ゴーヤは栄養豊富な野菜で沖縄に長寿の人が多い理由の仮説に、伝統食であるゴーヤをよく食べるといわれることも。夏を元気に乗り切りたいのなら、食事にゴーヤーを積極的に取り入れるのがおすすめです。
ゴーヤーってどんな野菜?
ゴーヤーはニガウリ、ツルレイシとも呼ばれる野菜です。もともとは沖縄で栽培されていましたが、2000年頃から本州でも育てられるようになりました。
ツルをどんどん伸ばして成長することから、近年ではゴーヤーを窓辺のグリーンカーテンとして栽培する人も増えています。
ゴーヤーには独特の苦味がありますが、この苦味は栄養が豊富であるなによりの証といえるでしょう。
ゴーヤの栄養と効能
ゴーヤは水分が大半を占めますが、ビタミンやミネラルも豊富です。
疲労によいビタミンC
ゴーヤはビタミンCが豊富で、疲労回復や血管を丈夫に保つ働きが期待できます。なおゴーヤを150g(約2/3本)食べると、成人男性の1日に必要なビタミンCを摂れます。
さらにビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、ゴーヤは果皮が硬いため加熱によるビタミンCの損失が少ない点も嬉しいですね。
疲労回復効果が期待できるゴーヤは、暑い夏を乗り切るために嬉しい食材といえます。
高血圧予防に役立つカリウム
ゴーヤはカリウムも豊富です。
カリウムには心臓や筋肉機能を調整したり、食事で摂りすぎた塩分を尿中に排泄する働きがあるため、高血圧の予防にも役立ちます。
貧血には葉酸
ゴーヤには、赤血球の生産を助ける葉酸が多く含まれているので、貧血予防に効果が期待できます。
さらに葉酸は体の発育にも重要なビタミンのため、妊娠を計画している女性や妊娠初期にはとくに重要な栄養素とされています。
ゴーヤの苦み成分は何?
ゴーヤの苦み成分は、「モモルデシン」という成分によるもので、とくに種とワタの部分に多いです。
モモルデシンには抗酸化作用があり、他にも血糖値を下げる効果や食欲増進が期待できます。また漢方では、利尿や解毒にも効果があるとされています。
なおゴーヤの苦みが気になる場合は、次の方法をお試しください。
①薄くスライスして塩もみをする
②サッとゆでる
③ゴーヤチャンプルのように油で炒めて、卵やかつお節と合わせる
このようにすれば、苦味の苦手な方でも食べやすくなりますよ。
白いゴーヤはどうか
最近見かけるようになった白いゴーヤは、緑のゴーヤに比べて苦みも少なく柔らかくてジューシーな点が特徴です。
そんな白いゴーヤは、生で薄切りにしてサラダにして食べるのがオススメ。薄くスライスして塩水につけると、苦みもほとんど感じません。
白いゴーヤを見かけたらぜひ一度試してみてくださいね。
ゴーヤの栄養素をムダなく摂るには?
ゴーヤに含まれる栄養素の多くは水溶性であり、熱に弱いものが多いため、次のコツを押さえると栄養素をムダなく摂ることができます。
- 水に長時間さらさない
- 加熱はサッとする
ゴーヤの苦みを取るために水にさらしたり、サッと茹でたりすることがありますが、できればそのような下処理をしない方が栄養素の流出を防げます。
また長時間加熱するとビタミンCなどの栄養素が壊れてしまいやすいため、ゴーヤの食感がシャキシャキと残るくらい、サッと火を通すといいでしょう。
また夏バテ対策として
豚肉と組み合わせて食べるのがおすすめです。夏は食欲が落ちやすく、さまざまな栄養素が不足がちになり、とくにビタミンB1が不足すると倦怠感の原因となることがあります。
そのため、ビタミンB1の補給にぴったりの豚肉と、苦みによって食欲増進が期待できるゴーヤの組み合わせが夏バテ対策によい、というわけです。
さらに食欲が増すように、甘辛い味付けにしたり、にんにくやしょうがなどの香味野菜を入れたりするといいでしょう。
栄養は「わた」にも多い
ゴーヤの栄養は、中央部の白い「わた」にも多く含まれます。取り除いて捨てることが多いわたも、じつは食べられる部位です。
わたは苦味が強いと思われがちですが、ゴーヤの苦味は外側ほど強くなり、わたには強い苦味はありません。ゴーヤなどのウリ科植物の苦味には、昆虫の食害を防ぐ役割があるため、外側ほど苦い傾向があるのです。
ゴーヤの下処理では、わたを多少残しておけば、より多くの栄養が摂れます。取り除いたわたも、スープや素揚げなどにすればおいしくいただけます。
水へのさらしすぎに注意
ゴーヤの苦味を抑えるには、水にさらしたり、塩もみをしたりする方法が一般的です。
ゴーヤの苦味成分は、糖と結びついて水に溶けやすい形で存在するため、苦味を抑えるには理にかなった方法といえます。
しかし、ゴーヤに含まれるビタミンCや葉酸、カリウムなどは、水溶性の栄養素です。水に溶け出して失われやすいことに注意しましょう。水にさらしたり茹でたりする場合は短時間に留め、塩もみでは強く絞りすぎないように気をつけると、栄養素の流出を防げます。
油を使う調理法と相性抜群
ゴーヤを使ったレシピには、炒め物や揚げ物など、油を使ったものが多く存在します。
油を使う調理方法はゴーヤとの相性が抜群です。油を使う調理では、ゴーヤの苦味が適度に抑えられます。口の中に油分が広がると、水溶性の苦味成分が舌まで届きにくくなるためです。油には、ビタミンEやビタミンKなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける効果もあります。
栄養価を重視する場合は、ゴーヤチャンプルーなどの油を使った調理をするとよいでしょう。
ゴーヤ茶の作り方
ゴーヤ茶は家庭でも簡単に作ることができます。ゴーヤ茶は苦味も少なく、ほうじ茶に似たほのかな甘みとコクが特徴です。ゴーヤ特有の風味が気になる場合は、アイスにすると飲みやすくなります。
1. ゴーヤは縦半分に切り、スプーンで綿を取り除きます。
種は捨てず、綿から取り除いてください。
2. 半分に切ったゴーヤを1mm幅の薄切りにします。
3. クッキングシートを敷いた皿の上に、ゴーヤと種を重ならないよう広げます。
4. 1日から2日、日当たりと風通しの良い所に置き、カラカラになるまで天日干しにしてくだ
さい。天日干しが難しい場合は、電子レンジで加熱しましょう。
(電子レンジを使用する場合は、オーブンシートの上にゴーヤを並べ、両面を3分から4分
ずつ加熱します。)
5. 乾燥したゴーヤと種をフランパンで薄茶色になるまで乾煎りしたら完成です。
冷めたら、湿気を吸わないよう密封できる容器に入れて保存してください。
ゴーヤ茶の飲み方
急須などにゴーヤを適量入れ、熱湯を注ぎ5分待ちます。
煮出す場合は2分から3分程度で大丈夫です。
しっかりとゴーヤの成分を抽出してから飲みましょう。
出し殻になったゴーヤは、佃煮にして食べることができます。
ダイエット目的で飲む場合は、1日6杯から7杯程度がおすすめです。
ただし、体調や持病などの理由からカリウムの摂取量を制限している方は、必ず主治医に相談してください。