餃子は日本人なら誰もがよく知っている食べ物のひとつです。餃子が何で作られているか、知っていますか?
餃子の種類
- 焼き餃子
- 水餃子
- スープ餃子
- 揚げ餃子
- 蒸し餃子
- 変わり餃子
- 棒餃子
- 卵餃子
- 餃子巻き
- 手羽先餃子
- 糖餃
餃子の歴史
中国では紀元前2000~3000年頃からすでに小麦の栽培(さいばい)が行われていた。
漢の時代(紀元前206~紀元220年頃)になると、中国北部では小麦粉を使った皮などに肉や魚、野菜などを生地(きじ)に包んで茹でたり(ゆでたり)煮たり(にたり)したものが食べられていて、それが餃子の始まりとされている。また同じ材料でも中国南部・広東地方(かんとんちほう)では雲呑(ワンタン)として食べられるようになっていった。
「餃子」の名前は初め「角子(ジャオズ)」から「扁食(ピェンスー)」、そして明の時代(1368~1644年頃)にはっきりと「餃子(チャオズ)」の名が登場。今でも中国の一部の地域では、「扁食」と呼んでいる所もあるらしい。
餃子が日本に広まったのは戦争が終わってからの事。戦時中に多くの日本兵が中国へ渡った時に食べた餃子をなつかしんで日本でも作るようになり、本場・中国では入れていない「にんにく」を入れるなどの改良をして、今私たちが食べている日本人にあった餃子が完成!
日本への伝来
1778年(江戸時代 安永7年)
中国料理書『卓子調烹法』で初めて餃子が紹介される。その10年ほど後に中国事情を記した書『清俗紀聞』には、餃子が絵入り(シュウマイの形に似ている)で記されているが、庶民の食べ物としては普及せず。
1945年以降(昭和時代)
第二次世界大戦後、中国(特に東北部の満州)にいた日本人が帰国し、満州で食べた餃子を懐かしみ、また生活のために作って売るようになる。その後2~3年で全国に普及したのは、他の食品や料理と比べても早く、それは次のような理由が考えられる。
(1)おいしい
(2)安価な大衆食品
(3)栄養のバランスがよい
(4)いろいろアレンジができる
(5)家庭で簡単に作れる
中国における餃子
現在、中国では春節(中国の旧正月)前後の行事や、めでたい席で餃子を食べます。その理由の一つは、餃子の形が清朝まで使われていた貨幣の「馬蹄銀」に似ていることから、「お金に恵まれるように」という願いがこめられていたからだと言われています。餃子を正月元旦に食べる決まりは明代から始まったともいわれ、餃子の中に物(小銭、銀貨、宝石など)を包み、この餃子に当たった人は、この年の幸多きことが約束されるといった運試しのような遊びもあります。
また、餃子は「ジャオズ」との読みが、「交子(ジャオズ):子が交わる、子を授かるを意味する」という言葉と音が同じことから、「子供に恵まれるように」との願いも込められていると言われています。 このように、餃子は中国ではとてもめでたい食べ物だと考えられています。
日本と中国の餃子の違い
普及するにつれ、餃子は日本の食生活に合うように、本場中国での食べ方、調理法、味つけとは変わっていきました。
中国
主食として食べることが多く、水餃子や蒸餃子が一般的。 焼餃子は残った餃子を焼いて食べることが多く、「鉄貼(グゥオティエ)」と呼ばれる。
日本
焼餃子が一般的。
焼餃子が普及したのは、主食に米に合うことや、焼いた香ばしい匂いが好まれる傾向にあったことなどから。また、餡の中ににんにくを入れたり、つけだれにラー油を使うのも、日本独自のスタイル。
主な調理法
点心として最も一般的な食べ方。
味が水に逃げず、皮の食感が楽しめる。
透明な皮を使ったり、具材、見た目もバリエーションが多い。
現在の中国で最も一般的な食べ方。
やや厚めの皮で包み主食として楽しむ。
茹でたものに香味ソースをかけたり、スープ餃子としても食べたりもする。
現日本で最も一般的な食べ方。
餃子に少量の油と水を加え蓋をして蒸し焼きした後、香ばしく焼きあげる。
ひだを作りながら三日月型に包むものが多い。
世界の餃子?的なもの!
国によっては「え?これが餃子…?」というものもありますが、きっと皆さん母国の餃子がNo.1であることはいうまでもありませんね!
日本でもお馴染みのラビオリは、食べたことがある人も多いのではないでしょうか?
イタリアンレストランなどで割と気軽に注文できるメニュです。餃子というカテゴリーなのかとビックリしますが、紛れもない洋風餃子です。
ドイツのマウルタッシェンは、ラビオリを大きくしたような形で肉やほうれん草、玉ねぎを詰めて皮を茹でた南ドイツの郷土料理です。
見た目は日本の餃子にかなり似ている印象のポーランドのピエロギ!
皮が厚くて食べごたえがあり、茹でても焼いても美味しい国民食として人気があります。
ひき肉や野菜、マッシュポテトにフルーツなど中身のバリエーションがとても豊富なので、スイーツ感覚で食べることもできます。
コルドゥーナイはひき肉やキノコ類を小麦粉で作った皮で包んだもので、最後にサワークリームをかけていただきます。一口サイズで食べやすいのも特徴です!
厚い皮で餡を包み、水餃子としていただきます。
中国の餃子にはニンニクは入れず、黒酢につけて食べるのが主流です。■日本=餃子
好みの違いがありますが、日本では一般的には焼き餃子が主流ではないでしょうか?
中華料理店、餃子専門店、ラーメン屋さん、居酒屋さんなど、どこでも提供していますよね。家庭で餃子作りをしたことのある人も多いかもしれません。■日本=ワンタン
ワンタンも餃子のカテゴリーに入ります。
でも日本人のイメージ的にはワンタンは『餃子』というより独立した『ワンタン』という1つのジャンルかもしれません。
ですが小麦粉で作った皮に具を包んで調理する…という工程で作られるので、実は餃子と同じジャンルの料理です!
肉や豆腐、キムチを皮に包んだ料理です。
さずが韓国!やっぱりキムチは外せませんね。
焼いたり、蒸したり、スープにしたりと日本と同じように調理方法はバラエティに富んでいる一品です。
肉とニラがたっぷり入った焼き餃子です。
中国の餃子は水餃子とご紹介しましたが、台湾では蒸し餃子、水餃子だけでなくパリパリの皮の食感がクセになる焼き餃子の鍋貼も広く愛されているようです。
肉と野菜を小麦粉で作った皮で巾着状に包んだモモは、見た目も小籠包にそっくりな蒸し餃子です。
サモサというと、耳にしたことのある人もいるかもしれません。最近はカレー屋さんでサイドメニューとして提供しているお店もありますよね!
サモサはひき肉やじゃがいもを包んで揚げた『揚げ餃子』です。
餃子…というとピンとこなくてスナック?という感じですが、調理工程的にはインド版の餃子でしょう。
肉やマッシュルーム、チーズを皮に包んで調理します。
茹でて食べるのが定番ですが、焼いて食べても美味しい!
他にもエジプトの揚げ餃子サンブサ、モルドバのマンティーヤ、チュニジアのブリック、スペインのエンパナーダ、カザフスタンのサムサ…など餃子の仲間と言える料理は世界各国に存在しています。
単純に簡単で美味しくて、一度に色々な食材を食べることができるという点で、餃子はとても優れた料理ですね。