白湯(さゆ)とは、水を一旦沸騰させた後、50℃程度の温度まで冷ました飲み物のこと。身体によい影響を与えるとして多方面で話題になりましたが、お湯を沸かすのが億劫で簡単には続けられなかったという方も多いのではないでしょうか?
白湯は、毎日飲み続けることでその効果を存分に得ることができます。手軽に白湯を生活に取り入れるのなら、お湯を沸かす手間なくおいしい白湯が作れるウォーターサーバーの活用がおすすめです。
「白湯」に隠された驚きの力とは
白湯と言えば、赤ちゃんの粉ミルクを作るときや、身体の弱っている方への水分補給時、薬を飲むときに使うというイメージがあるかもしれませんが、その歴史は意外に古く、今から5,000年以上前にまで遡ります。
当時、インドで築き上げられたと言われる伝承医学「アーユルヴェーダ」では、白湯が人間の身体を整える健康法のひとつと位置付けられていました。
最近では、ダイエットの大敵となる肌荒れや冷え性などに働きかけるだけではなく、辛い花粉症対策にも効果が期待されるとして注目を集めています。
常温の水と白湯の違い
水道の蛇口から出てくるような15〜25℃程度のぬるい常温の水は、体温より低い温度であるのに対し、40℃以上で50℃前後が理想とされる白湯は、体温以上の温度です。そのため、白湯には身体を温める作用が期待できます。
白湯とお湯の違い
白湯は40℃以上、理想は50℃前後で熱湯より低い温度です。それに対し、お湯は沸騰してからそれほど時間が経過していない状態の高い温度のもので、そのまま飲むと火傷の危険性があります。
白湯の知られざる効果とは?!
作り方・飲み方とあわせてご紹介白湯(さゆ)とは、水を一旦沸騰させた後、50℃程度の温度まで冷ました飲み物のこと。身体によい影響を与えるとして多方むことで得られる効果・メリットをご紹介します。
冷え性を改善できる
白湯を飲むことで得られる効果には、まず「冷え性の改善」があげられます。冷え性は末梢の血流障害によるものと考えられており、その原因には閉塞性動脈硬化症のほか、膠原病(こうげんびょう)や糖尿病に伴う血管障害などがあげられます。
このほか、健常者であっても自律神経やホルモンバランスの乱れ、冷たい水を頻繁に飲むことによって冷え性になることもあります。
白湯を飲めば身体を温められるため、血流がよくなり内臓の働きが活性化されるため、冷え性の改善効果が期待できます。
ダイエット効果
白湯には「ダイエット効果」もあると言われています。なぜなら、白湯を飲むことによって内臓が温まり、それに伴って基礎代謝が向上し脂肪を燃焼しやすくなるからです。
また、白湯には体内に蓄積された老廃物を排出させる作用もあり、これによってむくみ改善の効果も期待できます。
仮にむくみが原因で太って見えている場合は、白湯を飲むことでボディラインをすっきりさせられるのです。
白湯を飲むだけで体重が減るというわけではないので、直接的なダイエット効果は見込めませんが、むくみを改善・予防することで結果的に太って見えてしまうのを防ぐことができます。
デトックス効果
白湯を飲むことで得られる効果には、「デトックス」もあげられます。繰り返しになりますが、白湯には内臓を温めて機能を活性化させる効果があります。これにより消化作用が促進され、体内の老廃物を排出しやすくなるのです。
花粉症の緩和
このほか「花粉症の緩和」も、白湯を飲むことで得られるメリットのひとつです。体内にある免疫細胞の中には、ウイルス感染細胞を攻撃する「NK細胞」が存在しています。NK細胞は体温が36.5℃以上だと活性化するため、体温と免疫力は密接な関係にあると言えます。
白湯を飲むことで内臓温度が1℃上昇すると、免疫力が約30%上昇するほか、基礎代謝も10%前後上昇すると言われており、その結果、花粉症やアレルギー症状の改善が期待できるのです。
美肌効果
血流が良くなると顔色も良くなります。また、老廃物が排出されやすくなると、ニキビや肌荒れの予防や改善といった効果も期待できます。
便秘の解消
白湯には「便秘を解消できる」というメリットもあります。「便秘解消には水をたくさん飲むのがよい」と考える方もいますが、そうではありません。水を飲むことによって便を柔らかくすることはできても、たくさん飲んだところで便秘が解消されるわけではないからです。
その点、白湯なら内臓を温めることができ、腸の蠕動(ぜんどう)運動が促進されるため消化力がアップします。これにより、便秘解消効果が得られるのです。
白湯の作り方
やかんで水道水の白湯を作る場合は、水道水に含まれる「塩素(カルキ)」などの不純物を飛ばす必要があるため、通常よりも長い時間(10~15分程度)水を沸騰させます。このとき、水が蒸発して量が減ってしまうため、あらかじめ多めの水道水を沸かすのがおすすめです。十分に沸騰させたら、お湯を50~60℃にまで冷ましてから飲用します。
電子レンジを使って白湯を作る場合は、「浄水器の水」もしくは「市販の水」をレンジ対応のコップに入れます。その後、500Wの電子レンジに2分かけて50℃前後の適温に温めれば完成です。
なお、温める時間は電子レンジのワット数によって異なり、600Wであれば1分30秒、700Wなら1分を目安にしましょう。
電気ポットを使って白湯を作る場合は、「浄水器の水」もしくは「市販の水」を電気ポットに入れて沸かします。その後、50~60℃にまで冷ましてから飲用するようにしましょう。
白湯の飲み方
白湯は身体によいとはいえ、飲み過ぎは禁物です。なぜなら、白湯はデトックス効果が高いからこそ、飲み過ぎると身体に必要な栄養素まで流れてしまう恐れがあるからです。1日に飲む量は800ml程度に留め、白湯を飲む際は湯のみ1杯分をゆっくりと時間をかけて飲むのがポイントです。
白湯を飲むタイミングは、就寝中に体内の水分を失ってしまっている「寝起き」がおすすめです。このタイミングに白湯を飲むことで水分不足を防げるだけでなく、冷えてしまった内臓を温めて消化機能を活性化させることができます。
また、白湯は夜に飲むのもおすすめです。白湯にはリラックス効果もあるので、夜に飲むことで気持ちを落ち着かせることができ、スムーズに眠りにつくことができます。ただし、夜中にトイレに行きたくなる可能性を踏まえて、就寝直前に飲むのは極力避けるようにしましょう。
なお、白湯を飲むタイミングとして注意したいのが「食後」です。食後30分以内に白湯を飲むと消化スピードを遅らせてしまうため、胃が落ち着いてから飲むよう心がけましょう。
白湯を飲むタイミングや飲むべき量とは?
では、白湯はどのようなタイミングで、どのくらいの量を飲むべきなのでしょうか。
起床時
人は寝ている間に、コップ一杯分ほどの水分を汗で失うといわれています。そのため、起床後には同量程度の水分補給をする必要があります。
目覚めの一杯を白湯にし、ゆっくりと時間をかけて少しずつ飲みましょう。全身の血流を良くしたり、内臓を温めたりすることで、消化や吸収を助ける効果などが期待できます。
少しずつ飲む理由は、一気に飲むと胃液を薄めてしまい、食べ物の消化や吸収が阻害されてしまう可能性があるからです。
就寝前
就寝前に、コップ一杯ほどの白湯を少しずつ飲むこともおすすめです。
前述の通り、人は寝ている間にコップ一杯分ほどの汗をかくため、脱水予防を目的に飲みます。このほか、血流の滞りを防ぎ、交感神経が優位になって寝つきが悪くなるのを防ぐ効果も期待できます。
日頃の水分補給に
このほか、喉の渇きが気になったときなど、日頃の水分補給を白湯に置き換えてみることもおすすめです。
この場合も、コップ1杯分ほどの白湯を少しずつ飲みましょう。白湯を飲むと、胃腸が温まることによって副交感神経が優位となり、緊張をほぐす効果が期待できます。仕事や家事の合間のリラックスにもぴったりです。