生姜焼きは日本を代表する家庭料理の1つ。学生時代から長らく、生姜焼き定食にお世話になっている…そんなオリひと世代も多いのではないだろうか。そんな生姜焼きを自宅ではどのように作っているだろうか?実は部位、味付けによって生姜焼きはまるで違う料理になる。
今や定番のしょうが焼き!
その発祥は昭和20年代。
1951年創業の「銭形」(東京・銀座)が「手早く大量に作れる料理」として考案したといわれています。
ちなみに「ポークジンジャー」は「豚の生姜焼き」の和製英語で、厚みのある豚ロース肉を使ったものを指すことが多いよう。
ただし明確な決まりはないため、どんな料理が出てくるかはお楽しみとなります。
さらに興味深いのは、しょうが焼きは昭和まで関東のご当地グルメだったということ。
その背景には「西は牛肉、東は豚肉」という食文化があります。
かつて農耕用の家畜は、冬が長い東日本では素早く作業できる馬が、温暖な西日本では力のある牛が主流でした。そのため関西では牛を、関東では馬の代わりに畜産性の高い豚を食する文化が浸透したのです。
しょうが焼きに秘められたパワー
しょうが焼きに使われている食材といえば、豚肉としょうがです。
これだけシンプルな組み合わせですが、豚肉とショウガは体を元気にする成分が多く含まれている、スタミナメニューなんです。
豚肉には多くのビタミンB1が含まれていて、疲労回復に大いに役立ちます。
それは、豚肉に含まれたビタミンB1が、糖質をエネルギーに変えるためです。
またショウガには、食べた時にツンとした特有の辛みを感じますよね。
辛みの元は、ショウガに含まれるショウガオール・ジンゲロールによるもので、体を温めてくれたり胃腸の調子を整える作用があります。
豚肉に含まれるビタミンB1とショウガに含まれるショウガオールとジンゲロールは、体の疲れを回復し、元気な体へと導くスタミナ料理になるのです。
生姜焼きとは
生姜を効かせた醤油ダレにつけた肉を焼く、または焼いた肉に同様のタレを絡めた日本の家庭料理。どの家庭でも食べられているメニューではないだろか。レシピに定義はなく、料理本や家庭によって作り方はさまざまだが、多くの場合タレには醤油、みりん、酒が入っている。
銀座生まれの生姜焼き
生姜焼きは銀座生まれ。戦後の和風創作料理店で生まれたメニューだといわれている。簡単に作ることができ、その上ご飯に合うと人気を博したようだ。素材も手に入りやすいものが多く、工程も簡単であったことから、家庭にもだんだんと広がっていった。
豚肉と生姜でスタミナup
豚肉はビタミンB1を豊富に含んでいる優秀食材。生姜は体を温め、胃腸の調子を整えることでも知られている。生姜焼きはこの2つのパワーフードを効率よく摂取することができる、いわばスタミナメニューなのです。
ランクアップのコツ
肉選び
生姜焼きは豚肉選びにポイントがある。ロース肉で作るレシピも多いが、ぜひ少し脂身の多い肩ロースをおすすめしたい。肩ロースを選ぶことで、よりまろやかな味わいに仕上げることができる。生姜焼き用として販売されているものは、やや厚みのあるタイプ。好みによるが初心者なら、薄切りをセレクトするのが吉。火が通りやすく、失敗を回避することができる。
生姜はすりおろしが◎
チューブの生姜を使って簡単に作ることもできるが、ぜひ生の生姜をおろして使ってみてほしい。香り高く、より美味しい生姜焼きに仕上がる。さらにがっつりボリュームアップさせたい場合は、ニンニクのすりおろしを少しプラスするのがおすすめ。肉を焼く前に、醤油、みりん、酒などとよく合わせておこう。この下準備も必須!
火を通しすぎない
しっかり焼くことは重要だが、火を通しすぎてしまうと肉が固くなり、せっかくの生姜焼きが台無しに。強火で片面をしっかり焼いたら、裏返して、ふたをして弱火で1分、蒸し煮状態にする。こうすることで肉がふっくらと仕上がる。肉だけで作るレシピもあるが、玉ねぎの薄切りを加えるとさらに甘さが加わって美味しい。味の絡みもよくなるのでおすすめだ。最後に用意しておいた生姜ダレを入れて、強火で絡めればできあがり。
つけあわせにこだわる
マヨネーズ味のサラダがいい
生姜焼きのこってりとした味は、マヨネーズと相性抜群。そのままつけてもいいが、ここはぜひ、マヨネーズ味のサラダを献立に加えたい。ポテトサラダやマカロニサラダ、これにキャベツの千切りをプラスすれば、鉄板の献立になること請け合い。
味噌汁はシンプルに
生姜焼きは、やはりご飯と食べたいメニューだ。家で作る場合も定食風にするといいだろう。生姜焼き、サラダを作ったら、あとは味噌汁とご飯があれば完璧だ。味噌汁は、ワカメや豆腐、ねぎなどシンプルな具材をチョイスして、バランスを調節しよう。またご飯は、やや硬めの食感に炊き上げると相性がいい。あとはお好みの香の物があれば言うことなし。
レシピ
豚のしょうが焼き
薄切り肉をさっと炒めて作る、手軽なタイプ。粉をふっておくことで、肉が柔らかく仕上がり、たれもよくからんでつやつやに!
材料(2人分)
豚ロース薄切り肉 200g(8〜10枚)
〈しょうが焼きだれ〉
しょうがのすりおろし 1かけ分
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
キャベツのせん切り 適宜
片栗粉 サラダ油