前回の続きです
旬といえばあの独特の苦みと滋味に富んだ香りを楽しめる食材「山菜」。健康や美容にも良いことで知られ、芽吹きのパワーで運気を上げる食材として風水でも人気が高いのだとか。一年の中でも限られた時期にだけ出会える大地の恵み、山菜。
「うるい」
収穫時期:4月~6月上旬
春から初夏にかけて楽しめる栄養価の高い山菜。オオバギボウシという植物の若芽で爽やかな辛さとヌメリが特徴。アクや苦みが少なく手軽に調理できるためとても人気です。
■おいしい食べ方
サラダ、鍋、浅漬け、炒め物、汁物の具、天ぷら、
■調理のポイント
新鮮なものは茎がふっくら白く葉先が鮮やかな緑色。アクがほとんどなく、生サラダや野菜スティックにして、シャキシャキした歯ごたえを楽しみます。葉柄の薄皮をはがして茹でて天日で干すと「やまかんぴょう」と呼ばれる保存食になります。
■有効成分など
ビタミンCが豊富。皮ふや粘膜を保護したり、病気やストレスに対する抵抗力を強めたりする効果も。また、鉄分の吸収を促して貧血防止も期待できます。食物繊維を多く含み、便秘の改善にも有効と言われています。
春(3~5月)の山菜の種類
ウド 行者にんにく
セリ タケノコ
つくし ノビル
ヒメウコギ みつば
よもぎ ワサビ
「行者にんにく」
収穫時期:4月~5月(北海道・近畿以北)
アイヌネギとも呼ばれる北海道の特産品。香りがにんにくと似ており、奥山で厳しい修業に耐える行者がスタミナ食にしたことが名前の由来とか。すずらんのような葉は光沢があり、2枚の葉が出るまでに7~8年、花が咲くまでに10年かかる成長の遅い山菜です。
■おいしい食べ方
保存食(行者にんにく味噌、行者にんにく醤油漬けなど。ご飯のお供に)、天ぷら、卵とじ、餃子、おひたし、野菜炒め、酢味噌和えなど
■調理のポイント
にんにくに似た強い香りがあり、葉先までピンとのびた状態が新鮮。お浸し、ぬたなどはさっと熱湯に通し冷水に放してアク抜きを。炒めたり薬味に使う場合は生のままで。採れたての行者にんにくの天ぷらも美味。つぼみは生のままおろして香辛料に。
■有効成分など
にんにくより香りが強烈で、アリシンの含有量はにんにくの数倍。アリシンはビタミンB1の吸収を助け疲労回復や滋養強壮に役立つうえ、免疫力を高め、血行促進し冷え性や動脈硬化・血栓予防に効果があると言われています。ビタミンK、βカロテンなどのビタミン類も豊富。
「ふき」
収穫時期:4月~6月
「ふきのとう」が成長すると「ふき」になります。山菜シーズンには茎が細くて短い「山ふき」が出回ります。一年中店頭にならぶ太く長いふきは野菜として栽培されたもの。すでに平安時代には栽培されていたほど日本人にとって馴染み深い山菜です。
■おいしい食べ方
煮物、佃煮、炊き込みごはん、きんぴら、サラダなど
■調理のポイント
香りと苦味、シャキシャキの食感、うまみをいかす煮物が美味。「ふきの青煮」は代表的料理。調理前は葉と根元の硬い部分を取り、まな板に並べ塩をふって転がす“板ずり”を。香り良くするため葉も一緒に茹でてアク抜きします。
■有効成分など
食物繊維とカリウムが豊富。ふきは水分が96%近くあるため際立って高い有効成分はありませんが、ポリフェノールなどの機能性成分の種類に長けています。
夏(6~8月)の山菜の種類
いわたばこ シオデ
シソ チシマザサ
ドクダミ マタタビ
ヤブカンゾウ ヤマモモ
「ぜんまい」
収穫時期:4月~5月
独特の風味と歯ごたえのある食感が魅力の山菜。「生ぜんまい」の中で天然ものはわずかで、出回るものの多くが栽培もの。惣菜などに使われるぜんまいは「乾燥ぜんまい」を水で戻したものがほとんどです。
■おいしい食べ方
お浸し、和え物、煮物、ナムル、炒め物、きんぴら、炊き込みご飯など
■調理のポイント
産毛が多く葉が広がっていない10~20㎝くらいの新芽が食べごろ。茎が太くしっかりしたものが美味。綿毛を取り除き、重曹を加えたお湯で緑色に変わるまで茹でてアク抜きを。茹でた後そのまま水に浸して冷蔵庫で保管し、毎日水を替えれば1週間ほどもちます。
■有効成分など
ビタミンC、ビタミンAが多く、食物繊維も豊富。βカロテンのほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンK、葉酸、鉄や銅も豊富。乾燥ぜんまいには、たんぱく質とカリウムが多く含まれます。
秋(9~11月)の山菜の種類
アケビ(果実) 銀杏
サルナシ サンショウ
ヤマボウシ
「せり」
収穫時期:1月~4月
春の七草として馴染み深い早春の山菜。全国各地の山野に群生します。たくさんの新芽が競い合って生える様子から「競(せ)り」という名前がついたとか。シャキシャキした歯ごたえと強い香りが大人気の山菜。
■おいしい食べ方
鍋料理、和え物、お浸し、汁物、サラダ、薬味など
■調理のポイント
お浸しや和え物は沸騰した2%の塩水でさっと茹で冷水に放しアク抜きを。薬味や鍋料理は洗ってそのまま使い食感を楽しみます。東北地方では昔から“せり鍋”に使われ、秋田では郷土料理“きりたんぽ鍋”に欠かせない食材として親しまれてきました。
■有効成分など
漢方・生薬としても有名。青々とした葉や茎にはβカロテンがたっぷりと含まれています。食物繊維も豊富なので、腸の働きを整える効果も期待できます。特有の芳香にはオイゲノールなどの成分が含まれており、抗菌・殺菌作用、鎮静作用があると言われています。
冬(12~2月)の山菜の種類
ナズナ クコの実
ユリ根
山菜採りの注意点
鮮度が高いほど風味のよい「山菜」。自分で収穫したものならまた格別です。しかし山菜採りには気をつけるべき大切な注意点がいくつかあります
事前の準備をしっかりと
山に入る際は、虫(ハチ、蚊、ヒル、マダニなど)、植物(ウルシ類、ハゼ、イラクサなど)、野生動物(毒ヘビ、イノシシ、サル、クマなど)対策が不可欠です。
また、怪我や体調不良、天候不良、通信機器の故障などによる遭難の危険性があることも常に意識しておきましょう。
長袖・長ズボン・帽子、軍手・ビニール手袋、非常時用の水・食料、虫よけスプレー、通信機器と携帯バッテリーなどの持ち物チェック、山道の下調べなど事前準備をしっかりと。
山菜と似た毒性植物の誤食事故も多いため、経験豊富な人に同行してもらうと安心です。
山菜採りのルールを守る
植物採取が許可されている場所か必ず確認し(国立公園などは植物採取禁止)、食べる部分を食べられる量だけ採り、常に環境に配慮するのが山菜採りの基本のルールです。
根元から採らないようにする
山菜採りでは採り方に注意しよう。むやみに根っこから引き抜いてしまうと、翌年には自生できなくなってしまう。そのため、根元から抜くのはマナー違反となる。基本的には素手(軍手をする)で採るようにし、必要に応じてナイフやハサミでカットなどを使うようにしよう。
様
お世話になります!
簡単に言うと!
野菜は畑で育てて作られるもので、山菜は山で自然に生え育っているもの。
なんですが、最近では山菜も栽培されています。
でも作る側としては畑で育てています。
畑で栽培しているものが野菜で、山野に自生して食用にする植物が山菜。
この定義では野菜になってしまいます。笑 その通り!ですね。