も、代謝の向上が期待できます。
卵を加えてアレンジを楽しむ
完全栄養食品といわれている卵を加えると、良質なタンパク質や必須脂肪酸、ビタミンなどを補えます。
とくに、そうめん中のタンパク質はあまり多くなく、良質なタンパク質でもありません。
ダイエット中にタンパク質が不足すると筋肉量も減少し、代謝が落ちてしまいます。
卵を加えると、タンパク質の量と質ともに優れたメニューになるため、ダイエット中にもぴったりです。
錦糸卵や温泉卵をトッピングすれば、そうめんのボリュームが増し、満腹感も高まります。
卵のほかには、高タンパク質で低糖質な食材として、鶏のささみをトッピングするのもおすすめです。
ツナや野菜でサラダそうめんを作る
トマトやきゅうりなどの野菜とツナを加えて、サラダそうめんにしても美味しく食べられます。
ツナには、血中の中性脂肪を減らすとされるEPAが含まれています。EPAは青魚の脂に多く含まれる必須脂肪酸です。
納豆にも必須脂肪酸であるα-リノレン酸が含まれているため、あわせてぶっかけそうめんにするのもおすすめです。
また、トマトやレタスといった野菜を加えると、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を補いつつ、見た目も鮮やかでヘルシーな食事を楽しめます。
とくにトマトは、抗酸化作用のあるリコペン(リコピン)が含まれており、血管の老化予防や血流の改善に役立ちます。