キュウリはインド・ヒマラヤ山麓からネパール辺りまでが原産地と言われているウリ科の野菜です。日本へは中国を渡って10世紀頃に伝わったとされています。
日本へ渡来したといわれるルートは中国南部から伝わったとされる説と中国北部から朝鮮を経由して伝わったとされる2説が有力です。
中国南部からは華南系品種(黒いぼキュウリ)、北部からは華北系品種(白いぼキュウリ)が伝わりました。西アジア地域では三千年以上前から作られていて日本では江戸時代から本格的に作られるようになりました。
キュウリには地方特産品として改良されたものから西洋系のものまで品種も豊富です。
- 原産地については
- キュウリの旬や栄養価は?
- 新鮮なキュウリの見分け方・選び方
- 太さが均一のものが新鮮なキュウリ
- 表面のイボが尖っているものが新鮮なキュウリ
- 両端部が新鮮なものが良いキュウリ
- キュウリの長持ちする保存方法
- きゅうりパックには漂白作用があるってホント?
- ケイ素のないブルームレスきゅうりでは効果がないかも
- きゅうりパックにはブルームきゅうりを使おう
原産地については
インド説とアフリカ説がある。古代のエジプトで栽培下にあり、『旧約聖書』の「民数記」(11.5)では、紀元前1290~前1280年に、エジプトを立ち去ったイスラエルの民が、エジプトの食物を懐かしんで思い起こすなかに、キュウリ(ヘブライ語でキシュkishu)が含まれている。中国では6世紀の『斉民要術(せいみんようじゅつ)』に、栽培法と漬物による貯蔵が可能なことが記述されている。日本には10世紀までに渡来し、黄瓜(きうり)(『新撰字鏡(しんせんじきょう)』)、加良宇利(からうり)(『本草和名(ほんぞうわみょう)』)、曽波宇里(そばうり)、木宇利(きうり)(『倭名類聚抄』)などとよばれた。しかし、重要野菜とはみなされなかったようで、水戸光圀(みとみつくに)は「毒多し、植えるべからず、食べるべからず」と説く。イギリスでもキュウリの冷たさは死を暗示すると考えられ、食べると生命を落とすとの迷信が長く続いた。
キュウリの旬や栄養価は?
キュウリは野菜の中でも生産量と消費量が多い野菜の代表格です。キュウリが美味しいとされる時期(キュウリの旬)は5月から7月ですが、ビニルハウス栽培が行えるため年間を通してお店に流通しています。
漬物をはじめ和え物・サラダなど生食が中心ですが中華量や炒め物にしてもおいしく食べることができます。
キュウリは96%が水分で構成され栄養価は低い野菜ですが、ビタミンC・カロテン・カリウム・ピラジン・食物繊維を含んでいます。
中でもカリウムは利尿作用があるため、むくみやだるさを解消してくれ高血圧の予防にいいとされています。
暑い夏に、体を助けてくれる効果あり!
全体の95%以上が水分で、栄養素はビタミンC、カロチン、カリウムなどが含まれますが、その含有量が非常に低く「世界一栄養がない野菜」と言われています。
しかし夏に旬を迎える“夏野菜“にふさわしく、夏バテを解消するパワーが詰まっているんです。
●水分たっぷり!
全体の95%以上が水分なので、暑い夏の水分補給や、火照った体を冷やしてくれる効果があります。
きゅうりに含まれるカリウムには「利尿作用」があり、「むくみ」の原因になる余分な塩分を体外に排出させる働きがあります。
また冷房の効きすぎによる体調不調や身体がだるいときなどに効果があります。
新鮮なキュウリの見分け方・選び方
スーパーなどでキュウリを買う時には鮮度のよいものを選びましょう。鮮度が良いキュウリを簡単に見分けるポイントをいくつかご紹介します。
太さが均一のものが新鮮なキュウリ
キュウリは緑色が濃くツヤとハリがあるもの、先細りになっておらず太さが均一のものを選びましょう。極端に曲がりがキツイものは避けますが多少の曲がりは鮮度や味には影響はありません。
表面のイボが尖っているものが新鮮なキュウリ
鮮度が落ちると表面にあるイボが取れてきます。触ると痛いくらい尖っているものほど鮮度がよい証拠です。ただし品種によってはイボがないものもあるので注意してください。
両端部が新鮮なものが良いキュウリ
先ほども説明したようにキュウリはその殆どが水分で構成されています。そのため収穫後まもなく水分が抜け始めます。
水分はキュウリの両端部から抜けるため鮮度の悪いものほど両端部が柔らかくなり凹んでしまいます。触ってみてしなびているキュウリは避けましょう。
キュウリの長持ちする保存方法
キュウリは時間が経つと水分が抜けてしまうため味も食感も悪くなっていきます。瑞々しいうちに食べるようにしましょう。
そのためキュウリを保存するときは鮮度を保つことを心掛ける必要があります。
キュウリは低温が苦手な野菜のため冷蔵庫の野菜室に入れるようにしましょう。その際に寝かして入れるのではなくビニール袋に入れて口は開いて立てて保存することがポイントです。
冷蔵庫に入れておけば3~4日は日持ちしますが、それ以上経ったものは塩もみや漬物として利用しましょう。
キュウリは基本的に生では冷凍保存が出来ませんが、塩もみしておけば冷凍保存が可能です。ただし解凍するときはレンジなどは使わずに常温で自然解凍するようにしましょう。
きゅうりパックには漂白作用があるってホント?
エステやセルフケアとして、きゅうりパックをSNSにあげている人も多いですよね。キュウリパックには肌色を白くする……いわゆる漂白作用があるなどといわれています。これって本当なんでしょうか。さっそく、この疑問を佐藤医師にぶつけてみました!
果たして答えは…?
A:ウソ「きゅうりは90%以上が水分で、栄養素としてはビタミンCやK、βカロテン、カリウムなど。
確かにビタミンCには美白効果、βカロテンには美肌効果などの効用が認められていますが、きゅうり自体に含まれる量は少なく、肌に直接のせてパックをしてもほとんど肌に浸透することはないでしょう。パックするならむしろ食べた方がよいかも…」
ケイ素のないブルームレスきゅうりでは効果がないかも
専門家によっては「きゅうりパックに効果はない」と言う方もいます。その理由はきゅうりの品種にあります。きゅうりといえばもぎたての新鮮なものほど棘が多く、白い粉をふいています。
その白い粉は「ケイ素」というミネラルで、水分が蒸発しないよう身を守るために出しているものなのですが、農薬と誤解されケイ素が出ないよう棘自体もなくした「ブルームレスきゅうり」という品種が主流になってきています。
きゅうりパックにはブルームきゅうりを使おう
ブルームレスきゅうりは見た目を良くするためにミネラル含有量を抑えたきゅうりのことなので、きゅうりパックに使用してもあまり効果がないのではないか、という考えが真相のようです。
実際どれほど効果に違いが出るかは分かっていませんが、できるだけ効果を得ようと思うなら棘がしっかり出ていてケイ素がふいているブルームきゅうりを使用する方が良いでしょう。