カツオの生態!カツオは世界中の温帯から熱帯海域に分布している魚で、暖海性の外洋で回遊しながら小魚などを捕食し生息しています。日本近海では黒潮にのって太平洋側を春に九州南部から北上し、秋に宮城県沖に達し、そこで親潮とぶつかるためUターンしてまた南下するという季節的な回遊をする。日本海側には少なく、ほとんどが太平洋側を回遊する。。
カツオはマグロと同じく、止まると死んでしまう
カツオはマグロなどと同じように、常に泳いでいないと死んでしまう。これは、他の魚が鰓蓋(エラブタ)を動かして鰓に酸素を含んだ水を行き来させるのに対して、マグロやカツオは自分で鰓蓋を動かす事ができず、泳ぐことによって口から新鮮な水を鰓に流し込まなければ窒息してしまうからだそう。
カツオの特徴
カツオは成魚は全長1.1mほどになる魚で、寿命は約10年とされる。市場には40~60cm程のものが多い。
体の形は無駄のない紡錘形で、水の抵抗を少なくするため、背ビレはたたんだ時に体の中に格納されるようになっている。
カツオのウロコは前の方、胸ビレの先より少し後ろ辺りから前の方にだけあり、固くしっかりと付いている。私たちが目にするカツオには、写真のように腹に黒い縦筋模様が入っているが、普通に生きて泳いでいる生時は無地の銀白色でこの模様は入っていない。また、興奮状態では横向きに何本も筋が現れる。普段目にする縦縞の模様は、カツオが死んだ後に出る死に形相なのである。
食材としてのカツオ(鰹)
カツオのタタキ
高知土佐と言えばカツオのタタキで有名だが、その由来はいくつか説がある。
一つは、その昔土佐藩主・山内一豊が贅沢を禁ずると共に食中毒の防止を理由として鰹の生食禁止令を出した。しかし、ある賢い漁師が、表面だけさっと焼いて、焼き魚と称して食べたらこれが妙に美味しかったというのが始まりとされる。
また別の説では、カツオにはよく白っぽくて米粒のような小さなテンタクラリアという寄生虫が付いている。これを嫌がって、さっと表面を焼くことでこの寄生虫を殺して生食できるようにしたと言う説などがある。
カツオの生節と鰹節
カツオは鮮魚の状態以外にも、生節(なまぶし)または生利節(なまりぶし)と呼ばれるものや、よく知られている鰹節の状態でも流通し、日本人にとっては欠かすことのできない魚である。生節(なまぶし)または生利節(なまりぶし)とは、カツオをフィレ状におろしたものを、茹でたり、燻製にした状態のもので、そのまま醤油など調味料を付けるだけで食べられる。
■カツオ(鰹)の漁期と美味しい旬の時期
カツオの旬は初鰹の初夏と戻りカツオの初秋
カツオは毎年北上南下をする魚で、はじめに南の鹿児島から始まります。カツオ漁は3月ごろ九州南部で始まり、5月ごろ本州中部、8~9月ごろ三陸北部、北海道南部あたりまで進み、そこまらまた南下を始める。
一般的には4月5月にはじめのピークを迎える初カツオのシーズンと、三陸沖で漁獲される戻りカツオの8月中旬から9月下旬あたりが旬と言われている。ただ、9月以降も12月にかけてますます脂がのって美味しいです!
初カツオと戻りカツオ
初カツオは太平洋を暖かい南から北へ向かって進む途中で、脂ののりが少なく比較的あっさりとした味です。逆に、戻りカツオは、北の豊かなプランクトンを沢山食べて肥えて脂がのっています。
そういうことからよく、初カツオならタタキに、戻りカツオは刺身でと言われたりします。
傷みが早い
カツオは傷みが早い魚なので、買ってきたらすぐに食べるようにします。特に丸のままの場合は、真っ先に腹を割り、ワタを抜いて綺麗に洗って冷蔵庫に入れます。
また刺身などに切って置いておくと数時間で色が変色してしまいます。
アレルギー
カツオにはサバ(鯖)などと同様にヒスチジンという成分が含まれており、これは鮮度が落ちて古くなるとヒスタミンというアレルギーを起こす成分に変化します。
加熱するとパサつく
カツオはタタキや刺身で食べられる事が多いですが、これは火を通すととてもパサパサした肉質だからです。加熱調理する場合は、それを考え、工夫が必要です。
カツオの美味しい食べ方と主な料理
カツオの刺身
カツオは刺身がとても美味しいですね。他の魚にも言える事ですが、新鮮なものほど薄めに切り、鮮度が落ちるにしたがって厚めに切ります。これは、釣って間もないものは厚めに切ると歯ごたえがありすぎて口の中で噛み切りにくいからで、更に、鮮度が落ちてきたものは身が柔らかくなっているので、厚みを持たせないと食感が弱くなってしまうからです。
カツオのたたき
カツオと言えば鰹節に次いで、たたきが真っ先に思い浮かぶのではないだろうか。カツオのたたきは高知県が発祥とされる料理で、サク取りしたカツオを藁を燃やした炎で一気に表面だけを焼き、それを薄く切ってたっぷりのニンニクと共に塩味で食べる。
藁を用いるのは、藁が非常に高温で燃え、カツオの表面だけを一気に焼き上げることができる事と、藁を燃やした時にでる特有の香りがカツオにも移り風味がよくなるからだそうです。
カツオの生節
鮮魚のカツオがまるまる1尾ある場合などは、半分をタタキや刺身にし、もう半分は日持ちさせるためにも生節にしてしまうと良いでしょう。作り方は簡単で、フィレ状におろしたカツオを火が通るまで茹でるか、グリルで焼くだけです。冷蔵庫に入れておくか冷凍する事も出来ます。
食べ方は、適当な厚みに切って、大根やフキなどの野菜と煮物にします。また、手でほぐしてツナのようにサラダなどにしても美味しいです。
カツオの揚げ物
タタキや刺身のカツオが残ってしまった場合などは、唐揚げやフライにすると美味しく食べられます。
カツオに含まれる主な栄養成分と効用
カツオに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)と
EPA(エイコサペンタエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の働きを活性化し、EPA(エイコサペンタエン 酸)は血液をサラサラにする働きがあると言われています。
カツオはタウリンも豊富
タウリンも豊富に含まれており、肝機能を高める働きがあるようです。
ヘルシーなのは初カツオ
下の成分表を見ても分かるように、ビタミンやミネラルなどはどちらもそう変わりませんが、戻りカツオになると一気に脂肪が増えていますね。そういう意味では初カツオの方がヘルシーと言えます。