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今更聞けない!世界三大ブルーチーズ 11

世界三大ブルーチーズ!ひとくちに「青カビチーズ」と言っても、本当に色々とあります。青カビチーズをよ~く見てください。カビの色や入り方が違うことに気づかれると思います。大きな穴があいているもの、カビが細かく入っているもの、カビの色の濃いもの、明るいもの、などなど。そのなかで有名なものをご紹介しましょう。。

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いずれも有名な青カビチーズ

“世界三大ブルーチーズ”

■世界三大ブルーチーズ■

フランスの『ロックフォール』
イタリアの『ゴルゴンゾーラ』
イギリスの『スティルトン』

注意!!この“世界三大ブルーチーズ”なる呼び名は、実は日本人が勝手に言っているだけですのでご注意を! 

 

例えばイタリア人に「世界三大ブルーチーズを挙げてみて?」と質問すると、きっとイタリア産のチーズの名前ばかりを挙げることになるでしょうね。


さて、この3種類の有名な青カビチーズ、それぞれ味わいがかなり異なります。


マイルドな2種類

■一番マイルドなのがイタリアの『ゴルゴンゾーラ』。塩味も控えめでとってもクリーミーでなじみやすい味です。ゴルゴンゾーラには「ドルチェ(甘口)」タイプと「ピカンテ(辛口)」タイプがありますが、ドルチェタイプだったら青カビが得意ではない人も気に入ってくれるほどマイルドです。

 

青カビチーズの王様

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世界三大青カビチーズの一つに数えらるばかりではなく、”青カビチーズの王様”とたたえられているのが、この『ロックフォール AOP』です。「羊飼いが洞窟に置き忘れたチーズに青カビが生えたのが始まり」とも伝えられるフランス最古のチーズでもあります。現在でもその時の洞窟で熟成されたもの以外はロックフォールを名乗ることはできず、しっかりと伝統の製法は守らています。

 

ロックフォール

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自然の中の偶然が生んだチーズの最高傑作「ロックフォール」

ロックフォールはフランスを代表する青カビチーズで、その歴史は古く誕生は2000年以上前に遡ります。

誕生にはこんな伝説が残されています。昔々、ひとりの羊飼いが羊の世話をしていた時、美しい女性が通りかかりました。羊飼いは女性の後を追いかけていきますが、うっかり洞窟に羊のチーズのサンドウィッチを置いてきてしまいます。しばらくぶりにサンドウィッチを取りに洞窟に戻ったところ、サンドウィッチは青カビに覆われ、ロックフォールチーズに変わっていました。

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偶然置き忘れたパンとチーズが絶妙な湿度と温度の中に置かれ、洞窟を抜ける自然の風を受け、薫り高い青カビが作り出されたのです。

ロックフォールは今でも洞窟で熟成が行われます。作り方には細かな決まりごとがあり、場所もアヴェロン県ロックフォール=シュル=スールゾン村にあるコンバルー山の洞窟と決められています。

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この洞窟は石灰岩の岩山で、1年中チーズの熟成に適した温度(平均10℃)と湿度(最低80%)に保たれており、内部はまさに天然のセラーといえます。フルリーヌと呼ばれる洞窟内のところどころにある亀裂から吹き込まれる冷涼で湿度を含んだ風が、ロックフォールの風味の決め手となる青カビ「ペニシリウム・ロックフォルティ」を育みます。


シャープな青カビ風味

その味は、刺激的でシャープな青カビの風味、そして塩味も強めに感じられるでしょう。その後から、羊乳の独特のコクがしっかりと感じられ、なめらかな舌ざわりが楽しめます。しかし、やはり青カビチーズ独特の風味が強く、青カビチーズ好きな方でなければキツめに感じられることでしょう。真の青カビ好きの方には堪らない味わいで、まさしく通好みの味わいです。

ハチミツと合わせてマイルドに

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青カビの刺激と塩味が強めのため、そのまま食べるとキツいと思われる方はハチミツをかけて食べてみてください。とってもまろやかな味わいを楽しめます。また、生クリームと混ぜ合わせて野菜スティックのディップにしたり、溶かしてソースとして使われてもよいでしょう。ワインはフルボディの赤ワインや、甘口ワインとよく合いますので、こちらもお試しください。

 

ロックフォールをもっとおいしく

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ドライフルーツ、はちみつとあわせてイチジク、プルーン、枝付きレーズンなどのドライフルーツはロックフォールの塩味を和らげ個性的な風味をひきたてます。はちみつをかけても良いでしょう。


お肉のソースに

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ロックフォールは赤身の肉と相性が良いので、ビーフステーキやラムチョップのソテーにソースとして使うと絶品です。


ワインの赤と白はこう選ぶ

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赤ワインは、ロックフォールの個性に負けないフルボディを。白ワインは、甘みの強い貴腐ワインが合います。ロックフォールとソーテルヌは定番の組み合わせです。

 

保存方法

水分がでやすいチーズです。キッチンタオルにくるんでアルミホイルで覆い、チャック付きの密閉袋に入れておきます。キッチンタオルは定期的に交換しましょう。

 

ゴルゴンゾーラ

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ゴルゴンゾーラチーズの起源

ゴルゴンゾーラは非常に歴史のあるチーズであり、ある資料によれば最初にそれが作られたのは西暦879年のミラノ近郊であったとのことです。

他の説によれば、それはパストゥーロ・ネッラ・バルサッシーナという幾世紀にも渡りチーズが作られていた場所で初めて発見されたものであり、そこに存在する気温が年中6℃~12℃に保たれる自然洞窟の中で出来た産物であったと言われています。

いずれにしてもゴルゴンゾーラ市は、そのチーズの消費、生産、販売において育成期にも渡り主導的立場を取ってきました。その初期の名称であった「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ」は、〝緑のストラッキーノチーズ″という意味合いを持っていました。それを考えれば、それが作られたのは秋の搾乳の時期に放牧地で発見されたものだということは想像に難くないでしょう。

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900年代に入ると、ゴルゴンゾーラは主に外国において成功を収め、年間実に10万キンタルという量がイギリス、フランス、ドイツに向けて輸出されました。イギリスでは柔らかい味で少しの辛味を持つ白色のゴルゴンゾーラが好まれたのに対し、フランスとドイツでは味の濃い固めのもの、いわゆる「二層のゴルゴンゾーラ」と言われる種類が好まれました。

戦後になると、ゴルゴンゾーラをいわゆる生地から作るための新しい製法が生み出されました。以前によく使われていた製法はよりコストがかかり、衛生面でも品質面でも常に一定していたわけではなかったからです。ポー平原に点在する乳牛会社や乳製品販売店は、近隣の酪農場全てを回ってミルクを仕入れ、チーズを製造してから熟成所へ運びました。70年代には100以上の乳牛会社が設備を近代化しなければならなくなり、それよりも小さな販売店の多くは撤退することを余儀なくさせられました。ゴルゴンゾーラ製造会社として現在まで残っているのはそうした設備を設けた30ほどの企業であり、それらは中規模から大規模な施設を所有する会社としても見分けられています。

近年における傾向を見てみれば、生産の中心地が移動してきたことが分かります。生産地としての3大プロヴィンチャは、45%以上を生産するノバラ、22%のパヴィア、そして15%のミラノが挙げられます。その他の生産地は、保護指定呼称で明示されている地域の各プロヴィンチャが中心となっています。

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季節は秋。アルプスに放牧されていた牛たちを、厳しい冬の到来前に里へ追い下げていくその途中、ゴルゴンゾーラ村で休息を!その時に、長旅で疲れた牛から搾ったミルクで作られたチーズがゴルゴンゾーラの原型と言われています。その話を裏付けるのが、このチーズの正式名称「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ」です。「ストラッキーノ」とは、この地方の方言で「疲れた」の意味のストラッコからきています。つまり、「ゴルゴンゾーラ村のお疲れチーズ」というような意味合いです。


甘口タイプと辛口タイプ

ところで、ゴルゴンゾーラには「ドルチェ」と呼ばれる甘口タイプと、「ピカンテ」と呼ばれる辛口タイプの2種類があります。「ドルチェ」は組織が軟らかく、青カビが少なめで甘味があり、塩味もやさしめです。ブルーチーズに挑戦したい初心者の方は、まずこちらから食べていただくと馴染みやすいのではないでしょうか。反対に「ピカンテ」は組織がしっかりと硬めで、青カビが多いためピリッとした辛みがありブルーチーズ好きは大満足の味わいです。

おすすめの食べ方

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赤ワインのおともにそのまま食べても美味しいですが、パスタやリゾット、ピザ、ステーキソースなど、お料理に幅広く使える上に、美味しく仕上がるのでとてもおすすめです。

食べ方

食べる30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。その際、包装紙をはずして空気に触れさせると、本来の風味が蘇ります。青カビタイプは味も塩味もやや強めですので、無塩バターやクリームチーズなどと混ぜると食べやすくなります。ハチミツや洋ナシ、ブドウとも良くあい、また、イチジクなどのドライフルーツとの相性も抜群です。サラダに散らしたり、ドレッシングとしても楽しめます。加熱してもまた違った美味しさがあり、ピザや肉料理のソースなどにも!

 

保存方法

密封しましょう!青カビは繁殖力が強いので、他の食品に青カビが移らないようにラップで包み、ジッパー付きの袋などに入れて保存しましょう。

 

スティルトン 

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その知名度の低さからか、惣菜や料理のメニューなどでもゴルゴンゾーラやロックフォールに比べるとほぼ目にしません。
 しかし、実際食べてみるとスティルトンが3大ブルーチーズと言われる理由が分かります。
 もし目隠しで3大ブルーチーズを食べ比べて人気投票したら、スティルトンが一番票を集めるかもしれません。
黄色味を帯びた生地にひび割れのようなブルーのきれいなラインが広がっています。
 スティルトンは他のブルーチーズよりも水分量が少なく、つくり方の特徴からポロポロと崩れやすい生地です。
バターのようなマイルドな風味が特徴の食べやすいブルーチーズです。
それゆえ、料理にも合わせやすく使い勝手の良さもスティルトンの魅力のひとつです。
 

スティルトンの歴史

18世紀、ロンドンから130kmほど北のスティルトンという村にあるホテルで提供されたチーズが評判を呼んだことから命名されています。
ある農婦がチーズをつくり、スティルトンにあるベル・インという旅館に嫁いだ妹にクリスマスプレゼントとして贈ったのが始まりと言われています。
その後、その旅館の主人であるクーパー・ソーンヒルが、そのブルーチーズを客に提供したところ大好評。
 
さらに1727年、この宿でチーズを食べた人が書いた「Tour through  England and Wales」という本の中でその美味しさを紹介したことがきっかけとなり一躍有名に。
 
1875年には小さな工場が設立されてそこで手作り生産を開始。 
1910年には「スティルトン・メーカーズ・アソシエーション」が登録商標となり、生産地を現在の3州に限定。
これが今もスティルトンの品質を保っている重要な動きだったとされています。
その後、スティルトンはイギリスのチーズでは少ないPDO認証を取得し、今も伝統を守った上質なスティルトンがつくられ続けています。

 

スティルトンの保存方法

青カビタイプは光に弱く、組織が脆いのでアルミ箔で包んで保存します。
他のブルーチーズよりも水分量は少なく日持ちします。スティルトンは購入してから熟成の変化はほとんどありませんので、早く食べるほど美味しく楽しめます。

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食べ方

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そのまま食べても美味しく楽しめますが、マイルドな味わいなので料理にも使いやすいという魅力があります。サンドイッチの具材としてパンにのせたり、キッシュやタルトにも。

生クリームに溶かしてソースにしたり、ヨーグルトと合わせてサラダドレッシングにしても美味しいです。マイルドな味わいなだけに、いろいろな食べ方ができるのがスティルトンの魅力のひとつです。

 

最後に

世界三大ブルーチーズのご紹介でした。歴史があるので長くなりましたが、、、
3種類食べ比べる機会はなかなかないと思いますが、個人的にはロックフォールが好きですね。スティルトンなどは少し塩味が強い感じがしますので、料理などに使うといいですね。
塩の代わりにチーズを入れるとマイルドになってなおかつワインとも合います。
ぜひ一度スーパーで探して見てください。

 

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